アメリカに集約するヘルスケアのイノベーション

新日本監査法人のIPOセンサーという季刊誌に最近書いたコラムです。

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アメリカで病院にかかると、たいていの外国人はびっくりする。べらぼうに高いからだ。盲腸のようなちょっとした手術で200万円、アレルギーで点滴してもらって20万円、処方箋で買う抗生物質が1万円、といった調子だ。がんの手術ともなれば一千万円単位。保険があるからいいものの、そうでなかったら、うかつに怪我もできない。

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医療が高価な理由のひとつに、健康保険制度が自由化され、健康保険会社が1600社以上もある、ということが挙げられる。

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増資してインドと蛆

先週のベンチャー投資とインサイダー取引です。

増資してインド・オフィスを開設したのは、先週一番たくさん増資したNetDevices。$25 million集めた。インドのオフィスはハイテクでおなじみのBangaloreで、25人で始め、すぐ60人にまで増やしたいとのことであります。シリコンバレーはサニーベールの本社は既に100人以上。

作っているものは、ルータ、スイッチ、VOIP、ファイアウォールや不正なアクセスの検出などをオール・イン・ワンでひとつの箱に押し込めた、最近流行の「ネットワーク向け・なんとかin box」です。

・・・・・というのより、すごいベンチャーを発見。それは、「蛆虫療法」を行うイギリスのZoobiotic

ウジムシに傷口を食べさせると、実はすばやく傷が治る

という衝撃の事実を利用したベンチャーでございます。

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石器時代のアメリカブロードバンド(でも便利)

日経産業8月22日に掲載されたコラムです。
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 アメリカのブロードバンド(高速大容量)通信の普及状況は前時代的といえる。一年で七年分進むという「インターネットイヤー」の感覚で言えば「石器時代」といってもよい。

 日本の家庭では百メガ(メガは百万)ビットの光ファイバーを敷くことも珍しくないが、米国で百メガビットといえば特別にインターネットを多用する大企業が毎月百万円を投じて利用する感覚だ。家庭では一メガビットもあればすごい、というイメージだ。数百人規模のオフィスでも、一・五メガビット程度で普通だ。

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アメリカのビジネス用インターネットの値段

以前、教えてPlease:日米間のインターネットの速さ で、日米間スピードをいろいろな方にコメントで教えていただきました。実効でもせいぜい3-4メガ、というところのようです。コメントに加え、Trackback先でも四元さんがご丁寧に解説して下さっています。
日米間のインターネット通信速度(1)
日米間のインターネット通信速度(2)
Windows XPで、1セッション当たり大体1Mbpsが最大とのこと。

うーん、こんなに丁寧に教えてもらえると、personal help deskとしてブログを使い倒したくなりますが、あんまりtakeばかりではイカン、と心を引き締め、お礼に、現時点でのシリコンバレー近辺の中小ビジネス用インターネット接続の相場をお伝えします。

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RFIDのAlienがシリーズH

先週最大の投資を集めたのはAlien Technology。RFIDのタグを作っている会社ですが、今回の増資金額は$66 million、という巨額なのに加え、シリーズH、というのがキモです。スタートアップができて最初の増資がA、製品ができたところでシリーズBを集めて、セールス・マーケティング、事業が伸びてきたところでシリーズCを集めてどーんと拡販し上場、というのが美しい姿。

以降、シリーズD、Eと進むごとに「この会社大丈夫?」といった危機感が高まります。シリーズFともなると、かなり崖っぷち。それがHです。すごいですね。しかもリードインベスターは、日本のサンブリッジ。(正確に言うと、サンブリッジがシリコンバレーに持つVCのSun Bridge Partners。)サンブリッジはOracle Japanで財を成したアレンマイナーさんの会社ですが、 $66 million中$15 millionを出しています。勝負に出た、という感じですね。

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GoogleMapsとギガピクセル写真

この二つ、将来合体するという噂。GoogleMapsでどんどんズームしていくと、最後は、超高精細で、スパイもびっくりのギガピクセル写真にたどり着く・・・のか?(もちろん、主要ポイントだけでありましょう。ギガピクセル写真は人間が撮って歩くもので、自動化できないので・・)

ギガピクセル写真は、こちらのページが良いかと。川越しに高層ビルが10数棟立ち並ぶサンディエゴの夜景の写真をどんどんズームアップしていくと、最後はそのビルの一つの部屋の中の額縁が見える、というの密度濃い写真。Blade Runnerの最初のほうで、写真をズームアップしていくと、裏側に入り込める、というのがありましたけど、似た感じ。

