ゲームビストロのuWinkに行ってみた

uWink round table
Google本社のあるMountain ViewにあるuWinkは、「ゲームをしながら食事ができる」という、ゲーム喫茶(死語?)ならぬゲームレストランである。去年の9月にチェーン店の3号店としてオープンした。「イロモノだなぁ」と遠巻きにしていたが、話しのネタに行ってみました。

外観はこんな感じ。

uWink entry

中は広くて清潔、モダンなインテリア。モニターがずらっと並ぶ様は結構壮観だ。

uWink inside

冒頭の写真のように、テーブルには一人一台モニターがある。モニターはタッチスクリーンになっていて、ゲームプレー以外に、食事の注文や支払いも可能。メインメニューはこんな風になっている。

uWink main menu

Order Beveragesをクリックするとソフトドリンクがずらりと。uWink beverage order screen

ゲームは、と言うと、コントローラはないので、大して複雑なものはなくパズル系がメイン。子供向けもある。

ちょっと意外だったのは、同じテーブルの人間同士のマルチプレーヤープレーは不可なこと。一人でひたすら自分のモニターでプレーするしかない。ただし、店内マルチプレーヤーはある。「みんなでするゲーム」の参加者を募るタイミングがあって、それに参加すると、トリビアやら二枚ある写真の間違え探しやらをすることに。(ただし、ゲームそのものは個人プレーで対戦相手が画面に登場する訳ではない)。最後に成績発表でプレーヤーと順位が発表される。壁にもスクリーンがあって、ゲームに参加していない人でも結果は見える。(↓こんな感じ。下が自分のモニター。)
uWink group game

(17人中2位でした。笑)

食べ物は、まぁなんといいますか、ありがちなそれなりに洗練されたアメリカのファミレスという感じで、東洋人的には頻繁に行くのは厳しいものがあるが、別に腰を抜かすほど不味くはない。

月曜の夜ということで、さぞや閑散としているのではないかと行ってみたところ、店内は4−5割埋まっていて結構びっくり。(uWinkがあるCastro Streetにあるレストランは、月ー木は閑散、金、土、日はそれなりに混む、というくらいで割と人気あり、という感じなのであった。)

家族連れも何組もいたが、確かにこれ、ゲームができるくらいの小さな子供を連れて行くにはいいかも。子供はゲームに熱中していただき、大人は落ち着いて食事をしながら会話するとか。伝統的な家族の食事に重きを置く人から見ると、

「家族全員がそれぞれ自分の前のモニターを見ながら食事している情景」

というのは不気味・不謹慎きわまるかもしれないが、たまにはいいんじゃないでしょうか。

+++

ちなみにuWink、ゲームメーカーの老舗Atariの創業者のNolan Bushnellがファウンダーだ。長方形のバーで四角い球(というのも変だが)をひたすら打ち続けるという、先祖的テニスゲームのPongを世に広めたあのAtariです。1982年時点では売上げ20億ドルという大ゲーム会社であった。

で、そのAtariで成功した後、Nolan BushnellはChuck E. Cheese(チャッキーチーズ、と読みます)という子供向けエンターテイメント型レストランチェーンを作る。ゲームセンター兼、昔のデパートの屋上の遊技場的なローテクの子供用遊戯施設があるレストラン。見た子供の心に一生残る傷を残しそうに怖いネズミの着ぐるみを来た店員もいる。小さい子供の誕生日パーティーをしたりするのに人気。

(Chuck E. Cheeseの怖いネズミ男)

(余談だが、映画、Sixth Senseで、主人公のお母さん(決して豊かでない)が、子供のクラスメートのお金持ちそうなすかした母親たちと話していて、「Check E. Cheeseとか?」と言うと、周りの母親たちが「あら、それなーに?」と言う、とうシーンがある。ハイソな人は行かない場所なので、主人公とその母親が学校で階級的に浮いてしまっていることを象徴する会話となっている。)

(なお、さらに余談だが、Chuck E. Cheese、「店内での客同士の喧嘩発生率がやたらと高いレストラン」としてもトリビア界では有名。子供の喧嘩に親が出て、激高した親同士が乱闘になって警察が呼ばれる、と言うケースが非常に多く、ついに火に油を注ぐ的存在のアルコールがメニューから消えた。一週間に一回ペースで警察沙汰になっている店もある模様。イト恐ろし。)

さて、しかし、Nolan BushnellがChuck E. Cheeseの利益を別の自分のベンチャーにつぎ込んだりしたこともあって、Chuck E. Cheeseは倒産、Bushnellは会社を追われる。(その後、会社は再生。)これが1980年代のこと。

で、新しく今やっているのがuWinkなわけです。2000年創業のuWinkだが、最初は「レストラン向けにインタラクティブなエンターテイメントシステムを提供する」というビジネスモデルだったのが、うまくいかずに2006年に方針転換、自らそのシステムを使ったレストランをチェーン/フランチャイズ展開することにした、という紆余曲折を経ている。

ちなみにuWink、怪しいOTC Bulletin Board(OTCBB)で取引されてます。一応財務データも公開されてるので見てみると、直近の1年間で売上げ$2.5 million、赤字が$5.3 million。この経済状況下では厳しい感じ。風前の灯かもしれないので興味のある方は早めに行ってみてください。CaliforniaのWoodland HillsとHollywoodにも支店がある模様です。

ゲームビストロのuWinkに行ってみた」への6件のフィードバック

  1. 明るそうで、暗いカフェと言えば(それがテーマでないかもしれませんが)。。。
    中華人の町(中華街ではなくて、中華人が多いエリア)の真ん中に、明るそうなボバティーのお店があったので入ってみたら。。。真っ暗で、お店の中では皆タバコ吸ってて、皆さんビデオポーカーに明け暮れてました。(昼12時平日)恐々とカウンターに行って、とりあえずボバティーを頼んでみたら、「え?本当にボバティーだけ?」みたいな顔をされましたがちゃんと作ってくれました。。。味はそこそこでしたがもう行くものじゃない感じでした。uWinkの怖いバージョンみたいな感じでしょうか?

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  2. へぇー、チャッキーチーズ(CEC)ってAtariの人がやってたんだ!なるほどねー。一時は、毎週のようにCECでバースデーパーティ、という拷問の時期がありましたが(ウチはハイソじゃいないもんで・・)、ようやく最近は子供がそれを卒業して、ホッとしてますわ。確かに、我が家近くのCECではスペイン語が公用語でしたねー。uWinkでも、ハイスコアが出ると、チケットがもらえて景品と交換できる(CECはそうです)とか?それがないと、やっぱ難しいでしょうね・・・

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  3. chikaです。
    >「え?本当にボバティーだけ?」
    タイの「(いかがわしい)マッサージ」は、実は本当にマッサージだけもしてくれる、という話を思い出しましたw
    >ハイスコアが出ると、チケットがもらえて景品と交換できる
    「Game Creditがもらえる」というの、確かにありました。どう使うかは不明。
    >爆笑
    ははは、どうも。でもホントに怖いです。泣き叫んでいる子供を見たこともあります。

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  4. あぁぁ、もしやと思ったら、やはり。知人から昨年この店の案内メールをもらいました。その知人女子はラストネームがBushnellです…。はい、Nolanの娘です。

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  5. 始めまして!!早速書き込ましてもらいます。
    日本の某大手回転すしチェーンレストランにもこんなのがあったなぁ(w

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