BtoBバイラル広告@YouTube

大学院の同級生のKevin EpsteinはScalentというエンタープライズサーバの会社で働いているのだが、このたびYouTubeにお笑い広告ビデオを出した。こんなんです→Top 10 Ways to Kill Your Server

見てみると、明らかに本人の自作。サーバをダメにする10の方法、という内容なのだが、最初のナレーションも本人の声だし、「ダメなユーザー入力デバイス」という所では、彼の二人の子供がサーバをいじっている様子が映されている。(ビデオではあまり良く見えないがとてもかわいいお子様たちです。)

トップ10リストはこんな感じ。

10.Excessive load
9.Overheated
8.Lost during building move
7.Incompatible power supply
6.Plumbing problem
5.System frozen
4.Bad user input device:kids
3.Resource contention
2.Hacked
1."Accidentally" dropped
で、最後にkillyourserver.comに行ってね、という表示が出て、そのURLに行くと、Scalentのサイトにリダイレクトされる。

YouTubeには「Do you have a day job?」(ちゃんと仕事してるんか?)というコメントも載っているが、本人は大真面目に作ってます。プロダクトマーケティングの本も出している人で、この広告ビデオを作った理由はご本人のブログいわく:

I used to get my technical news from 2-3 magazines. Now,
I get it from 20 magazines and e-zines, 3 newspapers, 47 web pages,
various email and direct mail
(中略)
when the sources of information were fewer (like, “all
CIOs read CIO magazine”), a PR target was clear: pitch the magazine on
an article, get a review, and follow up with direct mail to their
subscriber list.

But how can one get similar traction in a world where word of mouth and blogs prevail?
(中略)
1. Your product is never too big, too complex, too geeky etc for word of mouth marketing

2.
Videos are today’s method. Tomorrow’s will be cell phone. Or something.
To alter an old adage, don’t get stuck on the medium, it’s the method.

3.
As the old Kinks’ song said, “Give the people what they want”.  Your
marketing vehicle is as important as its content load; be sure they
match and match the desired information delivery of the target.

企業のIT部門の人がみんな同じ雑誌を読んでいる頃は、その雑誌に記事を出してもらって、その雑誌の購読者リストにDMを送ればよかったが、情報ソースが多くなりブログやインターネットサイトの力が大きくなった今、企業向け製品でもバイラルマーケティングを取り入れるべきだ、ということ。で、この発想に基づいて作ったのが冒頭のビデオなわけです。

企業向けIT製品はシリコンバレーの独壇場であるわけだが、それは「プロダクトマーケティング」のノウハウが地域全体で確立していることが大きい。で、その最先端のプロが語る理論!!・・・とかいうとすごそうだが、ビデオを見るとほのぼのしてて、かわゆい。サーバをBBQコンロで焼いたり。

果たして効果があるかどうかは作った本人のKevinも検証中の模様。(卒業生メーリングリストに感想を聞くメールが来たので。)

日本の人は仕事となると激しくまじめになってしまうので、企業向け製品でこういうマーケティングはイマイチでしょうね。あ、でも、90年代の日本で、「OK」「NG」「話に来い」、という三つのボタンだけついた「上司モード」があるメールクライアントを売り出した会社があって、とんでもないお笑いセクハラCMを出していた。一瞬にして倒産したのでCMの効果があったか否か全く不明。ご存知の方がいたら教えてください。

Kevinの書いたマーケティングの本はこちら↓

BtoBバイラル広告@YouTube」への7件のフィードバック

  1. 企業広告にポリシーはいるのか?BtoB,BtoCマーケティングの?

    Top 10 Ways to Kill Your Server http://www.youtube.com/watch?v=ZWPMDPhSnvk ↑この動画は企業の広告なのだが単純にコンテンツとして面白い 参照元: http://www.chikawatanabe.com/blog/2007/05/btobyoutube.html 最近実務をしながら思うのはやはりIBMの一見なんのメッ…

    いいね

  2. Kevin-sanのビデオ、何となくですが、インテルの日本のCMにノリが似ている感じがする。みょうにハイテンションなところが。
    で、広告面の独断的な感想。BtoBじゃなくて、BtoCを狙うべきだと思う。理由は媒体の特性。ユーチューブは基本的に不特定多数の人が集まる所。それなら、多くの人が面白く感じれて話題にしたくなるようなものを作ったほうが効果は高い。
    で、一般人で知名度アップ。→企業が気になっちゃう→企業との商談の機会が増える。→成約の確率が同じなら売上アップ!
    という方程式が成り立てばいいのですが。
    P.S. 個人的にはサーバー君の自虐ネタとかおもろそうだと思います。

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  3. chikaです。
    >サーバー君の自虐ネタ
    あ、それいいですね。日本で受けそう!(アメリカ人には自虐ネタは受けが悪いのだ。私は自虐ギャグが得意なのですが、アメリカ的には寒いギャグになっちゃうんですよねぇ。うむむ。。)

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  4. どうもです。
    >アメリカ人には自虐ネタは受けが悪いのだ。
    ほほー。バカの壁ならぬ、笑いの壁が。
    テレビ番組、電波少年で、松本人志がアメリカ人を笑わせるという企画がありました。その企画を実行するにあたり、先にアメリカに挑んだ女お笑い芸人に教えを乞いに行ったのでした。その女芸人がアメリカ人を笑わせるにはどうしたらよいかと試行錯誤した結果は、「下ネタ」。
    松本人志、苦笑い。わたくし、えーっっと思いました。映画は国境を越えることもあるが、笑いは難しいようです。

    いいね

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