アメリカの新聞社の価値は3年で2兆円下落

米国メジャー新聞社14社の株価が、過去3年間で230億ドル、42%失われた、と。同じ期間に、世の中一般の株価はどうだったかと言うと、S&Pが17%アップ。ということで、比較上かなりつらい。

生き残りをかけて各社オンライン化を推進、それなりに成功しているのだが、しかし、それだけではダメなのであった。

例えば、New York Timesは、紙からインターネットへの変革を積極的に推し進めており、最近の四半期ベースで、オンライン収入は8千万ドル、前年比26%増。(同時期の新聞収入が7億3千万ドルで、営業利益が330万ドルなので、まだ紙媒体依存度は高いのだが。)オンライン版の方は2005年から1年ちょっと有料サービスとし、月7ドル徴収、年間1千万ドル(10億円強)までのビジネスになったが、2007年9月に廃止、全て無料になった。廃止時点で23万人の購読者がいたそうです。

とは言っても、オンライン事業を諦めた訳ではなく、購読+広告、というモデルから、広告モデルにフォーカス、ということにしたのであった。一番最近の四半期のNew York Timesのオンライン収入は8千万ドル、90億円、ということで、かなりがんばっている。

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メタボリックシンドロームは新たなデミングか

日本では、メタボリックシンドロームが本格的に管理される年になりそうですね。4月から健診の受診率、保健指導の実施率、生活習慣病患者の削減などの数値に基づき、健康保険組合に対して、財政支援の恩恵を与えたり、ペナルティーを科すと。これも、国民皆保険に限りなく近く、国の支配力が強い国だからこそできること。

ちなみに、メタボリックシンドロームと言う言葉の発祥の地であるアメリカでは、この言葉は医療関係者以外誰も知りません。というのも、「メタボリックシンドローム」そのものに効く薬がないから。国民の3人に二人が肥満、うち半分が病的肥満、というお国柄ゆえ、「生活習慣を改めましょう」などと言っても目立った効果は出ない。それで、治療できないものを診断しても仕方がない、という流れになったと。

(追記)70年代から同じ名前ってのがいけないのでは、とシンドロームXとかいろいろカッコいい名前を付けて広めようとしたが、今のところ努力は水泡に帰している。(「アメリカでメタボが言われないのはSyndrome Xと呼ばれるから、と書かれた方がいたので念のため追記しました。)(追記終わり)

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2007年のアメリカ・トップ5ニュース

私が考える2007年のトップニュースを順不同で5つリストアップしてみました。

  • サブプライム問題

月収20万円の人に、月々の支払いが20万円のローンを貸してた、といったようなことが根元の問題。北欧の田舎町までサブプライムローン焦げ付きの被害が及び、世界が金融でつながっていることが明確化。

2000年のドットコムバブル崩壊後、ドットコム企業の株につぎ込まれていた資金が不動産に向かい、6年かけて住宅ローン問題として浮上した、とも言われる。

サブプライムで痛んだアメリカの銀行は、さっさと海外の国家資金(Sovereign Fund)から資金調達して財務体質を改善。Citibankは株式の5%をアブダビに75億ドルで売却、Morgan Stanleyは10%を中国に50億ドルで売却。

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書評:偽スティーブジョブスの大冒険(Options)

今年の半ばにアメリカギーク業界を賑わせた「偽スティーブジョブス」。

Fake Steve Jobs, 略してfsjと名乗る謎の人物が、スティーブジョブスが自ら書いているという設定の風刺ブログ、The Secret Diary of Steve Jobsを展開。それが大人気になり、あまたのメディアでも取り上げられた結果、「偽スティーブは誰だ」と大追跡が行われ、ついに、本職はForbes誌のシニアエディターのDaniel Lyonsがfsjであることが判明したのでありました。

fsjが誰かわからなかった頃は、コンファレンスのステージでビルゲイツが

「あ、偽スティーブジョブスは僕じゃないから」

と言って笑いを取ったり。そして、そのfsjが書いた小説がこのOptions。「偽スティーブジョブスの大冒険」は、私が勝手につけた邦題です。

今年あった本物の大事件である「オプションのバックデート問題」を巡るシリコンバレーとアップルとスティーブジョブスのドタバタの内幕を勝手にでっち上げた小説なり。

アップルの動向をフォローしてる人だったらかなり笑えると思います。というのも。

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テスラロードスターふたたび

以下、12月3日に一旦載せたあと消したエントリーの再掲載です。GQの取材のお供でテスラモーターズに行った時の話。ただし、下記の内容は過去にメディアで語られたことばかりで、取材ではじめて聞いたことは全く入っていないので、それを知りたい人は今本屋で売っているGQを見てください。

なお、Teslaですが、今年10月の発売予定が遅れており、最近のWired誌が選んだ「2007年vaporware (話ばかりで製品が出てこない製品)」トップ10にも登場。来年春の発売が実現するか乞うご期待。

