「イタリア」を「日本」に置き換えても通用しそうなイタリア経済の記事

本日のNew York TimesのFrom Taxis to Textiles, Italy Chooses Tradition Over Growth。かなーり面白かったです。

なぜなら、そのまま日本に置き換えられそうな内容だったので。たとえば・・・

  • 冒頭は、超高級ブティック繊維メーカーのおはなし。6ヶ月糸を寝かせ、その後ヒミツの15ステップを経て生まれる布地はArmaniやらZegnaやらが買っていくゴージャスなもの。でも、最近そんな高価なスーツを買う人も減り、業績はガタ落ちで息も絶え絶え。が、しかし、イタリアがモノづくりをやめてどうする、とがんこなオーナー。
  • 国全体を見ると、経済状況はギリシャ並にやばいが、政府債務のほとんどがイタリア国内から借りているから、ある意味OK。
  • 問題の根源は、政府債務の多さではなく、成長が止まってしまったこと。
  • インタビューされるイタリアの経済学者は「アルゼンチンのように100年かけて没落していく」と憂える。

一方、違いを感じたのは・・・・

  • イタリアGDPの4分の1が「裏経済」

イタリア国家への帰属意識が薄く、国に税金払いたくないかららしい。その割に自国の国債は買うのはなぜなんでしょうか。

日本の裏経済の規模ってどれくらい?こちらの本によると23.2兆円ということで、5%しかないですね。

(日本の場合、国への帰属意識は極めて高いと思われるが、別の理由で税金払ってないケースは結構ありますね。アメリカはかなりな低所得者でも税金を払わされます。)

出生率は、確かイタリアの方が低かったよな、とCIAの推定最新データを見てみたら、な、なんと、日本の1.2に対してイタリアは1.32になっていた。ううむ。ちなみに、日本より低い国はシンガポール、香港、マカオだけ・・・だと思います。ざっとしか見てないんですけど。

政府債務の対GDP比では、イタリアは115%しかない。189%ある日本の勝ちだな。283%のジンバブエにはまだ敵わないのだが・・・。(同じくCIA World Factbookより)

日本がイタリア化するために真似すべき施策

あと、冒頭の記事に書いてあったことで、日本がイタリアを目指すならぜひ真似したほうがいいと思うのが「ありとあらゆる業界をギルド制にし、競争を廃して高価格を維持する」。

成長が止まった経済の中で、貧富の格差を広げないためにはこれですよ、これ。

+++

参考エントリ:資本主義は気持ち悪い

「イタリア」を「日本」に置き換えても通用しそうなイタリア経済の記事」への6件のフィードバック

  1. いやぁ、もう日本はアレですよ、周辺国との経済を強く意識した方が吉かと。
    そこで共通言語っていう概念の意味と重要性を再度認識してもらって(ry
    国全体が引きこもりだから、欧米との関係は今の時点で既に限界に達しているように見えますね。
    パラダイス鎖国とかガラパゴスっていうと少し聞こえは良いのかも知れないけど、単に引きこもり大国ですよね。

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  2. ちょっと最近来てなかったんで凄い亀コメントですけど、イタリアと日本はほんと似てますよね。
    新教国に比べて人間関係の(特にオヤジ的存在による)粘着力が高いので、頭で考えただけの論理で人を動かそうとしてもグチャグチャ泥沼を進むような感じになるという特質と、「たまたまそれを活かしやすい分野」が「今のところものづくり」という感じなんだと思います。でもそれが必ずしもものづくりである必要はない。
    彼ら「抵抗勢力」を黙らせる(というか協力していただく)には「新教国っぽい理屈の直輸入」じゃダメで、彼らの「特質を活かしやすい新しい事業の形」を提示することで、「乗り換えてもらう」しかない。まあ、大枠で言うとそう思いますね。
    今のとこ、そうやって「広い視野で考える力のある人間」は軒並み「日本人のドロドロした部分」が嫌いというか敵視してるので、「頭」と「手」がケンカしててどこにも進めてないとこあります。「手の方のリアルな切実な事情ために、直輸入じゃなくゼロベースで考えてあげる頭」を用意すれば大きな転換はありえますよ。そこが「ずっとこのまま行きそうな」イタリアとは違うところです。それは無理矢理な保護主義じゃなくて市場経済に完璧フィットする新しい社会像になりえます。
    「鎖国したがる人たち」は、「ゼロから新しい動き」をするためにはある程度雰囲気が閉じてこないと出来ないこともあるってことを潜在的に感じているからなんだと好意的解釈をしたいですね。例えばアップル社みたいな「閉鎖性」がないと出来ないこともあるわけなんで。それが「ただ縮むだけ」に終わるのか、「重力で収縮したガス雲が中心の密度が上がって恒星になる」みたいな変化を起こせるのかがこれからの日本ってとこです。今は密度が低過ぎるので「国内でしか生きられないガラパゴス製品」にしかなれないものも、もっと圧倒的に圧縮して密度を高めれば「どこにもない輝き」になる。逆に言うとそういう転換以外に成長が再度見込める分野なんてないわけですから、ダメ元でもチャレンジしがいはある・・・というか既に潜在的にはそういう方向に日本は動いているんだと思います。国全体でstay hungry, stay foolishな「他人から見るとダメダメな道」を邁進しているなんて実に希望に満ちたお話じゃないかと思います(笑)

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