去年の7月に本をいただいたんですけど、今頃になってしまいました。非常に、非常に遅ればせながら書評です。
ビッグデータ、ああビッグデータ。軍事防衛からオンラインショッピングまで、地球上の出来事のほとんどが関係してくるビッグデータ。そんなビッグデータを、誰にでもわかるように解説した本がこの「ビッグデータの覇者たち」。データにどんなものがあるか、現実にどんな風にビッグデータが活用されているか、そのための技術にどんなものがあるか、プライバシーは今後どうなって行くのか、などなど、いろいろな側面から書かれている。
個人的に、最も興味深いビッグデータ活用事例は、前回のオバマ vs ロムニーの大統領選。経済は激悪、戦争2つも同時進行、支持率最低で絶対絶命、再選されるはず無いだろJK、のオバマが、地味〜な草の根戦術を使いまくって勝ったのはすごいことであった。本書によれば
「カリフォルニア州に住む40〜49歳の女性を資金集めのパーティに招待しようとするとき、目玉となるセレブは誰が最適か」ということをデータ解析で検討した結果、ジョージ・クルーニーが選ばれ、クルーニーの自宅でオバマも参加したパーティを開催して、空前の大成功を収めた
そうだ。いやー、カリフォルニアに住むものとして言わせてもらえば、確かにそうかも。ニューヨークでのパーティではサラ・ジェシカ・パーカー、オハイオではブルース・スプリングスティーンだったそうだが、この2人だったら行く気にならないな、多分。
こうした解析は個人差・地域差が大きいアメリカではとてもメリットが大きい、と思う。なんといっても、東海岸と西海岸では東京からタイくらいまでの距離がある上に、南北にも広く、年間平均気温マイナス11度、観測史上最低気温マイナス49度のところから、年間に37度を超す日が107日もあるところまである。人々の体形等もいろいろだ。髪の毛1つとっても、白人女性は「ボリュームアップ」に頭を悩ませ、アジア人は「ボリュームダウン」に関心が高く、アフリカンアメリカン女性は縮毛矯正とエクステに巨額の富を投じる。(アフリカンアメリカンの女性は年間一人当たり2〜3千ドル。平均、ですよ!縮毛矯正+エクステで一回1万ドル(100万円)!なんてすごいコースもあるらしい。超お安いサロンでも1回3百ドルコースの模様)。こういう国では、ターゲットを理解するにはたくさんのデータが役に立つわけです。
そういうアメリカからとんでもないビッグデータ解析技術や、それをつかった活用事例がたくさん出てくるのはさもありなん、という感じであり、その最新情報を詰め込んだのが、「ビッグデータの覇者たち」なのです。出て半年たっちゃったんですが、よろしかったら読んでみてください。
ちなみに、海部さんの髪は、いつもきれいなハイライトが入ってます。