「お前もかブルータス」です。
アメリカで製造された赤い口紅の相当数から鉛が検出された。The Campaign for Safe Cosmeticsという民間団体の調査ですが、これを受けてFDAも調査に入ることが発表された。
ランダムに購入した口紅33種類のうち、61%に0.03ppmから0.65ppmの鉛が検出されたそう。ちなみに食べるキャンディーの鉛含有許容量が0.1ppmとのことですので、まぁ0.03ppmはよいか、という感じだが、0.65ppmはなんだかまずいような気がする。(男性諸君にご説明申し上げると、口紅というのはつけている本人がかなり食べてしまうものなのであった。)
最も多かったのは次の4種類だそうです。
• L’Oreal Colour Riche “True Red” – 0.65 ppm
• L’Oreal Colour Riche “Classic Wine” – 0.58 ppm
• Cover Girl Incredifull Lipcolor “Maximum Red” – 0.56 ppm
• Christian Dior Addict “Positive Red” – 0.21 ppm
他の製品のリストも載ったオリジナルのレポートはこちらからダウンロードできます(PDF)。
クレオパトラの化粧は鉛だった、と子供の頃に読んで「へー、昔の人は危ないことをしてたんだね」と人ごとのように思っていたんですが。
とはいうものの、正直なところ、0.65ppmがどれくらい危ないものなのか判断しかねます。はい。どなたかご存知の方がいたら教えてください。
さてさて、これとは別に知人が水銀障害で体調を崩し、民間療法系の薬などで徐々に水銀を体外に出す治療中。体内に水銀が増えすぎた理由は
「魚の食べ過ぎ。」
週に4−5回魚を食べており、しかもマグロと鮭が好物だったので長い年月のうちに水銀が体にたまってしまったとのこと。魚を食べると重金属が体に蓄積するからよくない、というのは話には聞いていたが、本当だったのね。。。
と、ふと不安にかられ「魚の種類別、食べてもいい頻度表」をチェック。特に気になるのが「サバ」です。というのも、わたしは缶詰のサバの水煮が好きなのだ。表を見ると、同じサバでも、King Mackerelは問答無用で食べてはならず、Spanish Mackerelだったら月に2回までOKとある。むむむ。
ちなみに水銀障害の症状としては、疲れやすい、気分が落ち込む、といった状態になるそうで、魚をたくさん食べている方はお気をつけあれ。
しかし、もう、何が安全で、何が安全じゃないのか、五里霧中。
ただ、基本的にはこれは、以前から感じてはいたことで、一番いいのは
「とにかくいろいろなものを少しずつ食べる」
ことではないか、と思い、できる範囲で実現してきた。危険なもののみならず、体にいい方の成分だって、雑多な食物から新たに発見されるかもしれない訳で、そちらも含め、とにかくいろいろなものを手広く、ちょっとずつ食べるのが一番よかろう、と。
で、さらに、毎日口にするものは、なるべく健康そうなものを選ぶ、と。(オーガニックの牛乳とかケージフリーの卵とか。これも完全に信用している訳ではないのですが。)
しかし、口紅は盲点だった。過去7年間ずっと同じ色(かぶれない唯一の製品。MACのTwigという色。同じMACでも違う色はだめで、すぐヒリヒリしてしまう)。健康にいいか不明なので、これもリスク分散させた方がいいのでしょうか。
まぁ、人間どれほど注意しても、皆最後は死ぬ訳で、それほど神経質になっている訳ではないんですが。
1p.p.m.は100万分の1の事です。つまり1%の一万分の一の事です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/Ppm
0.65p.p.m.の量によって人体に有毒、影響が出るという事は如何にその物質が微量でも有害なものか実感できるでしょう。
わたしも中国うなぎに抗生物質の効かなくなる成分を
入れていたというニュースを聞いてからは、それを改善するまでは中国うなぎを食べませんでしたよ!
