テスラロードスターふたたび

以下、12月3日に一旦載せたあと消したエントリーの再掲載です。GQの取材のお供でテスラモーターズに行った時の話。ただし、下記の内容は過去にメディアで語られたことばかりで、取材ではじめて聞いたことは全く入っていないので、それを知りたい人は今本屋で売っているGQを見てください。

なお、Teslaですが、今年10月の発売予定が遅れており、最近のWired誌が選んだ「2007年vaporware (話ばかりで製品が出てこない製品)」トップ10にも登場。来年春の発売が実現するか乞うご期待。

Tesla Roadster

<<以下再掲>>

テスラモーターズに行ってきました。電気自動車のスポーツカーを開発するベンチャーでございます。「次世代の大自動車会社を狙う」というシリコンバ
レーらしく気の大きいベンチャー。これまでに1億ドル、100億円超を調達して怒濤の開発を進め、うまくいけば近々発売の運びなり。デザインはロータスに
外注しているので、見た目はロータス・エリーゼ、時速60マイル(約100キロ)までの加速は4秒、というバリバリのスポーツカーです。

スタートアップの最初の数十億円は、Elon Muskという人の個人ポケットから出ている。一つソフトウェアの会社を起業した後、さらにPaypalを起業→eBayに売って、30そこそこで数百億円の資産を築いた人です。詳しくはWikipediaを見てください。お母さんはモデルだったそうな。で、この人、宇宙が大好きで、SpaceXというロケット会社のCEO兼CTOでもある。

テスラのファウンダーとの出会いMars Societyの会合。「火星探索を推進するための会」です。映画監督のJames Cameronもメンバーだったことがある純正ギークの会。しかし、Mars Societyで数十億円の投資ができる人と出会う、というのは、なかなかよその地では起こるまい。

(正確に言うと、出会った時のElon Muskは、Paypalを売却する前で、まだそこまでリッチじゃなかったようですが。)

テスラに投資した時のMuskは32−3才だったはずだが、やっぱりこういう若さがないと、「ベンチャーの自動車会社」なんていうリスキーなものにどーんと数十億出すのは難しいでしょうねぇ・・・。

ベンチャーが法外な価格で買収されると、「いかにそれが正しいビジネスの道を外れているか」、「単なるバブルか」、といった話になることがある。Paypalも、eBayに$1.5 billionで買収されており、それって妥当?というの疑念は誰しもによぎると思う。

しかし一方で、桁違いの金持ちが誕生、しかもその人は買収された後しばらくすると会社を辞め、忙しい仕事抜きのキャッシュだけが残り、他のことをす
る余裕も出る。ということで、気が大きくなってどーんとリスキーなものに投資したりして、ま、その多くは失敗するのだが、なんと言ってもあちこちでそうい
うことが行われているので、たまには大成功する案件も出て、さらに起業が促進される。・・・・という「起業のエコシステム」に貢献してるってことも大いに
あるんですよね。

さらには、

「金持ちになる」

ことには興味がないワカモノも、

「金持ちになって、電気自動車のスーパーカーを作ったり、ロケットを作ったりする」

ことには夢を感じて奮起するかもしれないし。

「個別の事象は間違っていたとしても、全体のシステムとしては大抵の場合適切に回る」という超大雑把な仕組み。日本的システムの真反対、といいますか。

ちなみに、昨今のウェブ2.0系盛り上がりは、アメリカのベンチャー投資増に結びついていません。MoneyTree Surveyのヒストリカルデータなどご覧あれ。そもそもウェブ2.0系の事業は資金需要が小さい。Sequoia
か一部のベンチャーキャピタルだけが優良(そうな)ベンチャーに投資できているだけで、後は、ベンチャーキャピタルなど関係ないところでちょこちょこ作っ
てさくさく売却して終わり、というコトが多い。となると、IT業界は盛り上がっても、ベンチャーキャピタル業界は盛り下がる。ベンチャーキャピタルは投資
してなんぼの商売故。

もしテスラが成功すると、「100億円単位の資金需要のあるベンチャー」の成功事例となって、一気にベンチャーキャピタルは活気づくことでしょう。

シリコンバレーでは、例えばNanosolarという太陽電池を開発する会社も、これまでに$120millionを集めてますが、この辺りの「製造が必要なベンチャー」の成功が求められる昨今なのでありました。

ちなみに、テスラ、初年度分600台は予約で完売。Googleファウンダーのお二人、Larry
Ellison、Schwarzenegger、などなど、有名人が予約顧客にはぞろぞろ。予約には、最初の100台は代金全額(10万ドル)、以降7万
5千ドル〜5万ドルが必要とあって、予約代金だけで4千万ドルを集めてしまったテスラ。もはや後には引けない。

しかし、第一号直営サービスステーション(ディーラー的なもの)はスタンフォードにほど近いMenlo Parkにできる予定
がら「年末にはオープン」と発表してた割にまだ気配もない。。。(Stanford Park
Hotelの脇のシボレーディーラー跡地にできる予定。ここ1ヵ月くらい前を通っていないので、その間に改装していれば話は別ですが。最近あの辺りを通っ
た方がいたら教えてください。)

車の発売予定も、今年の秋と言っていたのが来年春になったし。ファウンダーのCEOは今年の8月に降格になり、一旦interim CEOが来て、今日から本物のCEOが新たに登板するなど、内情は大変そう。がんばれテスラ。

全くもって余談ながら、テスラを見て感じたのが、

「ヘアドライヤーってすごいかも」

ということと。というのも、時速100キロに4秒で達するテスラの出力は20万ワット。一方最近、ドライヤーも2千ワットなんていうのがある。とい
うことは、テスラはドライヤー100台分。たった100台で、レースカー並みになるとは。うーむ、ドライヤーってすごいパワーだったのね。

(ご参考まで、新しいポルシェ(997)のGT2は、時速60マイルまでの加速こそ3.6秒とテスラよりちょっといい程度ですが、馬力はテスラの約2倍。テスラは車体の軽さでカバーしてたりはします。)

テスラ社では、「テスラロードスターはハイブリッドのプリウスより2倍クリーン(二酸化炭素排出量で)」と言ってますが、それが本当かどうか、という長大な議論は、こちらのブログのコメント欄などご覧あれ。最悪のパラメータを使っても同じ程度にはクリーンらしいです。

テスラロードスターふたたび」への1件のフィードバック

  1. (電気)エンジニア的には、パワーは大抵の場合2乗でいろんなところ(部品の定格とか)に効いてくるので「超高出力ドライヤー100台分、そりゃ大変だなあ」って逆に思います。

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