読売オンラインにコラム掲載されました。ゲノム解読巡る野望というタイトルで、23andMeという個人向けゲノム解析をしてくれるベンチャーの紹介です。
で、23andMe、先月5千万ドルという大型増資を行ったおかげで、ゲノム解析お一人様当たりの価格が299ドルから99ドルに大幅値下げ。なので、我が家もオーダーしてしまった。オンラインでお金を払うと、ゲノム解析のための唾液を入れる箱が送ってくる。・・のだが、同梱されていた明細書の品名のところにComplimentary Personal Genome Serviceと書いてある。
complimentary serviceって「無料サービス」だよね、普通。
なので、直訳すると「無料個人ゲノムサービス」。
でも、99ドル払ったぞ。安いけど。
complimentaryには、もう1つ「賞賛の」みたいな意味がある。でも、そちらの意味こそあり得ない。
ダンナに
「complimentary serviceだって。有料なのに」
と言ったら
「complimentaryのスペルはcomplimentaryかcomplementaryか」
おお、そういえば、もう一個同じ発音の単語があったな。complemantaryは「補完的な」。もしかして目が滑った?ゲノム解析を補完するものとしてサンプル採集をするので「補完サービス」か、ともう一回見直したが、やはりcomplimentaryだった。
「complimentaryだよ」
と告げると
「そりゃ無料なんじゃない?」
とダンナ。
「でも99ドル払ったよ」
「んー、じゃ、褒めてくれるんじゃない?」
「・・・・褒めてって・・・・んなわけあるか」
すると、いきなりオンライン辞書を引くダンナ。
「見ろ。complimentaryの意味は『無料の』と『賞賛の』しか無いのだ」
いや、それは知ってて聞いてるんですけど・・・。
やっぱりあれですか、ゲノム解析した23andMeが、
「まぁぁ、遺伝的に短命傾向なのに、まだ生きていらっしゃって素晴らしいわぁ」
とか
「まぁぁ、遺伝的に、教訓を生かせず同じ失敗を繰り返しがちなのに、まともな社会人生活を送られてて素晴らしいわぁ」(←ホントにこういう傾向を教えてくれるらしい)
とか言ってくれるのだろうか。
ま、たぶん、「ゲノム解析は有料だけど、それに伴うサンプル採集キット及びその郵送・返送は無料」、という意味でcomplimentary serviceなのだと思うが、なんとなく、
「遺伝的にAなのにBで素晴らしいわぁ」
という「遺伝子お世辞」をいろいろ考えて1人で受けてしまったのでした。
(いまいち、誰にもこの面白さが伝わらない気がする。つまらなかったらゴメンナサイ。)
++
日本人の英語力向上のためリスニングアプリ作ってます。
complimentaryの発音わかりますか?
面白いです!ニヤニヤしてしまったw
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日本にサービス代行代理店を作れば1年位は必ず儲かると思うのだが、誰もやろうとしないのは何か理由があるのでしょうか。
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単なるスペルミスを夫婦漫才に持ち込み、ここまで引っ張るかと思うと、おまけにそれを宣伝に文句に落とし込むとは、なんたる商売上手。
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のりたまさんはああ言ってるけど、この話、スペルミスの話じゃないですよね。それから千賀さんのアプリは発音のためのものだから、スペルミスの話だとしても、関係ないと思うけど。千賀さんと旦那さんの話、普段から仲良さそうでいいなーと思ってたけど、これは特にほのぼのしていて、可愛いなーと思いました。
アメリカのことだから、遺伝子のお世辞というか、結果についてpositive thinking な書き方はどっちにしろするのでは? 会社としても、この結果を読んだ人が自殺しちゃいました、というようなクレームは避けたいだろうし。あと99ドルで、どこまで診断してくれるのかしら? それこそ、ちょっと教えて、もっと払ったら、詳しいことを教えてやるよーとか言う可能性もある? 結果が返ってきたら、差し支えのない範囲で教えてください。
それにしても、読売の記事にあった、グーグルがやろうとしているデータベースの話、気味悪いですね。
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欧米人とアジア人で病気に関わる遺伝子情報(SNP)が違っているため、きちんとした評価ができないこと、また、23andMeにとって、アジア人のゲノム情報を集めることからの収益モデルがなく価値がないため、アジアに販売しない方針です。
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こんばんわ遺伝子ビジネスは実のないものです。以前にCという病気でT大学とN人のデータ500人分解析してOdds5以上の結果が出ましたが一流紙にはすべてアジア人のデータで普遍性に乏しいとrejectされました。
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こんばんは。通りがかりの翻訳者です。
この場合もちろん無料という意味です。
こういったキットや他なんでも送付する際に、無駄に税関に止められて、受取人が関税を払わなくて済むように NCV(No commercial Value)等と書くのは良くやります。この場合も受取人の事を考え、キット自体が無料、それを解析するのにお金を取りますという風にしてくれたんでしょう。
良く考えて頂ければ分かると思いますが、物品自体の値段を記載するものですから、唾を吐く容器は99ドルではないですね。物品を送付する場合は、その物品の値段を書くものです。
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