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>クレオパトラの化粧は鉛だった、と子供の頃に読んで「へー、昔の人は危ないことをしてたんだね」と人ごとのように思っていたんですが。
秦の始皇帝だったかな。水銀を処方した薬を不老長寿の秘薬として服用していたというのは。昔の人は恐いことをしていたもんです。
ちなみにPPMは”Part Per Million”ですね。後の説明は不要でしょう。
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千賀さん
初めてコメントさせていただきます。
マグロは、食物連鎖の最後の方に君臨しているので、蓄積されている水銀の量が多いと読みました。
お魚を食べるのであれば、出来るだけ小さい魚(ちりめんじゃことか。要は食物連鎖の最初の方に位置しているもの)を選んで食べることで、リスクが軽減されるそうです。
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水銀など体に大量に蓄積されると問題を起こす重金属は、大人にも問題ですが子どもにはもっと問題で、子どもの場合は許容量の基準を大人より低く設定しておくべきなのだとか。(単純に体の大きさの違いから見ても、大人と同じ量を子どもが採ると問題だろうな、ということは何となくわかりますが、子どもは体の機能が発育途上にあるため排出が十分に行なわれないこと、というのも大きな理由だそうです。)(→同じように胎児に与える影響という観点から、妊婦に関する基準も厳しい。)
以上は、以前NBCの朝のトークショー(”The Montel Williams Show”)で、小児用予防接種ワクチンに含まれる水銀(以前は保存料として含まれていた)について取り上げられた時にネットで調べた情報です。(ちなみに「水銀の摂取と子どもの自閉症には何らかの因果関係がある可能性がある」としてFDAの勧告が出されてから、米国の各製薬会社は1999年以降、予防接種の製造を全て水銀の含まれていないものに切り替えているそうです。)(先日、小児科医に確認したところ、それ以前に製造されたものはすでに使用期限が切れているので、普通の医療機関では使用されていないはず、とのこと。)
番組の中でコメントを求められた医師が、
「小児用予防接種に含まれている水銀なんて、魚に含まれているものに比べたら微々たるものだから問題ない。うちの子供に予防接種を受けさせる時、水銀入りかどうかなんて気にしない」
と力説しているのを見て、やはり魚の水銀には十分注意した方が良さそう、と思った次第です。(ちなみに番組内では医師の意見に対し「メチル水銀は少量でも何かの拍子に脳に入ったら重大な問題を起こす」と反論がありましたが。)
あと、魚に関しては昔マクロビオティックを実践していたアメリカ人の知人は、魚に含まれる水銀の話をしていた時に、
「Farm-Raisedの(養殖魚)ならまだいいけど・・・・・・。私、海の魚は信用してないのよ。特に近海魚は汚染がひどいもの」
と言っていました。(情報としてどの程度正確なのかは不明。)
ちなみに、体に蓄積された重金属は便や尿や汗などから少しずつ排出されるそうですが、そのうちのほとんどは便として排出されるそうです。
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うーん、どうやら”まっかっか”な色がやばめなようですね。昔の人は口をまっかっかにしてたんですね。
何を食べると危険かの認識は、その国のロビーイング団体の強さに反比例しますよね。
以前ついにアメリカで狂牛病の牛が発見された時は、当然いつか見つかることなど予見していた牛肉業界が政府・メディア向けに周到な準備を進めていて、じぇーんじぇん騒ぎにならなかったという話を聞きました。
いっぽうアメリカでは魚のリスクに関してはけっこううるさく言われていたりして。日本はこの逆ですね。
ちかさんみたいに、自分でちゃんと数字レベルでやば度を理解しないと、何を信じていいのかわかりませんね。
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chikaです
>0.65p.p.m.の量によって人体に有毒、影響が出るという事は如何にその物質が微量でも有害なものか実感できるでしょう。
>PPMは”Part Per Million”ですね。後の説明は不要
ふむ???ppmの定義は知っているのですが。。。(1970年代の東京は公害がひどく、光化学スモッグがある一定ppmを超すと、小学校は臨時休校になり全員家に帰されたのだ。なので、ppmは小学生の大事な基礎知識だったのですよ。ははは。。。)
ですが、実際0.65ppmの鉛を含む口紅が本当に実際に、体にどれくらい悪いかわからないなぁと思ったのが本文内の疑問なのですが。。。。ちなみに、ベートーベンの死因は、かかりつけの医師が長年にわたって処方し続けた薬に含まれていた鉛だそうです。
>出来るだけ小さい魚(ちりめんじゃことか。要は食物連鎖の最初の方に位置しているもの)を選んで食べる
でもサバ食べたい、、みたいな(笑)。私個人的には、本文でも書いたように「基本的にいつか人間は死ぬのだから」と、ちょっと諦めているところもあるんですよね。快適で楽しい暮らしを送るためには、少々体に悪いものを食べるのは仕方ないかな、と。(享楽的ですが)。地球温暖化は気になるけれど、だからといって電気もガスも使わない生活ができないのと一緒です。