Tesla Roadster

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安定稼働の重要性

RockYouの石塚さんの今日のセミナーでの一言。

「最近RockYouアプリの人気が急上昇している最大の理由は安定稼働」

フェースブックがAPIを公開した5月には、RockYouはトップの座に一瞬あって、その後、Slideという会社にNo.1の座を奪われていたのが、最近またトップになったことについて。Slideは100人体制で、Rockyouは30人体制、というところで安定したシステムがなかなかできず・・・・と。Second Lifeも安定稼働せずにずっとガタガタしてるし。ああ安定稼働。やっぱり大事な安定稼働。しかし、安定稼働しなくてもビジネスになってしまうところがITビジネスの面白さでもあるのですが。

■■JTPAシリコンバレーツアー締め切りは26時間後です。

Harvardの戦略的学費値下げ:年収2000万円までのミドルクラス対象

イシューてんこもりのタイトルですみません。

月曜に発表されたハーバード大学の学部生向け学費値下げ。正確には学費の「正札価格」は変わらないのだが、親の世帯年収次第で、学校が多額の奨学金を出すことにした、ということ。結果、学生の負担はこうなる:

  • 世帯年収6万ドル(約700万円まで)だと無料
  • 世帯年収18万ドル(約2000万円)までだったら、世帯年収の10%以下

前者の方は、2004年からある奨学金。(ただし、年収制限は最初4万ドルだったのが、去年、6万ドルまで引き上げられた。)今回さらに18万ドルまでの収入の家庭に救済策がもうけられたわけです。

この結果、「現在の生徒の半分以上が値下げメリットを享受する」そうな。つまり、「半数弱の生徒の親の世帯年収は18万ドル以上」なんですね。

で、あちこちのニュースで、10万ドル台の年収の「ミドルクラス」に救いの手が、となっている。まぁ、全国平均世帯収入が4万8千ドルの国で、10万ドル台をミドルクラスというか、という気もするが、親の実感には即してるんだろうなぁと思います。

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Facebookトップアプリを作るRockYouの石塚さん@ギークサロン

NPOのJTPAで毎月やってる「ギークサロン」。少人数でインタラクティブに濃い話をしよう、という集まり。今月はこの金曜日です。今回は、RockYouのチーフ・アーキテクトの石塚さんにホストしてもらいます。RockYouは、Facebookアプリで人気ナンバー1のSuperWallをやってる会社。12月頭で、一日あたりアクティブユーザー数318万人なり。Sequoia、Lightspeed等から出資を受けてます。

石塚さん、確か1〜2年前に

「友達と起業するので日本から来ました」

とJTPAの会に顔を出したのが出会い。

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シリコンバレーツアー追加事項:学部生の方ぜひどうぞ

昨日書いたシリコンバレーツアーですが、なるべくたくさん大学の学部生の方に参加してもらいたいと思っています。どんな来方もあるシリコンバレーですが、アメリカの大学院に留学してそのまま就職するのが一番確度が高いので・・・。ツアーに来た結果、将来の方向修正をはかりたくなった場合も、若ければ若いほど修正は楽です。是非ご検討くださいませ。

なお、よく「いくつになっても挑戦できる」と言いますが、あれは、
「いくつになっても挑戦できるから、今思いついたことでも、あせらずに来年(とか、5年後とか10年後とか)すればよい」
という意味ではなくて、

「今すでに『5年遅かった』と思うことは、5年経ったら『10年遅かった』になる。今まで思いつかなかったことを突然やりたくなったら、それが挑戦時。」

ということデス。何でも若い時にやった方が失うものも少ないし、将来の自由度も高いので。

シリコンバレーツアー詳細はこちら:締切12月15日

私がシリコンバレーツアーをサポートする理由

梅田望夫さんが好きそうなタイトルだが、以下パロディではなくまじめに書きます。

シリコンバレーツアーというのは、シリコンバレーの日本人NPO団体、JTPAで毎年やっているセミナーツアー。今年は3月6日から9日で、応募は今週いっぱいで閉め切る。20人の定員で、去年は100人強の応募があった。サンフランシスコ空港集合、同空港解散(つまり、前後に勝手にアメリカ旅行をくっつけられる)。3泊4日で、食費、交通費(団体バス)、宿泊費、シリコンバレーには欠かせないロゴ入りJTPATシャツ、全てこみで450ドル、約5万円。予算としては3000ドルほど足が出るのだが、これはJTPAが寄付で集めたお金で補填する。

(つまり「超お得」ということです。)

ボランティアメンバーで、企画、運営を全て行っており、セミナーで話していただく方も、皆無償で来ていただいている。スタンフォード大学で宇宙工学のPh.D.取得中の樋口君がロケット設計並みのスケジュールとタスク分担表を作り、シリコンバレーの母と呼ばれるゆみさんが自らおにぎりを握り駆け回ってあちこち交渉。その他総勢10名以上のボランティアがせっせと働いてやっと実現するツアーです。

なぜにしてこんな面倒なことをやるのか。

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