うーむ、しばらく忙しくて間があいてしまった。なんだか仕事がばたばたと増えてしまい。いや、文句を言っている訳ではないんですが。
実家の親からまで「どうした」とメールが来たので、今日はがんばって書きます。
ちなみに、こういう風に間があくと、書くネタは頭の中でかなりある。で、それはどれも、複雑だったりディープだったりする。で、そういうのそきちんと書こうとすると、ものすごく時間がかかるんだよね、と思うと書きたくなくなっちゃう・・・という「ネタの重み」に押しつぶされる状態になる。なので、今日は重みの怨念を祓うために軽い話を書きます。それは、最近読んだDog Daysという本のお話。
予想を覆す、心にしみる良い本であった。
表紙を見た時は、「かわいいワンちゃんと楽しい生活」みたいなキュートな本かな、と思って読み始めたのだが、実際は、孤独な魂を持つ筆者が、犬(や、牛や羊やロバ)との農場暮らしで心をいやされるという本で、いやこう書いてもまだ「ワンちゃんと楽しい生活」みたいに聞こえるかもしれないが、何匹もいる犬それぞれとの異なる魂の交流、犬を通じて自分を見ることで救われていく過程、といったことが淡々と語られて行く。
この作者、犬についての本を沢山書いている人で、「生涯で一匹の心のパートナー」の犬を安楽死させた経緯もあり、この本の最初には
「この本では犬は一匹も死にません」
と書いてある。多分この安楽死させた犬のことを書いた本があって、タオルを絞るほど泣いた人が沢山いたんではないかと推測。Dog Daysは、確かにこの本の中では犬が一匹も死なないのではあるが、結構あちこちホロリと来ます。(注:ロバは一匹死ぬ。)
筆者は、もともとニューヨークをベースに活動していた作家で、今は田舎に引きこもって農場を経営している。牧羊犬であるところのボーダーコリーを愛するあまり、そのボーダーコリーの仕事の対象である羊の群れを飼っているという訳の分からない状態。
筆者が飼っているボーダーコリーのうちの一匹は「羊を動かす」という仕事に異様な執着を見せ、夜寝る時も羊の群れが見えるところでしか寝ないほど。筆者のフォトブログに出て来るRoseという犬がそれ。(こんな一日中走り回る仕事が大好きな犬を狭い家で飼うのはかわいそうだなぁ、と思った。)
さて、で、筆者は「全ての動物は、複数の仲間がいた方が喜ぶ」ということで、イヌはもちろんのこと、羊、ロバ、ニワトリ、全てちゃんと複数飼いしており、なんと牛にまで「一頭だとかわいそう」とパートナーの牛を買ってきてあげちゃうほどなのだが、まったくその勘定に入っていないのが猫。動物用のバーンにMotherという名の猫がいて、時々筆者が朝起きて家を出ようとすると、ドアの外にネズミの死骸がおいてあって、これはMotherからのプレゼント、なんていう話はでてくるのだが、Motherねこたんにパートナー猫を探してきてあげた、という話はかけらもでてこない・・・。
筆者はまた、「飼っている動物には優先順位があり、それは犬、ロバ、牛、羊、ニワトリ、の順である」。みたいなことも書いている。(ちょっと順番は違ったかもしれないが、大体そんな感じだった。)犬の存在を脅かすような羊が出たら、それは安楽死させる、みたいなヘビーな話だったのだが・・・
・・・・・猫は?猫の優先順位は!?ニワトリ以下ですかい?
ま、わかる気はする。猫って、たまたま物理的な場所を共有しているだけの他人、という感じが強い。「魂のパートナー」と思うほど犬に入れ込んでいる筆者からみると、殆ど存在しないようなものなのかも。
でも、猫って、意外にソーシャルな生き物。仲良し猫といつも一緒、という猫は結構いるんだけどなぁ・・・。
しかし、こんな風に、登場しない猫を心配してしまう「猫派」の私でも大変しみじみ読めました、Dog Days。ちょっと、YatesのThe Lake Isle of Innisfree(←好きである)みたいな感じです。
ボーダーコリーの話だったら、「牧羊犬シェップと困ったボス」(旧 牧羊犬シェップ、がんばる。)がお勧めです。アイルランドに行ってみたいなー。
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>今日は重みの怨念を祓うために軽い話を書きます。
それでも十分、ボリュームがあったと思います。
もっともっと小出しに、ポンポン更新でもいいと思いました。
「魂」という単語が、妙におおく出てくるのがすこしだけ
気になりました。
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犬って無条件に可愛いから、犬ものの物語とか弱いんですよねー。
それにしてもちょっとググってみたら、ほんと、すごい犬の本。”Katz on Dogs”なんて、マニア以外の何者でもない題名・・・。
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>・・・・・猫は?猫の優先順位は!?
いや、そういう心配が要らない、心配しても「大きなお世話だわ、ふん!」くらいにしか思ってくれない、という点こそ、猫の最大の魅力だったりするのではないでしょうか?
(猫の個性にもよるんでしょうが、実家の猫はそんな感じでした)
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