コロナウィルス怖い

mask私はとんでもなく臆病者で、常に最悪のケースを考えている。

例えば、ホテルに泊まる時は必ず非常口を確認する。ドアまで行ってみるだけではなく、その非常口の外側がどうなっているのかも実際に入って確認する。「非常口を開けたら非常階段」と思っている方も多いと思うが、ほとんどの場合、備品置き場の小部屋があってシーツやらタオルやらが積まれていたりする。そしてそこにもう1つドアがあって、その先に非常階段がある。何でそんなところまで確認するかというと、「火事の時はあっという間に煙が充満して、床に近いところしか見えなくなる」、そして「過去の火災の動画などを見るに、火元に近い場合に逃げる時間は最大1分程度しかない」と想定しているからである。(もちろん、ちゃんとした耐火設計だったらそんなことはないと思うが、耐火設計の度合いを試すために火をつけてみるわけにもいかない。)

先日も、いつもの通り日本のとあるホテルで非常口を開けて、その先にあるもう一つのドアを開けてみようと備品置き場を3歩ぐらい進んだら後ろで「カチャッ」と音がした。 時間差で自動的に鍵がかかるドアだったのである。うっかり閉じ込められてしまったわけで、仕方ないので備え付けの電話でフロントの人を呼んで鍵を開けてもらいました。お手数をおかけしてすみません、フロントの方。

(ちなみに最初の非常口に鍵がかかっているホテルが時々ある。何年か前は丸の内ホテルがそうで、フロントの人に「鍵がかかってるんですけど」と聞いたら、「非常時には私共がフロントから操作して鍵を開けますので大丈夫です」と言われ、「非常時に本当に操作できるのか」「その鍵を開けるシステムにバグはないのか」「システムに冗長性はあるのか」「鍵が物理的にスタックしないのか」など「非常時のフェイルポイント」がいくつも同時に心に浮かび「全然大丈夫じゃねぇ」と心の中で叫びつつにこやかに「わかりました」と言って引き下がり、その後しばらく丸の内ホテルに泊まることは避けていた。しかし半年ほど前に止まったら鍵が開いていた。 消防に言われたのか社内の誰かが気づいたのか。なお、丸の内ホテル、場所も便利だしとてもおすすめ。鉄っちゃんだったら東京駅側の部屋にすると24時間駅の様子が観察できます。)

さて、そんな私は、怖いノンフィクションの話が大好きだ。事実は小説より奇なり、どんな怪談よりも恐怖映画よりも怖い現実の話が多数ある。よって、世界の天災、悲惨な事件、事故の数々を、コレクターのようにマニアックに脳内に収集している。 おかげでずいぶん怖い話が平気になった。Exposure and Response Prevention therapy(ERP)、日本語で曝露反応妨害法みたいなもので、「怖いと思うもの」に繰り返し触れることで恐怖を乗り越えることができるのですよ。

(以上前置き終わり。以下本題。)

しかしそんなセルフセラピーを見事に吹き飛ばしてくれているのがコロナウイルス。

前回のブログにも書いたとおり、「準備していないことはできない」と信じている私。アメリカのCDCは立派なパンデミックマニュアルがあるのだが、残念なことにトランプが2018年にCDCのパンデミックチームを丸ごと解雇していたのでした。どうりで、CDCはまだまともに検査キットも配布できておらず、州や大学が独自にキットを作ったりしてるわけです。マニュアルがあっても実行する人がいなければ無理。

その上アメリカでは2000万人以上が無保険、たとえ医療が短期的に無料になっても不法移民のみなさんは摘発を恐れて病院に行かないと思われ。

アメリカ、マジヤバイ。

というわけで、「病院がパンクして利用できなくなる」「突然外出が禁止される」「1〜2年の間、今の中国並みに世界の生産活動が平常の4割に落ちる」といった事態を想定して、先延ばしにしていた健康診断の血液検査もし、3ヶ月続いている風邪を治すべく医者を予約して強力な抗生物質ももらい、その他もろもろ買い集め(トイレットペーパーとかマスクじゃありません)、家族で遊べるJengaやらTwisterやらボードゲームやらもアマゾンでお買い上げ。プライムクレジットカードもついに作ってしまった。

また、シアトル近郊がホットスポットとして登場する前は、私の居住地はアメリカで最もコロナ最先端事例が続出、近所の病院でも感染源が分からない患者が出たりしていたので、外出時にはスマホはジップロックに入れ、急に人混みに行かなければならなくなった時用に「 お出かけセット」も自作。ハンドサニタイザー、使い捨てゴム手袋、マスク、アルコールワイプが入っている。(こんなことをしている人は周囲に全くいないので、はっきり言って変な人です。)

こんなに注意して、かつなるべく外出も控えているのに、小学校に通っている娘が2日前から咳が出始め、昨日の夜から38°から39°の熱が続いている。子供の感染率は低いのだが、万が一、世の中の人に感染させてはまずいので当面人に会うのは最低限にしたいと思います。あしからず。(追記:翌日には熱は下がりました。)

+++

なお、私は感染症のプロではないのでコロナの解説はしませんが、WHOなど信頼できる情報源からの情報を以下リンクしますので自分で判断してください。

Report of the WHO-China Joint Mission on Coronavirus Disease 2019 (COVID019) 16-24 February 2020 (PDF)

Press conference by Dr. Bruce Aylward, Team Lead, WHO-China Joint Mission on COVID-19 (2/25/2020)
↑ WHOの中国派遣団のチームリードのDr. Bruce Aylwardが個人的にした2時間を超す記者会見。私が一番震え上がったのはこれ。鈴木光司のリングより怖い。51:30から53:10は必聴。

JAMA: COVID-19 New Insights on a Rapidly Changing Epidemic: JAMA2/28/2020

Clinical Characteristics of Coronavirus Disease 2019 in China:The New England Journal of Medicine 2/28/2020
↑大雑把な分け方だが年齢別の重症化率等がTable 1にある

Cryptic transmission of novel coronavirus revealed by genomic epidemiology 3/2/2020
↑インフルエンザの進化を調査してきたBedford LabによるコロナウィルスRNA解析に基づくワシントン州の感染推定

イタリアのICU患者数グラフ (3/3/2020)
↑指数関数的増加

+++

<おまけ>

感染拡大モデル。感染症の専門家が作ったものではないが、Googleスプレッドシートで自分で変数をいじれますのでそういうのに興味がある人はどうぞ。

コロナウィルス怖い」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: コロナウィルスは武漢で始まった時から超凶悪だった | On Off and Beyond

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