日本語と英語の会話のリズム

なんか英語の話ばっかりですね。簡単に書けるからなぁ・・・。もうちょっとおつきあいあれ。

で、今日は「相づちを入れるタイミングの違い」。以下「ビジネス会話」についてです。友達と雑談、というのはちょっとペースが異なるので、あくまで「ビジネス」と思って読んでください。

結論から言うと、英語(のビジネス会話)では「相づち」は殆ど必要ない。

もちろん、英語でも相づちはありますよ。たとえば

sure

right

exactly

of course

really?

などなど。

しかし、日本語だと、3秒〜5秒に一回

「ええ」

と相づちを入れると思うのだが、英語の場合、そうすると非常に違和感がある。30秒だろうが1分だろうが、相手が滔々と話すのを聞いて、相手が一息ついたところで、今度は自分が滔々と話す、というのが英語のリズム感。なんで、相づち入れるのに最適な瞬間があまりないのです。

特に電話の場合は、気をつけましょう。相手が話すのをひたすら黙って聞く、聞く、聞く。そして一段落ついたところでおもむろに自分の考えを話す。sureもrightもyesもなーんにも言わないように。(電話で二人同時に話すと聞きにくいので。)

ちなみに、電話で、この英語のリズム感のままで、日本語の会話をすると、30秒もたたないうちに相手が

「あれ、聞こえてますか?」

などと言ってくる可能性大。あんまり黙っているので、電話が切れていると思われでしまうのですね。逆に言えば、日本だと違和感があるくらいずーっと黙って聞いているのが普通の英語のリズム。

(とはいえ、ニューヨークの人は結構相づち入れたり人の話が終わる前に自分の話をはじめたりする傾向がある気がしますが。せっかちなのかも。)

一方、日本のビジネスミーティングでよくある、参加者全員が黙るホンモノの「沈黙」は、アメリカ人には相当辛い。なにか言わないといかんのでは、とドキドキしてしまう模様。アメリカ人と一緒に、日本人とのミーティングに出る時は、

「日本のミーティングでは沈黙はごく普通である。あなたが話し終わったのに相手が何も言わない時は、心の中でゆっくり10数えるように。相手は何を言おうか考えているかもしれないので。」

と注意したりすることもあります。アメリカのミーティングで、3秒以上沈黙が続くってまずありえないので。(でも、私もあの沈黙は辛いっす。「心の中で10数える」は、ドキドキしてうっかり変なことを言わないように、20代の頃編み出した私自身のための技でもあります)。

アメリカのビジネスミーティングに沈黙がない裏側には、「相手が話している時、次に自分が何を言うかしか考えていない」という人が多いという大いなる問題が潜んでたりするのですが。

日本語と英語の会話のリズム」への6件のフィードバック

  1. あまり関係ないですが、くしゃみの後の Bless you/Thank you のタイミングは私には早すぎます。ついていけません。

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  2. 知らなかった・・・。アメリカ人とミーティングするときには日本語と同じ調子で really? とか適当な相づち(っぽいもの)を入れてたのですが、相手は奇妙に思ってたかも。
    私の経験から言うと日米のミーティングで沈黙状態ができるメカニズムは次の通りです。
    そもそも日本では結構な大企業の部長クラスの人でさえひどい英語しか話せないので自然とアメリカ人のプレゼンの後で沈黙してしまう。→若くて英語がそこそこできる人はお偉いさんより先に口に開くのを遠慮。→長く続く沈黙。
    このような状況は何回も体験しました。そのときのアメリカ人の顔はとても困惑していましたが、その理由が今日わかりました(笑)。

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  3. 心の中で10数えるは色々な場面で使えそうです。
    ためになる話をありがとうございました。

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  4. 相槌はコミュニケーションのトレーニングでも教わるように、より効果的な会話の手段として必要です。英語という固い言語には絶対不可欠というわけではないだけです。私も相槌のうち方はトレーニングで散々訓練させられました。実際、良いコミュニケーターと言われる人ほど、相槌や聞いている時のボディランゲージに長けています。
    確かにシリコンバレーのギーク達はボディランゲージも相槌も豊かに会話するとは目に浮かびません。
    もちろん、交渉やディベートの時は相槌をうつ必要もありませんが。

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  5. 日英の相槌の頻度の差って、確かにありますが、それって、千賀さん、切り替えられます? 私は昔は英語を話すとき、日本語並みに相槌を打たないと落ち着かなかったし、今は日本語を話すとき、英語のときのようにじっくり聞いてないと失礼な気がしてしまいます。

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  6. 明確に学校や家、会社で「ちゃんと聞いているかわかるように相づちをしなさい。」と教育された記ました。あと、「返事は”はい”ですよ。」
    なので、上司の提案に「・・・。はい。・・・。はい。」と相づちを打つのが習慣になり、相づちで自動的に承認されたというシステムになっているようです。
    「はい」で間違った指示に相づち、正しい処理をするとメンツのつぶれた上司が、「”はい”って言ったぢゃないか。」というやりとりがしばしば発生します。また、逆のパターンも起きます。
    細かい相づちは徹底するのですが、より重要な”同意の確認”について明確にしない、反論されたら上下関係おしまいと思うのが日本の習慣ですね。

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