MBAのダウンサイド

昨日書いたとおり、先週末はMBAのクラスメートのうち女性だけの同窓会であった。
30人来てその内訳は、

子供がいる:12-3人
既婚:20人前後
会社に勤めかつ出世している:5-6人
専業主婦:3-4人

という感じ。きちんと統計を取ったわけではないのでわからないが・・・・。100人ほど女性がいるうちの30人が集まったわけだが、残りは都合がつかなくて来れない人と、人に言うほどの成功を収めていないから来たくない人の二種類に分かれると思う。実際に知り合いでも、「最初に自分の近況を一人ずつ発表するんだけど、あれが嫌だからもう行かない」と言っている人がいた。ごくごく大雑把に見て30人くらいが「人に言うほどの成功を収めていないから来たくない」に入るとすると、「会社で出世している」というのは60分の5、約8%か・・・。育児のために、パートタイムで働いているという人もいたから、男性だったらその確率はもうちょっと高いかもしれないが、それでもまぁせいぜい倍の16%というところではないか。不況のせいもあるとはいえ、履歴書上美しいスタンフォードMBAといってもこんなものだ。

***
それにしても驚いたのは、自分の話しをしながら泣き出す人がいたことである。複数いました。終日の集まりだったのだが、午後は同じくスタンフォードで80年代にMBAを取った女性がキャリアビジョン・セミナーなるものをしてくれた。その講師の人も、自己紹介をしながら「39才でついに人生のパートナーを見つけた」というところで、急に感極まって泣いていた。さらに、会場として自宅を提供したクラスメートは、その日たまたま知り合いの葬式だとかで、途中で抜け出したのだが、葬儀が終わって戻ってきて、亡くなった友人の書いた詩を読みながら泣いた。

「女性というのはこうやって集まるとみんなでウルウルと泣いているのだろうか?」
と仰天、
「とすると、私も本当はこういうウェットな女性的な部分があるのに、それを抑圧しているのだろうか?」
などなど、大きな懸念と疑問が心を渦巻いたのだが、後ほど他の参加者と話したところ「ああ、あれは私も驚いた。」とか「10年近く、隔週で必ず集まる女友達6人組がいるが、誰も泣いたことなんてない」とかの意見だったので、別に私だけが血も涙もない人間だったわけではないようだ。

では、今回の集まりはどうしてそれほどウェットになったのか。

MBAというのは、人生の期待値をあげる効果がものすごく高い。経営や経済の基礎知識ももちろん教えてくれるが、それ以上に「君にもできる」「志さえ高ければ成功する」「トライしてみろ」というハッパをばんばんとかけてくるのがビジネススクールだった。もちろん学校によって違いはあると思うが、実際にFortune500のCEOを多数輩出するようなところは、みんなそういう感じなのではないかと思う。

で、卒業する頃はみんなすっかりその気になってしまうのだが、それでも成功する人はやっぱり一握り。あとはいろいろ挫折も味わいつつ、自分のできることとしたいことの折り合いをつけて、社会の中の自分の居場所を見つけていくことになる。卒業時の期待値が大きかった分、凡庸なキャリアに対する挫折感、敗北感は膨れ上がる。そのアップダウンの経験を思い出して感極まったのが、複数の人がウルウルしていた原因ではなかろうか、と思う。

この「自分の将来に対する期待が膨れ上がること」は、MBAの(かなり大きな)ダウンサイドという気がする。とはいうものの、最近は卒業直後でも仕事がなくていきなりunemployedという人も大勢いて、はなから挫折を味わうことも多いようだが。

というわけで、今日のおまけのニュースはBusiness Week4月28日号のWho Wants to Work for a Millionaire。最近アメリカで流行のReality TVの一環で、不動産王Donald Trumpの元で働く権利を巡ってバトルを繰り広げる、というのが今秋始まるということ。挑戦者は、MBAホルダーと、実体験豊富だがMBAではない人というのが入り乱れるんだそうだ。

The program, which begins shooting on Sept. 14, will feature up to 20 go-getters as they vie for a job at the Trump Organization. Ideally, says producer Mark Burnett, the show will pit “sexy, young, and brilliant MBAs” against other up-and-comers whose main asset is their street smarts. Trump will personally review and fire one contestant each week. Says Trump: “You think Survivor’s the jungle? Business is the real jungle.”

一体全体どんなオロカナ挑戦者が来るのであろう、と思うが、しかしBachelorという「一人の独身男性(Bachelor)をめぐって大勢の女性が戦う」というReality TVで晴れある初代Bachelorとなったのは、スタンフォードの1年後輩の男性であった。Bachelorにでる人がいるくらいなら、今回のにもでる人がいても不思議ではありません。やれやれ。

コメントする

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中