下の写真は、現在のGoogleMapsから、GoogleのあるMountain Viewあたりのカーギル社の塩田。シリコンバレーでは、テクノロジーだけでなく「塩」も作っているのであります。海水を乾かしていく過程で微生物が発生、それで色が変わっていく。数年前、当地の塩田の中で男性の死体が発見されるという事件がありましたが、やっぱりその死体の周りの塩はその後塩として生産されたんでしょうか。

Salt

教えてPlease:日米間のインターネットの速さ

日本とアメリカでデータをやり取りする際、実効値でどれくらいが最高速でしょう?専用線じゃなくて、です。
(後日訂正:ご指摘いただいたとおり、T1は専用線でし。。「バックボーンをリースしてend to endで専用」というのだけが専用線だと思ってました。。。インターネット時代の通信はムズカシイ。)

とある日本の会社がシリコンバレーに子会社を設立します。日本のオフィスは東京で100M引いてます。が、子会社側の接続をどんなに速くしても、太平洋を越すところがボトルネックになるのでは、と。さすがにT1(1.5M)一本だと寂しいですが、「結局cross Pacificでせいぜい1Mしかでないよ」とかいうことだとT1で十分ですよね。うーむ。

ご存知の方がいたら教えてください。

Affymaxの輪廻転生

先週一番たくさんベンチャー投資を受けたのはAffymaxでした。$60 millionなり。1989年創業、という老舗。もはやベンチャーとはいえないかもしれませんが、今のAffymaxは一応法的には、2001年創業ということになってます。というのも、「スピンアウトした子会社のAffymatrixが上場して一躍寵児に、その後本体のAffymaxは製薬大手のGlaxoに買収されるが、praivate equityから資金調達してスピンアウト」というながーい経歴があるから。

Affymetrixは、「半導体の製法を使った遺伝子チップ」のパイオニアで、その世界では知らぬものとてない企業ですが、Affymaxはかなり忘れられた存在で、「Affymetrixをスピンアウトした会社」という「富士通をスピンアウトした富士電機」みたいな扱いを受けていました。が、ここに来て、臨床試験段階の薬ができて躍進。

ITの世界では、Borlandなんかが、「えっ、まだ居たありますか。」という感じですが、(最近業績向上中で、売り上げ$300 million, 企業価値$500 millionもあること、ご存知だったでしょうか?)似たようなもんでもあります。

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バイオの超シリアル・アントレプレナー

新日本監査法人のIPOセンサーという季刊誌に最近書いたコラムです。

たくさん起業してしかも成功している人の話。でも、この手の人たちの中には、実際あってみると、「大嘘つきスレスレ」という人が時としているのも確か・・・(全員じゃないですよ)。そういうアントレプレナーを称してDelusionalといっている人がいましたが、まさにそういう感じ。先日、Worldcomの元CEO、Ebbersが25年の判決を受けて奥さんともども涙を流していましたが、「delusionalなアントレプレナーの人が、激しく成功して、どこかで道を踏み外すとこういう風になるんだろうか」と思いました。

というわけで、以下本文。

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バイオ・メディカルの領域では、「超」の付くシリアル・アントレプレナーがたくさんいる。

シリアル・アントレプレナーとは、連続殺人犯をシリアル・キラーと呼ぶのにもじり、連続して起業し続ける人を指す言葉。ITの世界でも、複数のベンチャー
を起業し上場させたKamran
Elahian氏のようなシリアル・アントレプレナーがいるが、それでも興した会社の数は一桁。ところが、メディカルの領域になると、10社以上の会社を
興した「超」シリアル・アントレプレナーがあちこちにいるのである。

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黒字でもVC投資で打って出る

先週のベンチャー投資とインサイダー取引ですが、先週一番たくさん増資したのは、Omniture。サイトのアクセス解析の会社です。Eコマースが拡大するとともに延びている領域ではありますが、大勢プレーヤーがいて競争が激しい。そこで、どーんと$40M集めて、R&Dと海外進出で大きくなろう、という挑戦増資。去年の4月に$15.4M集めており、その時点で既に四半期ベースで6期連続黒字。しかし、増資して以降は赤字になるまで事業投資をし続け、ヨーロッパにも進出、来年にはアジアにも出て行くそうな。

懐かしのRed Herringにも記事が出ています。

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