Affymaxの輪廻転生

先週一番たくさんベンチャー投資を受けたのはAffymaxでした。$60 millionなり。1989年創業、という老舗。もはやベンチャーとはいえないかもしれませんが、今のAffymaxは一応法的には、2001年創業ということになってます。というのも、「スピンアウトした子会社のAffymatrixが上場して一躍寵児に、その後本体のAffymaxは製薬大手のGlaxoに買収されるが、praivate equityから資金調達してスピンアウト」というながーい経歴があるから。

Affymetrixは、「半導体の製法を使った遺伝子チップ」のパイオニアで、その世界では知らぬものとてない企業ですが、Affymaxはかなり忘れられた存在で、「Affymetrixをスピンアウトした会社」という「富士通をスピンアウトした富士電機」みたいな扱いを受けていました。が、ここに来て、臨床試験段階の薬ができて躍進。

ITの世界では、Borlandなんかが、「えっ、まだ居たありますか。」という感じですが、(最近業績向上中で、売り上げ$300 million, 企業価値$500 millionもあること、ご存知だったでしょうか?)似たようなもんでもあります。

ちなみに、Affymaxの紆余曲折の歴史は是なり↓

1989年 オランダのAffymaxというベンチャー製薬会社の子会社としてAlejandro Zaffaroniにより設立される。

ちなみに、Alejandro Zaffaroniさんは、ドラッグデリバリーの草分けで1968年創業のAlzaという会社のファウンダー。ドラッグデリバリーは、たとえば「一回飲むだけで効果が1日持つ、といった、じわじわ薬が溶け出す錠剤」みたいな技術のこと。体内に埋め込んだカプセルから何週間にもわたって薬がでてきます、なんてのもそう。薬自体は既に認可がおりているものを使えばリスクは低い、ということで、目からウロコの大成功。シリアルアントレプレナーなんですね。
(参考:バイオの超シリアルアントレプレナータイプ別シリアルアントレプレナー

1992年 Affymetrixスピンアウト
Affymaxは 「半導体の製法で、タンパク質をチップに生やす」という社内の取り組みがうまくいかない。しかしタンパク質ではなくDNAをくっつけるのであれば大丈夫、ということになり、DNAチップ開発を進める。で、それがうまくいきそうだったので別会社化。

1993年 Affymatrix、VCなどから資金調達。

1995年 Glaxoが$533 millionでAffymaxを買収。AffymaxはAffymetrixの株を65%所有していたが、これごと買収。

1996年 Affymetrix IPO

2001年 private equityから$51 million調達してAffymaxがGlaxoからスピンアウト

(以上参考:Duke大学のBiochip Technology

バイオ系はこういう、「大企業に買収されたけど、またスピンアウトして資金調達」という何度も生まれ出る型のベンチャーが結構あります。「大企業に買収される」と「スピンアウトする」の間には数年が経過するわけですが、その間技術に価値があり続けないとできないこと。ITと違って技術のスパンが長いからこういう悠長なことがよくあるんでしょう。

ちなみに、先週のインサイダー取引一番!はVarianのdirector, Allen Lauerの$1.4 millionでした。科学機器老舗。AffymaxとともにSilicon ValleyはPalo Altoの会社です。

(情報ソース:VentureWire, San Jose Mercury News)

Affymaxの輪廻転生」への2件のフィードバック

  1. 渡辺さん、こんにちは。時々、ブロッグを拝見させていただいてます。今日の話題のAffymax、弊社の向かいのビルに入っていることもあり、初めてトラックバックすることにしました。よろしく。Affymaxは、建物の入り口を全てしっかりロックし、一部カメラもついたセキュリティの高いオフィスです。(我々の建物は昼間は出入り自由です)この地に移ってきた2002年の夏、キャンパスの中の企業を探索しに歩いた時に知りました.後でAffymaxをWebで調べて、これが製薬企業のラボのセキュリティの実態かと感心したのを覚えています。
    またDrag Delivery SystemのDr.Alejandro Zaffaroni氏ですが、彼は製薬分野で10回以上の大成功を経験したアントレプレナー研究者で、年齢は既に80歳を越えていると聞いています。弊社の隣りにオフィスを構えていますが、たまに廊下やトイレですれ違うことがありますが、その鋭い眼光としゃきっとした動作には毎回驚かされます。
    シリコンバレーには、自分が気がついていないだけで、隣人がその道の超有名人でビリオネアだったりすることはよくある話ですね。

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  2. 面白いコメントを頂いていたのに、お返事遅れてすみません。Zaffaroni氏、今だにオフィスに出てきているんですね。すごいですね・・・・。
    「シリコンバレーには、自分が気がついていないだけで、隣人がその道の超有名人でビリオネアだったりすることはよくある話」
    については、先日空港でビジネススクール時代の学長とすれ違ったのですが、相手は急いでいるようで小走りだったので挨拶もしませんでした。・・・が、ちなみに彼は、ノーベル賞受賞者。もちろん、周りの人は誰も気づいていませんでしたが、「自分が気がついていないだけで、すれ違う人がノーベル賞受賞者」ということもスタンフォード周辺だと結構あるかも。

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