アメリカのラジオ広告市場は大きい。今年で約$20Billion、2兆円強。インターネット広告は成長したと言っても、なかなかこのラジオ広告市場に追いつかなかったのだが、ついに今年やっとほんのちょっとだけラジオを上回る見込み。
比較上、日本のラジオ広告市場はというと、2006年で1800億円弱と小さい。なので、2004年にはさっさとインターネット広告に抜かれてしまった。
さて、かようにラジオ広告が重要なアメリカなのであるが、視聴率調査を電子化したら、意外な事実があれこれと明らかになった模様。
テレビの視聴率をニールセンが調べているように、ラジオ視聴率は伝統的にArtbitronという会社が調べている。
ずっと、
「サンプルとして選ばれた人たちに、聞いているラジオ番組をノートに書き込んで記録してもらう」
というアナログな方法をとってきたのだが、やっと電子化。小さなデバイスを常に身に付けてもらい、それがラジオから流れるコードを記録、Arbitronのサーバに送る、という形式。(先日書いた、携帯電話を無料で配って、その携帯で視聴率を測るというのと原理的には一緒ですね)。
さて、こうして自動的に計測してみたら、ノートにペンで書き込んでもらっていた時代に比べ、こんな変化が。
far more people listen to the radio than had previously been realized
ラジオを聞く人の数は、実はずっと多かった
(これはよいニュース)
the “morning drive” time slot isn’t as highly rated under the electronic system as it was before, and weekend listening is much stronger than most people believed
ラジオの「ゴールデンタイム」だと思われていた朝の通勤運転時間のラジオ視聴率は意外に低く、週末は意外に高い
people tend to switch channels a lot more than was known, and that the total time listening per person is down, resulting in lower ratings at many stations.
異なる局に変える比率が高い
mainstream formats such as rock, country and soft rock fared better
ロック、カントリー、ソフトロックなどのメインストリーム系の人気が思われていたより高い
ということで、この結果を受け、
Those preferences have already contributed to several programming changes in Philadelphia and New York, each of which had two stations flip to rock or oldies formats in the past few months.
視聴率調査の電子化を行ったフィラデルフィアとニューヨークでは、既に二つのラジオ局がロックとオールディーズに変更した、と。
ふむふむ、やっぱり自己申告と、実際の行動は違うものなんですな。
なお、記事によれば、ラジオ局はみなArbitronがラジオ視聴率計測でモノポリーなのを嫌っている、とあるので、冒頭にリンクしたような、携帯電話を使った新しい視聴率計測が受けいられる余地もあるのかもしれませんね。
ラジオの場合、正確には聴取率ですね。
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うちの母はラジオファンなのですが、「ラジオでCMを始めた会社の株は上がる」とか。TVでCMをするほどの力はないけれど、勢いがあるので、オススメ銘柄を見分ける手なのだそうです。でもこれにネット広告が入るとどうなんでしょうね。
個人的にはネット広告は大嫌いですが、ラジオは毎日聴かないけどネットは毎日見るので、スポンサーにしてみれば当然ですね。
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