ウィットの達人マーク・トウェイン

サンフランシスコの夏は寒い。

7−8月の平均最高気温18度、平均最低気温12度、です。海に囲まれた地形上霧が出やすく、周囲がきらめく青空なのに、サンフランシスコだけアンドーナツかカレーパンかというような霧に覆われていることも多い。その眺めはほとんどSF映画である。

私の住んでいるところは南に車で40−50分ほど行ったところだが、こちらは夏場は20度台後半に普通になる(時には40度近くなる)ので、サンフランシスコに行く時は気をつけて厚い上着を持っていく。

そして、サンフランシスコの夏を極めて上手く形容したのが

The coldest winter I ever spent was a summer in San Francisco.

「私が過ごした最も寒い冬はサンフランシスコの夏だ」。

作家のMark Twainの言葉として広く知られており、サンフランシスコ地元民に、「ね、さむいでしょ、Mark Twainもこう言っているんだよ」と得々と語られた人もたくさんいるのではないでしょうか。

しかし、これ、Mark Twainの言った言葉ではないのです。

Mark Twainが言ったとされる言葉には、これ以外にも、「それはすごい」と誰もがうなるウィットに富んだものがたくさんある。しかし、その中には、実は本人の発言ではないものがたくさんあるという意外な事実。

有名なところでは

Everyone talks about the weather, but nobody does anything about it.

「誰もが天気の話をするのに、それをどうにかしてやろうという人はいない。」

For every problem there is a solution which is simple, clean and wrong.

「いかなる問題にも、シンプルでクリーンで間違った解がある」。

どちらもMark Twainのセリフとされるが、本当は違う。

ちなみに、超有名なものでは

The reports of my death are greatly exaggerated.

「私の訃報は大いなる誇張だ」があるが、これも、近いことを言ったようだがそのものずばりではないらしい。

(とここまで書いて思ったが、自分で書いた日本語訳のほうは元の英語のウイットのパンチが無い。元の英語では最後に意外なことを言うのがポイントなのだが、日本語だと語順が変わってしまうので中々面白さが出ない。こういう短い文章の雰囲気を訳すのは難しいです。)

偽Mark Twain語録、まだまだたくさんあります。Wagner’s music is better than it soundsとか、Whenever I feel the urge to exercise, I lie down until it goes awayとか。

なぜ、こんなにたくさんのひねりの利いた文章がMark Twainのものとされてしまったのか。

こちらのサイトによれば、確かにMark Twainはウィットに飛んだ発言を量産しており、そのせいで「Mark Twainが言った」というだけで、「きっと面白いはず」と聞く人が期待し、他の誰かが言ったというよりずっとウケたから、ということらしい。

つまり、ある程度までウィットに富んだことを言う人だと言う評判が広がると、あとは自動的に、言ってもいないウィットに富んだ発言がその人のものとされる、ということでしょうか。

これぞ本当の達人です。

 

++

 

元が英語のものは英語のまま理解した方が面白いです

母音聞き取りマスターのためのiPhoneアプリ:Listen-IT

 

ウィットの達人マーク・トウェイン」への2件のフィードバック

  1. サンフランシスコの夏についての言葉、もちろん聞いたことありましたが、マーク・トウェーンのものでないなんて、知りませんでした。 確かに、こういう短い言葉を上手に訳すの、難しいですね!

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