1年ぐらい前になるが、 Facebook 広告で見た LikeAGloveというモノを買った。黒いレギンスにセンサーが入っていて履くだけで自分の下半身のサイズが携帯に転送され、自分に最適なジーンズのマーケットプレースに直接つながる、というもの。オンラインショッピングを色々試してみて、その最大の課題は「サイズ」と「物流」だということををしみじみ感じていたので「これこそ未来のソリューション」と思って、広告を見た瞬間にクリックして買った。
そしてはるばるイスラエルからやって来たのが冒頭の箱である。箱にそのままThe Future of Online Shoppingと書いてあった。中身がこちらのレギンス。四角いオレンジのところがスマホとの通信モジュールである。
こんな風に4本のセンサーが縫い込まれていて、通信モジュールにつながっている。
ところが、これ、ウエストとヒップしか測ることができない。だったら短パンでいいのではないか。ところが足の方をよく見ると左足にはくるぶし辺りまで、右足には太ももあたりまで、一旦センサーをつけたような跡が残っている。
これはつまり、長さを測るのは難しいということであきらめてしまったということなのでしょうか。
アプリのレビューを見たら、「買ったジーンズのサイズが合っていない」というようなコメントが複数あり、どうにも「ハズレ」な製品だったようだ。それでも実際履いて測ってみたが、出てきた数字があまりに寸胴でわれながら恐ろしかったのでアプリごと削除して忘れることにしました(これはLikeAGloveのせいではないのだが)。
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同様のコンセプトを全身に適用したスーツを日本の ZOZOTOWN が発表、1ヶ月くらい前に予約販売を開始した。なんと200円という超格安価格、というか、送料のみ負担という感じらしい。これは、と早速日本の親に頼んでオーダーしてもらったのだが、残念ながら出荷は随分遅れているようだ。私のところにも
現在大変多くのご予約をいただいており、十分な生産量を用意できず、具体的なお届け予定日をご連絡できない状態です。
というメールが12月26日に来た。
この全身採寸ZOZOスーツ、プロモーションビデオを見るとかなり全身を縦横無尽にセンサーが走っているようなので私が($70も出して)買ったLikeAGloveのような情けないことにはならないのではないかと思うが、一方で全身を測るというのはかなり難しそうでもある。製品が届いたら是非試してみたい。
ちなみにこの ZOZO スーツ、見ようによってはなかなかカッコ良い。実際にこういう忍者風ランニングウェアもありますよね。しかも200円。たとえ採寸機能がイマイチだったとしてもこのさい普段着にするとよいのではないか。
さらにいえば、せっかくセンサーや、スマホとの通信機能があるのだからもっと多機能にもできる気がする。
例えば、全身に広告をプリントして「歩く広告」。広告入りZOZOスーツの所有者のスマホに「ここに立てば1分XX円」などと指示を出し、適切な場所に着用者を配置する。バージョン2では「歩く広告」の周囲の人たちをカウントしてその人数べに応じて広告料が入るようにする。バージョン3では周囲の人のターゲットとしての価値もダイナミックにカウントして、「高い人たち」の近くに行くと広告料が跳ね上がるとか。さらに最近は電光掲示板的なパネルがついた洋服もあるようなので、周囲の人々に応じてパーソナライズした広告を流すとか。夢は広がる。
もっと実用性を狙うなら、センサーがアンテナ代わりになるようにして、両手をあげると即席 wi-fi ホットスポットになるというのもいいかも。
そしてやってくるのは、人混みのあちこちに全身広告の人が両手を広げて直立、通信タワー化している未来。すばらしい新世界、ですね。