P2Pローン、もしくはソーシャル金貸し

もちろん、私があなたにお金を貸してもP2PといえばP2Pなのであるが、もうちょっとシステマティックな金貸しシステムの話。

今朝のSan Joes Mercuryより
The Loan Arranger: Online venture connects borrowers, lenders

金を貸したい個人と、金を借りたい個人をオンラインで直接結びつける、というビジネスを2月にはじめたProsperというベンチャーについての記事。

貸す側は、今のアメリカだと、銀行に預けるとせいぜい5%しか金利が付かないが、Prosperだったら14%くらいの金利が手に入るというメリットがある。

リターンがよければ、見合ったリスクもあるわけで、借り手が返せなくなったらそれで終わり。一応リスクを減らすため、借り手の履歴や借金の理由を確認する審査や、複数の借り手を合体させて1人の貸し手に貸す、といった仕組みはある。

しかし、事業のポイントは、実は金を借りる側を増やすほうにあるらしい。

同様のベンチャーではDuck9というのもあったが、「金を貸したい人」はいても、「金を借りたい人」が集まらず、自動車ローンのオークションに転業したとのこと。

で、Prosperでは、金を借りる側を増やす工夫がある。いわく・・・

1.金を借りる側はグループに加わらないといけない。
2.グループは、何らかの共通項がある人たち。
3.グループのリーダーは、グループメンバーが増えると、そのグループメンバーが借りた金の金利0.5%分をインセンティブとして受け取る

つまり、リーダーにグループ員を増やす努力をさせる、というちょっとピラミッド商法的な感じなのである。リーダーも参加メンバーの一員であることを思えば、参加メンバーが参加メンバーを呼んでどんどん増える、というソーシャルネットワーク的なシステムともいえる。

が、このインセンティブの仕組みだと、怪しいグループ員でもどんどん増やすトンでもないリーダーが出そう。一応

In theory, at least, borrowers will avoid upsetting the leader and pay
loans on time. "That sense of reputation and shame drives much of the
performance,”

ということで、「グループとしての結束があるから、借金が返せないと他のグループ員に対する面子が立たない、という恐れできちんと返すはず」ということらしいが、ホンマか。

実際、記事には

Roslyn Medina Subrahmanyam, an assistant at Elevation Partners, a
private equity firm in Menlo Park, said her group leader let her in
after a single e-mail correspondence.

とか、

The leader called him up and chatted with Watson for "two minutes”

なんていう「一瞬で加入・ローンOK」の例が出ていて怪しい。

まぁ、しかし、銀行というのは、フツーの人から金を集めて、その人たちには何も知らせずに、とんでもないところに金を貸してしまったりしているわけで、しかも、それで高い利益を上げてしまっていたりするわけで、それを思えば、借り手の状況を一つ一つチェックできて、しかも仲介マージンを取られないのは原理的にはすばらしいことではある。ある程度のリスクをとってもいい、という人には良いシステムでありましょう。

10数年前、某日本のクレジットカード会社の人と話していたら

「日本市場でのクレジットカードはつまんないです」

と言っていた。じゃ、どこが面白いんですか?と聞いたところ

「やっぱりハイリスクな国ですね。儲かります。」

とのこと。ブラジルを例として挙げられていたが、かの地では、クレジットカード配送は装甲車が行くのだそうな。(途中で武装した強盗に奪われる恐れがあるので)でも、そういう国だと、高金利でカードが出せるからデフォルトも結構あるけど結局儲かるんです、と。

Prosperはハイリスク・ハイリターン金貸しの個人版ですか。

同様のP2P金貸し会社ではZopaというのもあります。イギリス発だけどシリコンバレーに来ちゃいました、という会社。

ZopaはUS$15million、ProsperはUS$12million、それぞれ最近のラウンドで増資したそうです。

P2Pローン、もしくはソーシャル金貸し」への13件のフィードバック

  1. 恐らくこのProsperのシステム、マイクロファイナンスで有名なグラミン銀行のシステムと同じですね。
    それをネット上にもってた。楽しみです。

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  2. p2pでもsnsでもないですが犯罪2.0?繋がりということで、先日終わった『アンフェア』(原作小説あり)という刑事モノのドラマで、誘拐犯がTVのニュース番組に割り込んで、被害者の家族に銀行口座を作らせて、日本国民が1人10円振り込んで10億円超えたら釈放するみたいなシーンがありました。日本人はそんなにケチじゃないからか1人100円は振り込んで10億円は軽く超えたんじゃかなったかな。ロングテール誘拐です。アッタマいい!……んなバカな。:p

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  3. あんとれ-san,
    Prosper自体は、ベトナムの仕組みに習ったそうです。(ベトナム移民がアメリカに持ち込んで、移民同士で同じ仕組みを運用しているそう)
    マイクロクレジットのP2Pっていうのもあるんですよね。運営組織が借り手の審査をしてくれるけれど、貸し手は先進国の個人で、直接後進国の人に貸し出すという・・。エントリで書こうと思ったんですが、元ネタが探せなくって諦めました。
    グラミン銀行はどこから資金調達してるんでしょ?P2P形式・・・ではなさそうですが。
    かわせみ-san,
    そうですよね・・・。とはいうものの、結局殆どの商売は実はねずみ講式。(コミッション、マージンなどなど、結局そうじゃあありません?)
    zoffy-san,
    それはすごい筋立てだ!!しかし、国民1億人が10円ずつ送金したら、その手数料だけで銀行はものすごく儲かりそう・・。
    panasianbiz-san,
    Silver??とは?Tantoはベイエリアの和食屋のTantoですか?あ、渋谷にパスタ屋もあったような記憶が・・・。

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  4. 面白い〜
    P2Pと仰っていたように、ようするに借り手と貸し手を
    どのように結びつけるか、マッチングの妙なわけですね。
    で、ここ日本でよく聞く話がもうすぐ大量にリタイアする
    団塊世代の方々(と彼らが持っているお金)を活用する
    ビジネスです。
    聞いて面白かったのが、おっさんたちに若い女の子のビジネスに
    投資させる仕組みをつくる、というやつでした。
    ご褒美は、年に一回株主総会で、ネールアーティストや
    カラーコンサルタントの女の子とお食事できるというもの(^^)
    シリコンバレーに比べるとめちゃささやかなお話ですが
    水商売には無い満足感があるらしい。

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  5. これって昔話に聞く「団地内無尽」と実は同じかもしれないですね。
    団地内の奥さんがそれぞれいくらかずつ出資して、それを必要な人が利子をつけて借りる。同じ団地に住んでるんで踏み倒せない、という仕組みだったかと。今風に言えば“リアルSNS”でしょうか(笑)

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  6. 面白そうだけど、運営が難しそう。僕も頼母子講をIT技術で現代化できないか考えた事はあるが、難しそう。借り手の信頼性を確認するためには、どうしてもface to face つまり直接会って確認する作業がいるように思う。

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  7. 学生の方へ♪ いいもの見つけた(@0@)

    学生さん!!ともかく読んで見てね~■初心者でも、『ちょっとした発見で稼げてしまう』ということを改めて感じました。   そんなやり方です「これなら私にも出来る」私はこちらを見てわくわくしました。見て頂けましたか?こんなのがあるんです。……

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