Bonaire紀行記:南の島の経済

Kralendijk downton in Bonaire

Bonaireは文化圏的にはオランダ、経済圏的にはアメリカの影響下にある。現地通貨はオランダ領のカリブの島々共通のAntillean Guilderだが、どんな小さな店でもドルが通用し、ドルで払うとおつりもドルで
くれることが多い。1ドル=1.7〜1.8ギルダーというちょっと苛立たしい換算レートではあるのだが。

観光客はオランダ人が多い。アメリカ人もそれなりにいる
が、1週間ほどで帰ってしまう。一方、ヨーロッパ人は2週間、3週間と滞在する。で、いろいろなものが長期滞在用にできている。

私が今泊まっているところは
30室ほどのこじんまりしたビラ・・といいますか、ホテルといいますか、コンドミニアムといいますか。部屋にはオーブンやディッシュウォッシャーのついた
フルキッチンがある。近くのスーパーに食料品を調達に行けば、オランダから輸入されたヨーグルトやチーズが並び、バケーションモードでデロデロの風体のオランダ人が買い物をしている。昨日は、フランスパンとワインが突き出したバックパックを背負った若者が自転車でスーパーから出て行くところに出会っ
た。そういう節約モードの長期滞在者もいる。

(レストランの請求書。ドルとギルダー両方で価格が表示してある↓)
City Cafe in Bonaire

ダイビングも、長期滞在用の料金体系になっている。昨日書いた通り、「タンク借り放題」という料金体系なのだが、これが一日20ドルくらい。ちなみに、沖縄あたりで一日ダイビングすると1万円をこす・・・んじゃないかと思う。ボートに乗るせいもあるのだが。Bonaireでは、タンクさえ借りればOKでボートはいらない。(別料金でボートを出してもらうことももちろんできる。)いずれにせよ、一日20ドルで、倒れるまでダイビングできるところは、世界でも少ないんじゃないだろうか。

(dive shop, Dive Friendsのタンク置き場。ここから勝手に取っていく↓)

Diving tanks

思うに、ヨーロッパ人、アメリカ人、日本人で、一回のバケーションに使うお金はほとんど一緒、ただし、それを3週間で使うか、1週間で使うのか、3ー4日で使い切るかというのが違いではなかろうか。

(日本の真南の赤道直下に、パラオというすばらしいダイビングの島があり、直行便だと日本から5時間ほどでつく。が、しかし、直行便では4泊6日というようなパッケージしか見つからず、あきらめてグアム経由で半日かけていったことがあった。)

休暇と言えば1週間が常識のアメリカ人であるところのうちのダンナの夢は「2週間のバケーション」だそう。

「フィリップスに就職すれば?」

と進言しているのだが、未だそこまでは割り切れない模様。フィリップスはオランダベースの会社だが、特に半導体関係はシリコンバレーに本拠地がある。サンノゼオフィスで働く人に聞いたら、

「オランダ本社だと3週間から4週間っていうのが普通のバケーションだけど、アメリカのオフィスだと、ちょっと短めで2−3週間かな。」

とのことでした。

話は飛ぶが、こういう「本社機能を丸ごとシリコンバレーに移す」っていうの、日本の電機メーカーもやればいいのに、といつも思うんだよなぁ。ま、会社全体と言わず、社内カンパニーだけでもいいのだが、本部長クラス以上全員シリコンバレー常駐にする。気分がかわって、でかいことを考えようという気になるんじゃないかと思うのだが。以前、ユーノスロードスターを作り出したインダストリアルデザイナーの俣野さんという方にJTPAのセミナーに来ていただいたことがあった。マツダ以外に、GM、BMWなど、世界の車メーカーで働いてきた方で、いわく「BMWは、図面が大きいところがマツダとの違い。でかい図面で設計するとデザインもかわる」と言っておられましたが、同様になんでもおおざっぱにでかいカリフォルニアで働くのもいいんじゃないか、と。ま、フィリップスの半導体部門のまねをしても仕方ないが。それに、日本の年配の皆さんが大挙してやってくると完全に日本の出島みたいになって、意味がないかもしれませんね。

もとい。

Bonaireには農業はない。島でとれるのは魚くらい。後は、すべての食料品がベネズエラ、オランダ、アメリカといった場所から船便か空輸便でやってくる。新鮮な野菜が安いと評判の「Less is More」というスーパーのチラシには

「毎週一回フレッシュな野菜をアメリカから空輸」

と書いてあった。逆に言うと、他の店では1週間以上たっている野菜が平然と並んでいる。茶色くなったレタスとか。

この手の小さな南の島でいつも思うのが、

「物価が高いなぁ」

ということ。特に日用の食材。アメリカのちょっと高めのスーパーと変わらないかそれ以上。トマト一個1ドル、とか。何もかも飛行機か船で送り込まれてくる故仕方ないともいえるが、地元の人たちにはつらい料金体系ではなかろうか。メキシコの島、Cozumelなんかも似たようなもの。

で、そういうスーパーで、ローカルの人たちがせっせと買い物をしている。Bonaireにいくつかあるスーパーの中でも、老舗のCultimaraというスーパーは、特に高価。アルミホイルに入ったごく普通のパウンドケーキが5ドル近かった。ダイブショップのオランダ人は

「Cultimaraは高いからやめた方がいいよ。ローカルの人たちは好きだけどね。WarehouseかLess is Moreに行きなよ」

と教えてくれた。

レストランも同様。昨日はローカルの人たちの間で人気というEl Fogon Latinoという食堂にランチを食べにいったが、平均価格が10ドル。1200円近いんですね。

(El Fogon Latino↓)

El Fogon Latino

アメリカ(や日本)と同じような水準の消費行動をとろうとすると、世界中どこに行っても同じような値段になってしまう。特に資源に乏しい島では物価は高い。一方、流通や経済が圧倒的に効率化され、しかもグローバルにソーシングしているアメリカは、特に生活必需品の消費材(スーパーで売っているようなもの)は多分世界でも最も安い部類に入るだろう。人の手によるサービスとなると、もちろんアメリカは高いのだが。

ちなみに、Bonaireのお隣のCuracaoには石油精製所があるが、ガソリンも安くない。リッター150円くらいします。

さらにBonaireは、ヨーロッパ人、アメリカ人、双方の別荘地需要もあって、不動産も結構高い。不動産屋の店頭の広告を見ると、安いところで1000万円超、ちょっとしたところで6−7000万円、高級なところは億円単位です。アメリカでも、ど田舎に行くと、7−800万円で家が買えるんだが。

(Krelendijkの不動産屋の広告。53万9000ドル、約6000万円なり。↓)
Real Estate Listing in Bonaire

ローカルの人たちはどうやって生きているんだろう??と不思議に思うが、思うに70年代の日本もこんな感じだったのでは。喫茶店でコーヒーを飲むのに300円超、ホテルでメロンを一切れ頼んだら1000円超、といったおぼろげな記憶が。(ドトールコーヒーが登場するまで、日本のコーヒーは高級飲料だったのだ。)で、ローカルの人たちであるところの私の家族は、そういう贅沢な所に行かずに過ごしていたのでした。

ちなみに、昨今のユーロ高で、オランダ人から見るとBonaireは格安のリゾートになりつつあり、私たちの泊まっているホテルはピークシーズンを前にして満杯、リゾートマンション等の不動産も一気に高騰しつつあるそうです。「文化圏はオランダ、経済圏はアメリカ」という島ならではのできごとでした。

Eagle ray in Bonaire

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