AOLの涙

Economist10月28日号はIT特集。Spare me the detailsは、「ユーザが求めているのはシンプルさで、企業側が提供する盛りだくさんの機能(や超ハイテクなマシン)は、ユーザニーズからかけ離れている」という話。

ここまではあまり珍しくも無いが、出だしの話が笑える、というか泣ける。アメリカではいまだに大手のISPであるところのAOLで

「インターネットにつながらない」

とクレームしてくるユーザーの多くが、テレビやステレオにサインアップCDを突っ込もうとしている、というのである。なぜなら「PCを持っていない」から。

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ポピュラーな得票

開票が終わり、「Bushがpopular voteでmajorityを取った」というニュースがテレビでもラジオでも新聞でも繰り返されている。例えばSan Jose MercuryのBush wins majority of popular vote in re-election bid

Popular vote=実際の得票数

大統領選は、州ごとにelectoral voteというのが割り当てらている。おおよそ人口比。カリフォルニアが55、アラスカが3、とか。州ごとに有権者の投票をカウントして、一番得票した人がその州のelectral voteを総取りする。で、全体を数えて多い方が大統領。(かなり簡略化しています。本当はもっと複雑。「本当」を知りたい人はHow Stuff WorksのHow the Electoral College Worksへどうぞ。)

しかし、この仕組みだと、「実際の得票数を国全体で足したら勝っているのに、electoral voteの総数では負けてる」ということが起こりえる。実際前回の選挙ではAl Goreがその憂き目に会った。で、この「実際の得票数」をpopular voteという訳。「人気投票」という意味ではなく、人口=populationの形容詞形みたいな感じで使われている感じ。popular=数で勝負!なのだな。

まぁ「よりたくさんの人の支持を集めた」という意味では、人気投票といっても結果的には同じことではあるのだが。が、しかし、なんだかちょっと意外な使い方のような気がするのは私だけ??

Dictionary.comによりますと、popular voteの使い方の場合のpopularの意味は

Of, representing, or carried on by the people at large

となっております。

圧倒的にケリー支持のサンフランシスコは、抗議デモで交通は麻痺、路上でかがり火が燃されるなど、暴動状態になっている。ケリー支持者は「popular voteでもBushが勝ったなんて悪夢」と。結局結果を決めたのは、イラクでも経済でもなく「ゲイの結婚」だったいうのがもっぱらの分析。

宗教選挙に近かったことになる。

厳格なクリスチャンはゲイの結婚は認めない。ケリーはゲイの結婚支持、ブッシュは反対、だった。アメリカ人は信心深いのだ。以前書いたとおり「聖母マリアの処女懐妊を信じる人が、進化論を信じる人の3倍いる」という国ですから。

アリのその後

今日ラジオのニュースを聞いていたら、投票がちゃんと数えられる、と信じるアメリカ人は51%しかいないとのこと。人口より有権者登録の方が多い場所まであるとか。滅茶苦茶であります。

さて、本題のアリに戻って、昔自動的専業分業アリ社会というアリの生態に関するエントリーを書いたところ、ハイテクアリ観察キットのご紹介を頂いたので購入、しかしせっかく捕まえてキットに閉じ込めたアリたちはなぜか蒸発(このクダリはそして誰もいなくなった参照。

その後日談です(といっても、5月の話なんですが)。

(ありキットについては、最後の写真をご参照下さい)

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ビジネスモデル特許runs amok

Wall Street JournalのHolder of Patent On Global Trade By Web Sues Dell

「インターネットを使った国際的商取引」というビジネスモデルの特許を持ったDE Technologiesという小さな会社がDellを訴えている、というもの。

Critics say many business-methods patents shouldn’t have been awarded, because the processes they seek to protect are obvious or because they simply involve introducing computers into procedures that historically had been carried out with paper and pencil. The patent office is supposed to give patents only to inventions that are both novel and nonobvious.

とある通り、特許は「novel」で「nonobvious」でなければいけないのだが、この特許が出願されたのは1997年ということなので、そのころにはもう「インターネットを使った国際的商取引」はnovelでもnonobviousでもない。

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スパイウェア

先日インターネット犯罪の話を書いたが、WiredのHome PCs Plagued With Problems はスパイウェアの怖い話。スパイウェアは、ユーザーのPCに勝手に入り込んで利用状況を監視、ひそかにその情報をネットワークを介したサーバーに送る、という「スパイ」プログラム。

One beleaguered home user in the government-backed study had more than 1,000 spyware programs running on his sluggish computer when researchers examined it.

