Ford Model T (ソースWikipedia)
時々見かけていた「自動車の初期には人々は自動車をどう思っていたか」ということがわかる各種の出来事を、先日日本でセミナーをした際にネタにしようと年代順にちゃんと並べたら割と面白かったので以下紹介。
1865 イギリスの「ロコモーティブ法」
自動車が走るときは人間が赤い旗を振りながら先導する。街中では時速2マイル以下で走る、というルールも同じ時にあったようだ。
1899 “Horsey Horseless”
「馬車の馬が驚かないよう、馬の首の飾りをつけた自動車」の特許が出願される。ゴッドファーザー的な何か。
1909 フォード モデルT
言わずと知れた大量自動車生産のはじまり。
1912 – 1914 ダウントンアビーで運転手とお嬢様が駆け落ち
いや、これは、テレビドラマなんですけどね。世界220カ国で1億人以上が見たと言う超人気イギリス作品。タイタニック号の沈没で唯一の(と思われた)跡取り男子が死んでしまった斜陽貴族が、めくるめく事件の中でなんとか生き残っていくというお話なのだが、全体はフィクションでも、中で起こった出来事は個々にはすべて事実なのであった。そして、その一つが、「貴族のお嬢様が自動車の運転手と駆け落ちしてしまう」という逸話である。背景としては、当時の自動車はやたらに壊れたので、運転手たるものそれの修理もできなければならず、今でいうならエンジニアとしてのスキルが必要だった。つまりハイスキルな仕事だったのである。そしてお嬢様とも知的な会話で気が合って恋に落ちたのでした。
「赤い旗」では明らかに単なる珍しいもの扱いの自動車が、馬車の馬を驚かす存在になり、工業生産されるようになり、さらには運転できる人の地位も向上した、、、という流れ。
さて、自動運転はいまどの辺だと思いますか。