先日、Washington DCで、ダンナの友人に会った。彼は、もともとベトナム在住の華僑で、ベトナム戦争時にアメリカに逃れてきた、という人である。ベトナム語・北京語・広東語・英語ができる。現在はNASAのエンジニアでありながら、週末は中華料理屋のオーナー店長となるという、テレビドラマ「必殺仕事人」で藤田まこと扮する中村主水のような人だ。主水は、職場ではうだつがあがらず、家では「婿殿」と馬鹿にされるが、実は暗殺団を束ねる必殺の仕事人、という役どころ。
友人氏は、結構流行っているハイエンドの中華料理屋を経営しており、車はベンツ(華僑だから)、家は広くて家具を買いきれないくらい、最近ポトマック川近くの高級住宅街にも土地を買った、という生活ぶりなのだが、NASAのエンジニアは貧乏というのが定番。なので、通勤用にはアコードかなにか、ごく普通の車を持っている。
その友人氏に会うため、週末彼の中華料理屋に行った。本人は、バーのカウンターの隅で、ラップトップに何かをせっせと打ち込んでいた。何をしているのか聞いたら
「明日必要なNASAの設計の仕事」
うーむ、中華料理屋の隅っこでNASA。必殺仕事人は大変なのだ。
で、その後一緒に夕食を食べていると、友人氏が
「ユダヤ人の客の中にはひどいやつがいる」
と愚痴をこぼし始めた。
「ちょっと気に入らないからといって、400ドル近いディナーをタダにしろとか、自分のせいでワインをこぼしたくせに、洋服を弁償しろとか言うんだ。そういう客はことごとくユダヤ人だ。なんて金にがめついんだ、あいつらは」
と。私は黙っていたが、ダンナ(中国人)が
「でも、俺たち中国人だって世界中から『あいつらはなんて金にがめついんだ』と思われてるよ」
と。そうそう。
帰り道、とことことDCの夜道を歩きながら、ダンナに
「日本には『目くそ、鼻くそを笑う』ということわざがある。」
と、教えてあげた。私の訳は、Eye booger laughes at nose booger
booger(ブガー)は鼻くその子供言葉。一応広く通用します。で、うちのダンナ、およびその家族は目くそを「eye booger」と呼ぶのですが、カリフォルニアで生まれ育った人に言ったら「そんな言葉知らない」とのことなので、これはだんなの育ったハワイのローカル表現か、またはダンナ家ローカル。目くそ、の本当の訳はsleep。
さらに言うと、目くそ鼻くそを・・・と同じ意味の、正しい英語のことわざは
The pot calls the kettle black.
です。なんだかいきなりお茶目で高尚。
華僑
〔「華」は中国、「僑」は仮住まいの意〕長期にわたり海外に居住する中国人およびその子孫。東南アジアに多く、経済的に大きな影響力をもつ。今日では移住先に定着し、自らを華人と規定することが多い。
架橋
[名](スル)橋を架けること。また、その橋。「―工事」
渡辺千賀さん、僕は大ファンです。
スーパーエリートで美人でブログはとても面白いです。
。。難点はエリートで美人で既婚者って所でしょうか・・・
ただ・・お節介だとは思いましたが・・とても気になりましたので。
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ご指摘thanksです。直しました。。。中学校の社会の先生、せっかく教わったのに、間違えてごめんなさい、という感じです。。
エリートの渡辺(ぎゃぼ)
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I agree with Mr.norikun.
