石器時代のアメリカブロードバンド(でも便利)

日経産業8月22日に掲載されたコラムです。
****
 アメリカのブロードバンド(高速大容量)通信の普及状況は前時代的といえる。一年で七年分進むという「インターネットイヤー」の感覚で言えば「石器時代」といってもよい。

 日本の家庭では百メガ(メガは百万)ビットの光ファイバーを敷くことも珍しくないが、米国で百メガビットといえば特別にインターネットを多用する大企業が毎月百万円を投じて利用する感覚だ。家庭では一メガビットもあればすごい、というイメージだ。数百人規模のオフィスでも、一・五メガビット程度で普通だ。

 米国がブロードバンド化で出遅れた背景には、国土が広くてインフラ整備が大変という事情もある。通信自由化の進展で二千社近くの通信事業者が乱立したことも大きい。

 過当競争の結果、「将来を見据えたインフラ投資を実施し、適切な価格でアクセスを提供する」というあるべき通信事業者がいなくなってしまった。こうした状況をみると「通信はやはり公共事業で、完全に自由化してはいけない」という感を強くする。 

ただ、ネットを利用してできることが限られているかというと、全くそんなことはない。音楽のネット配信から免許の更新、州への企業登録といった公共サービスまで、便利で役に立つものが百花繚乱(りょうらん)である。高速ネットを手にして初めて成立するはずの映画配信まで動きだそうとしている。

ブロードバンド配信で出遅れた米国でネットサービスが浸透している背景には、二つの要因が挙げられる。

一つは「もともと人手でやっていたサービスの質が著しく悪かった」ということだ。米国では電話や電気といった近代生活の生命線ですら頻繁に故障する。修理を依頼しても誰も来ないことが日常茶飯事だ。世界で屈指の手厚いサービスを誇る日本と比べてはいけないのかもしれないが、それにしても悲惨な状況だ。

 

サービスを提供する企業や政府にとっては、顧客満足度の向上につながらない従業員を雇用するより、システム開発に投資してプロセスを自動化・省力化するほうが合理的なのだろう。

ユーザーにとっても、全幅の信頼が置けない担当者の代わりに、めったに間違いのないコンピューターと直接ネットでやり取りできるようになったことは本当にありがたい。ほんの数年前まで電話の修理のために何度も何度も電話する必要があった。最近は夕方にネットで申し込めば、翌日の朝には修理スタッフが家に来てくれる。

 

二つ目の理由は「企業も個人も、危なっかしいことまでトライする」という風土だ。実際、音楽のネット配信が最初に普及したのは日本でなく米国だった。ナップスターに代表される新興企業が登場して音楽業界を揺り動かした後に、アップルコンピュータなど大手企業が参入し、本格的なサービスを提供している。

 限られた回線容量を徹底的に活用する米国と、ネットでできることは限られていても広く高速ネット網が普及した日本。果たしてこれから十年はどんな将来が開けていくのだろうか。

石器時代のアメリカブロードバンド(でも便利)」への2件のフィードバック

  1. Broadband д╟╩╤дядыд│д╚

    ║г▓єд╧▓╦д─д╓д╖д╦┐йд┘╩к░╩│░дЄ╜ёддд╞д▀д▐д╣бг
    ─╣╟п─╠┐оенеуеъевд╦╢╨╠│д╖д┐╕хбве┘еєе┴еуб╝┤ы╢╚д╦┼╛┐╩бг╕╜║▀г│╝╥╠▄бгг▒╝╥╠▄д╧едеєе┐б╝е═е├е╚д╬е╙е╕е═е╣═°═╤д╦╩╗д╗д╞е╗енехеъе╞ег(PKI)д╦├э╠▄д╖д┐е┘еєе┴еуб╝дЄ└▀╬йд╖д┐дмбв┤╬┐┤д╬PKIд╬╔с╡┌дм├┘дддвдыддд╧┤№┬╘д╖д┐д█д╔д╬еве╫еъдм╜╨д╞д│д╩ддд╬д╟┼▒┬рбгг▓╝╥╠▄д╧├ц╣ёд╦дкд▒дые╜е╒е╚│л╚пб╩еке╒е╖ечев│л╚пб╦дЄ╝ъдмд▒дыдмдвды─°┼┘└о╕∙д╣дыдт├ц╣ё┐═д╬╛ж╜м┤╖д╦╖∙╡ддмд╡д╖бв┼▒┬рбг╕╜║▀г…

    いいね

コメントする

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中