缶詰のサバは、「やすもんだから、きっと小さい方のサバで、より安全な方に違いない」と勝手に想像して、ま、月二回くらい食べてもいいんじゃないか、と解釈して食べ続けていますが、ほんとかなーとちょっと心の中に小さな疑念がないこともない、という微妙な感じです。
>小児用予防接種に含まれている水銀なんて、魚に含まれているものに比べたら微々たるもの
ひー、ですねー。「子供用水槽飼育まぐろ」が出てくるのはいつのことでしょうか。。。
ちなみに、水銀障害の知人は、各種漢方薬系の薬と、お風呂/サウナにたくさん入る、などを繰り返して治療中で、10ヶ月近くかかってやっと許容レベルに下がる予定だそうです。(まだ治療中)
自閉症と食べ物、予防接種、抗生物質等との関係は、こちらの本でも扱われています。
Louder than Words
http://www.amazon.com/Louder-Than-Words-Mothers-Journey/dp/0525950117
自閉症の子供を持った母親の体験記。最近アメリカでの自閉症治療で試され、効果があると一部の人たちが信じる方法や、その情報源がかなりたくさん載っています。(ただし、ほとんどは医学的に効果が証明された治療法ではなく、一部の医師や家族が自主的にやっているもので、いろいろ論議の的になっているものです。ご注意あれ。)「絶対諦めない」というアメリカ人的強烈さで、情報収集しまくり、よいといわれるものを試し続け、治療に協力的でない旦那を離縁してまで子供の状態を改善した母親の執念の記録。先月出たばかりの本です。
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初めてコメントさせて頂きます。ブログエントリの趣旨とは少し離れてしまいますが、お許し下さい。
水銀障害の知人の方が民間療法なのは、以前こちらのいつぞやのエントリにも書いてあったような、アメリカの健康保険制度によるものなのでしょうか。生まれてこの方ずっと日本に住んでいる人間の感覚では、病院にお世話になりそうな(なれそうな)感じがするのです。
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えりさんがコメントされているように、摂取限度の基準値というのは、国によってまったく違います。アメリカのEPAの基準は、一日あたり/体重1キロあたりの摂取基準量0.1マイクログラムとなっていますが、日本の厚生労働省(1973年当時)の基準は0.49マイクログラム。詳しくは、http://www.lib.kumamoto-u.ac.jp/suishin/mercury/12/12right.htmlをどうぞ。おそらく、国の産業と食生活のちがいによって、この差が出てるんでしょうが、健康に関する基準ですらそういうものに左右されるかと思うと、何を信じればいいのか不安になりますね。
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実際にどれくらいの鉛が体内に蓄積されると病状を発するか、死ぬかと言う事ですね。
これはその人の体重による計算とLD50(被験者の内
半分が死ぬ含有量)を基準にして測定します。
http://www.geocities.jp/kusumotokeiji/yougo2.htm
体重60kgで12g摂取すれば死ぬという目安なので
ここから逆算してみてください。
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Twig、買っちゃいました!
千賀さん御用達の、美容グッズとか興味あります。(手軽に千賀さんみたいにになれる、みたいな)
丸の内キャリアセミナー当たりました!
楽しみにしてます。
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化粧品に鉛が入らなくなるのはわりと最近の事らしいです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%96%E7%B2%A7
”日本の白粉は液状の水白粉であり、西洋と同じく主な成分に水銀や鉛を含んでいた。長期的な使用者には「鉛中毒」による死亡が多くみられ、戦後に規制されてからも、このような死者は後を絶たなかったといわれている。”
ついでに、”江戸時代にはメタリックグリーンのツヤを持った口紅「笹色紅」が江戸や京都などの都会の女性に流行した。”はイメージ刺激されました。
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chikaです。
>水銀障害の知人の方が民間療法なのは・・アメリカの健康保険制度によるものなのでしょうか
うーむ、知りませぬ。もしかしたら西洋医療だと、水銀を体から出す薬がまた強烈で体に悪い、とかいうこともあるかも。。。今度あったら聞いてみます。
>ここから逆算
うむむ、摂取量と害の出方が直線グラフか幾何級数かはたまたexponentialなのかわからないので、逆算は難しいです・・・
>アメリカのEPAの基準は、一日あたり/体重1キロあたりの摂取基準量0.1マイクログラムとなっていますが、日本の厚生労働省(1973年当時)の基準は0.49マイクログラム
うーむ。50倍ですか。それはすごい。今現在においは圧倒的に日本人の方がアメリカ人より健康ですが、将来どういう害が出てくるかわからないですし、どう判断してよいのやら・・・とにかく同じものを大量に食べ続けないというディフェンスしかないのでしょうか・・・
>メタリックグリーンのツヤを持った口紅
見てみたい!
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