エリートで美人でブログは面しろくて。
そう、難点は既●●・・・ですね。
車はベンツ(華僑)だから>って面白いですね。そうなんですか? しかも通勤用に安物を揃えてるとは。いや僕にとってはアコードですら贅沢だな。
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わたしの周りの中国系カナダ人、みなさん金額にうるさい。初対面でもHow much?がごあいさつ。
これが口癖の中国系スタッフが職場にいます。私の身につけてる物から、ヘアーカットの値段まで「ハウマッチ?」と繰り返しきくので、心中、彼女のことを「ミセス ハウマッチ」と呼んでる私。
そういえば、ユダヤ系の人からモロに「ハウマッチ?」ときかれたことは此れ迄17年間一度もない(と思う)なあ。
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chika-san>お久しぶりです。(書き込みが)chika-sanの旦那様ネタ読むのが好きです。
中華料理店の隅でNASAの仕事。そういうギャップって妙にキラキラ輝いて見えてすぐ惚れてしまいそう(笑)OfficeでNASAより、中華料理店でNASAの仕事・・・ほぉ・・・素敵。
すごく単純な質問があります。旦那様との会話が英語のようですが、「あ・・不便だな」と思うことってあるのですか?それはどういうSituationですか?それとも、いつも新しいことが発見できて、不便どころか楽しいと思えるのでしょうか?国際結婚に興味ありなんです・・いま。
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masahiro-san,
住み込みのお手伝いさんがいる家で育ったベルギー人の友人いわく、「ベンツは肉屋とか八百屋が乗る車である」そうです。。。本当かな?でも、中国人は好きですよね。インド人も好きみたい。Bend it like Beckham(邦題「ベッカムに恋して」・・・ぎえー)で、主人公のお姉さんの婚約者の両親がぴかぴかのベンツでやってきて、主人公のお父さんのぼろぼろのベンツの横に停める、というシーンがあります。あれ、多分インド人移民の間では、「あるあるある」という笑いが起こるところなんじゃないかと推測したんですが。
ゆか-san,
ハウマッチ、わかるー!!!!わかります。アメリカ生まれのうちのダンナですら、知り合いに「で、それはハウマッチ」といきなり立ち入ったことを聞いて、相手が言葉に詰まってるのを見かけたことが。とある日本人の知り合いも、「子供を公園に連れて行って、中国人のお母さんと会うと、全員『家は持ち家かレンタルか、レンタルだったら家賃はいくら?』と聞いてくる」と言ってました。
kima-san,
>旦那様との会話が英語のようですが、「あ・・不便だな」と思うことってあるのですか?
これ、時々聞かれるんですけど、特に不便はありません。なぜなら・・・
1)そんなに会話がない。食事も本や雑誌を読みながら。深い話などまずしない。無口が仲良しの秘訣!!
2)日本人同士で、お互い母国語でも、信条が違って分かり合えない人とは徹底的に分かり合えない。それに比べれば、表面的に少々言葉が通じないくらい屁の河童である。
・・・からです。ま、どっちもあんまり汎用性のある参考事例ではないと思いますが。。。。
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The topic of cultural stereotypes is definitely challenging. Some say that there is a seed of truth in all stereotypes, and yet we often wish there not to be.
In a related thread, this April, the Simon Wiesenthal Center wrote to the president of Lawson in Japan to ask Lawson to stop carrying an anti-semitic book, “Yudaya No Seikousha Ga Oshieru Ookanemochi Ni Naru Hito No Houteishiki” (A Successful Jew Teaches the Method for Becoming Fabulously Rich), in convenience stores in Japan.
http://www.japantoday.com/e/?content=news&cat=1&id=335052
I saw advertising for this book on the JR Yamanote. It was quite… depressing, I guess is the best word to explain my thoughts.
Japan Media Review had a much longer article on this topic back in 2003.
http://www.japanmediareview.com:80/japan/media/1064022502.php
These kinds of cultural stereotypes in Japan remind me that the homogeneity of the cuture and the relative isolation of Japan, (vs. European nations, or other first-world nations) due to language and history, enforces inaccurate stereotypes.
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Cultural stereotypeのテーマにムリヤリつなげます。。
実は”the pot calling the kettle black”というidiomは「Black=Badみたいな意味合いがあるのでは?」と強硬PC Police(=Politically Correct Police)の攻撃にさらされることがあります。語源はなんと「ドン・キホーテ」らしいのですが、「黒い鍋が黒いやかんを見る」の解釈(こちらが主流)と、「黒い鍋が、銅のやかんに映った自分の姿を見る」の解釈があるのです。いづれにしろ、人種的な意味合いは無いのですが、アメリカ人はこういうことに過剰に反応しますよね。(あっ、これもStereotypingか。。)
目くそのほうが、かわいらしくて私は好きですがね。。(因みにNY育ちですが、Eye Booger、通じますよ!)