1000個もスパイウェア・プログラムが走っていたPCが発見された、と。本当だろうか。

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体力関連

昨日、超絶体力のロッククライマーの話を書きましたが、今週、ヨセミテ、タホ周辺では大勢が遭難しています。思いがけず早い冬の嵐がやってきて、ブリザードなので。しかし、亡くなったのは今のところ日本人2人だけ・・・・。やっぱり私たち弱いんでしょうか。

お気の毒にも亡くなられた日本人二人は、ヨセミテのEl Capitanという巨大な岩の絶壁を登っていて遭難。火曜にSOSが入り、天候がやや回復した水曜にヘリコプターが近くを飛んだ時には既に絶命していたとのこと。そして、今日、レンジャーが上からロープ伝いに降りていって遺体を回収。(多分、このレンジャーの人たちも超人的体力。二人の遺体を回収して、かつ別の遭難者を引きあげている。)El Capitanは高さ800メートル前後、上りきるのに3-4日はかかるという巨大な垂直の岩壁です。

San Francisco Chronicleの記事によれば

The Japanese climbers had been ill-prepared for the weather, a ranger said.

ということなんですが・・・。

El Capitanでは、彼ら以外にも5人が遭難していますが、全員生存。また、別の場所では、暖かかった金曜にハイキングに出発して、その後猛吹雪に見舞われたグループが木曜の今日元気に救助されました。毎日ピーナッツ5つとか食べてしのいだそう。しかもうち二人はバスケ用短パン姿だったとか。ill-preparedでも生きてるわけです。

昨日のエントリーでは、
「人間(の体力)ってすごいですね」
というコメントを頂きましたが、白人とアジア人を同じ人間として扱うのは、
「チワワもドーベルマンも同じ犬」
と言っているようなものかも。同じ人間だから・・・という過信は危険です。

腕を切り落として生き延びたロッククライマーのその後

以前体力と知力というエントリーで岩にはさまれてしまった腕を切り落として生き延びたロッククライマーの話を書きましたが、本人がその顛末を書いた本が出ました。その名もBetween a Rock and a Hard Place(ちなみにこれは慣用表現で「いずれもつらい二つの選択肢に直面する」ということ。「にっちもさっちもいかなくなる」みたいな意味)オリジナルのエントリーに書いた事件の経過はこんな感じ。

1)Tシャツと短パンで狭い峡谷を登っている最中に、右手のひじから先が数百キロの岩の下敷きに
2)そのまま5日間救出を待つ(ちなみに、夜なんか結構冷え込むんじゃないか。Tシャツに短パンだったら、それだけでもう死にそうである。その上に、右手はぐっしゃり、しかも3日目には持参した水もなくなる)
3)5日目についに決断し、ポケットナイフで右手を切断、その後、20数メートル絶壁を降りて10キロ強歩いたところで救出隊に見つけられる

結論から言いますと
「どうしても生き延びる、という強い意志があるから生き残ったわけではなく、あまりに体が頑強なので、心が萎えてしまっても死なない。よって生き延びた」
ということのようなのです。

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9/11 Commission Report-2

9/11 Commission Reportの続きです。元のエントリーでも書いたとおり、『Commission Reportは、議会と大統領によって設立されたNational Commission on Terrorist Attacks Upon the United Statesという組織が、9/11の顛末、その対応で明らかになった問題点、その問題点への対処方法をまとめたもの。』

で、それを読んで「アメリカというのは変わった国だ」と思ったわけだが、その理由として
『1)読み物として面白い』
をあげた。国の委員会が書いたものが、読み物として手に汗握る展開に仕上がっているのは変わってるじゃないか、と。

ということで今日は「変わった国」の理由の二つ目。

2)常に臨戦態勢である

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インターネット犯罪

日経産業に掲載されたコラムをアップしました。主に、クレジットカード番号や銀行口座番号、暗証番号などを盗み取る「Phishing」についてのもの。本文では触れていませんが、インターネット広告のクリックスルーベースでの広告料の詐欺では、「インドに莫大に人を雇ってひたすらクリックさせる」という超マニュアルな犯罪もあるとか。1クリック 18ー25セント、月に200ドル程度の稼ぎだそうで、もしかしてこれ位もらえるのだったら日本でも内職する人がいそうですね。(WiredのClick Fraud Threatens Webより)

なお、本文で書いた「「チョコレートと引き換えだったらパスワードを教える」と回答した人がなんと71%」という調査では、こちらの記事にあるとおり、これ以外にもいろいろ悩ましい(または笑える)結果がでています。皆様もインターネット犯罪にはお気をつけください。