12月4日号のエコノミスト(日本の、ですw)に、私の書いたコラムが載りました。多分もう売ってないと思いますが。75ページ目にある「シリコンバレーが先端であり続ける本当の理由」というのです。
「理由」は4つほど書いたんですが、最初の一つが
「ダメな会社を保護しない」
去るべき会社が去らないと、新しいものが生まれないから。あと、「大企業だったら安心」という信頼が揺らぎ、どんな伝統的企業でもあっさりダメになるとなれば、働く人間の側も、「とりあえず大企業に勤めておこう」ではなく、「将来性のある仕事をしている会社で働こう」となって人材が流動するので。他の3つはまぁ普通のことです。技術者を厚遇する、世界から人材を集める、否定より肯定に力を入れる(ダメなことを批評・批判するより、新しいことを愛でるのに注力する)、とか。
ちなみに、「シリコンバレー成功の理由ではないもの」は:
- 「起業に適した税制」→カリフォルニアの法人税は米国の中では最悪に近い
- 「法律が優れている」→デラウェア州の方が会社を守る法律でいっぱい(なので、カリフォルニアの会社もみんなデラウェアで登記しますが)
- 「人材の流動化を促進する仕組みがある」→人材流動は結果であって理由じゃない。一応、カリフォルニアには、競合への転職を禁じてはならない、という法律はあるんですが。でも大局的には、「どんどん新しい事業が誕生して、人材不足だから」という方が原因で、人材が流動するのは結果。
そういえば、「エンジニアのトレーニングが優れているから」という仮説をもった日本のシンクタンクもあったみたいですね。これも違いますが。
コラムにも書きましたが、一番本当の理由は「たまたま他の地域に先駆けてうまく行って、その後雪だるま式に」ということだと思います。ラッキーだったんですな。もちろん、「起業を阻害すること」があってはダメなんですが。
それ以外では、個人的には、冒頭に書いた「ダメな会社を保護しない」が一番大事だと思います。はい。買収されそうになった会社を助けたり、モノポリー利益を得ている会社を野放しにしたり、緊急融資を銀行にさせたり、そういうのが「ダメな会社を保護する」。既得権益を守ること。でも、そこから立ち上がって変革するのは「痛い」ので、痛いことはやらずに、何かすてきな他のことで問題解決できないかしら、と探してる気がします。
そういえば、私、左側だけ肩こりがひどいんですが、運動するのが一番とわかっていながら、なかなかできない。人の振り見て我が振り直せ、ですね。
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