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Gen Kanai-san,
Stereotypeは・・・私は根拠があると思うsomeです・・まずいかな。でも、その根拠は、そのグループの文化に基づくものだから、決して悪いものではないと思うんですけど・・・。ユダヤ人と中国人がいなかったら、世界は進歩しなかった!と、資本主義を愛する私は思います。
問題なのは、特定の集団が全員Stereotypeそのものだとみなすことではないでしょうか。何事も偏差と分布。中央の山(平均値といいますか、その集団の偏差値50の地点といいますか)は違うところにあっても、山の裾野のほうは、他のグループと重なりますよね。女は一般的に男より感情的(というstereotypeを私は信じます)だからといって、女である私より感情的な男がいないわけではない、と。
ただ、リンク先を読むと、Kanai-sanがおっしゃっているstereotypeとは、特定の集団に対する偏見と迫害のようですね。触れられている記事はユダヤ人問題に関する「誤解」と「無知」と「曲解」に基づくものでは・・・。これは絶対良くないです!確かに!
そういえば、昔、関西弁ペラペラワイツマンというラストネームのアメリカ人の知人と、日本人ばかりのパーティーに出たとき、複数の人が彼に
「イスラエルにワイツマン研究所というのがあるが、あなたは関係者か」
と聞いていました。これはつまり彼に「あなたはユダヤ人だ」と言っているわけで、結構タッチー。アメリカ人同士だったらよほどユダヤ関係の話題で盛り上がっていない限り聞かないことですよね。(多くの場合ラストネームで一目瞭然ではあるのですが)でも、出席者の人たちは、
「ユダヤの歴史は複雑なので、相手がユダヤ人ということに触れてはいけない(ただし、相手が自分から言い出した場合、ごく親しい友人の場合を除く)」
という暗黙のマナーを知らないので、善意で話題を持ち出そうと聞いたわけです。おそらく質問した人の多くは、ユダヤ人のstereotypeを持つほどユダヤを良く知らないけれど、結果はpolitically correctじゃない会話になってしまった、と・・・
ちょっと話は飛びますが、日本で運転していたころはよく、女の運転手のチンタラした車がいると、「けっ、女だよ、とろとろすんなよな」と思いました。ひどいstereotypeですなぁ。。。。
Tora-san,
おお、eye booger、通じるんですね。
アメリカ人のPCに関しては、ちびくろサンボの絵本がなくなってしまったのは悲しいです。私、かなり好きだったんですが、あの話。トラがバターになったので、パンケーキを焼いちゃう、というところが残酷なようなポエムなような・・・。
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chika-san>いつものことながら、明快・爽快な回答ありがとうございます:-)
先日大学時代まるまる4年付き合って、その後8年も結婚生活を続けた私の中で一番仲良しな「黄金カップル」が離婚しました。理由を聞いていいると、会話のすれ違いによるお互いの想いのすれ違い、のような感じです。要する女ができた、とか、そういうのではなく・・・。お互い母国語が日本語ですが。
日本人でもどうーしても考えが合わない人がいます、確かに。それより信条が近い人なら、日本人じゃなくても、日本語じゃなくても関係ないですね。。。言葉の問題は2の次。今さらながら納得。
また旦那様ネタ待ってます!
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ダンナ様ネタですかー。うーむ。不潔に強いダンナ様は、週末は歯も磨かずシャワーも浴びないことがあるとか・・。(ムンクの叫び:ぎゃー)
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2年ほど前から楽しませていただいてます。「ちびくろサンボ」復刻された(る?)と聞きました。孫の読書の件で、息子が言ってました。
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ちびくろサンボ復刻はいいニュースですね・・・。ありがとうございます。
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chika-san こんにちは。
旦那様・・・素敵な旦那様は・・・不潔に強い生命力のある方ということにしておきましょうよ:-)
ちびくろさんぼ、私も好きでした。パンケーキの絵が特に。
Btw,子供のための絵本が好きです。本屋に行っても買わないのに、ついつい見に行ってしまいます。
この前はなつかしいRichad ScarryのWord Bookを発見しました。アメリカで人気の絵本、バイブル的な絵本についてまた機会ありましたら教えてください!
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あ、すみません。ミススペーリング。Richard Scarryですね。
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ほほー、絵本ですか。最近とんと見ていないですが、何かあったらご報告します。。
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在日中国人です。華僑というる類別にはいらないと思います。ブログが面白いです。
確かに華僑はお金にうるさい人が多いです。華僑は大昔貧乏な人たちが出稼ぎから形成されたですから,厳しい環境に生活していました。生き抜くためにお金に対する考え方は異常な部分がありました。
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おお、ご本家、中国人の方からのご意見が。。
ふーむ、やっぱり、「育ち」ですか・・。基本的にお金にしっかりしてるということは、良いこと、正しいこと、責任ある人間のすること、とは思うんですけど、お金自体が人生の目的だと寂しいですよね。
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