週に4時間だけ働く

New York Timesに、The 4-hour Workweekという本に関する記事がでた。「Too Much Information? Ignore It!」というのが記事タイトル。ちょっと前からじわじわ、時々話題になる本で、Mountain Viewの本屋では平積みされてました。その名の通り、一週間に4時間だけ働いて仕事を片付けるための様々な「工夫」が載ってるのだが、副題があって、それは

Escape 9-5, Live Anywhere, and Join the New Rich

「9時5時拘束されず、住みたいところに住んで、ニューリッチの仲間入りする」と。わはは。記事はまた「ほとんどの人が実際本を読まずに中身を語っている本である」とも言っています。私も本屋で立ち読みしただけですが、ポイントはこんな感じ。

1.ありとあらゆる仕事(プライベート含む)をアウトソースする
2.メールやインスタントメッセージなどのデジタルコミュニケーションは最小限にとどめる
3.情報収集も最低限しかしない
4.複数の仕事を同時にしない

1では、筆者は自分のデート相手探しまでアウトソース。インド、フィリピン等違う国に複数のチームを作って、筆者と実際にデートしてもいいという女性を探させ、どのチームが、一番たくさんデートを設定できるかで競争させた、と。3週間で20件のデートという結果だそう。

仕事でも、メールは全てこれまたインド等の人に全部読ませて、なるべく返事もしてもらい、どうしても本人が見なければならないものだけがフォワードされてくる、と。

New York Timesの記事には、これを読んで感化され、RSSフィードに読みふけるのをやめて「life was suddenly just more peaceful(人生が突如心静かなものになった)、という人や、ウェブデザイン会社の社長で、社員にメール等無駄なコミュニケーションはやめさせて、勤務日を週5日から4日にした、という人のコメントが載ってます。

とはいうものの、New York Timesの記者がインタビューした日には、この本の筆者氏は朝から晩まで熱心に本のプロモーションをしており、それ以外に本のプロモーション用のブログもせっせと書いている。

「今日だけで既に仕事が4時間超しちゃったんだけど?」

ということですが、本のプロモーションは仕事に入ってないらしい。(ま、その気持ちはわかる)。

一方で記事以外では、世のブログにはこんなジョークエントリーも。

「4-hour workweekを読んだ部下が全く仕事をしなくなり、叱責メールを出したら、インドの『バーチャルアシスタント』と称する女性から電話がかかってきて『私が本件担当です』だと。なんじゃそりゃ」

と。

ま、いずれにせよ、週4時間は無理にせよ、「メールと情報収集は最低限」というのだけで、毎日1−2時間は簡単にカットできるんじゃないでしょうか。メールで書いて30分かかることも、電話で説明したら5分で終わるし。

あと「複数の仕事を同時にしない」。これも大事だよなぁ。二つのことを同時にしようとして、どちらも粉砕、っていうのはよくあることでございます。

人間には「スイッチングコスト」もある。

何かをしている最中にうっかり一つだけメールを読んで簡単な返事を入れる、なんてことがありませんか。メール処理はちょっとの時間だから、、、と。しかし、メール読み書きは5分で済んだとしても、その後、元していた仕事に集中しなおすために何十分もかかり、その時間が無駄になっているという調査結果を読んだことがある。「何かをしながら、必要そうだったら別のことをさっとできる体勢」ってカッコいいけど実はトータルでものすごく無駄が多い。

ちなみに私、マルチタスクはなかなかやめられないんですが、RSSフィード等ほとんど読んでません。はい。タイトルだけザザザと眺めるくらい。それも毎日熱心にやってるわけではなく。印刷物も含め、特に日本語のものは自分が書くもの以外滅多に読まない。必要な情報は、必要になったところでサーチすればよい。あと基本的に「何が起こっているか」のwhatには興味があっても、他人がそれをどう思っているかに関心が薄いので。

というわけで、私は読む時間を削って書く時間に当ててるのでした。自分は無駄情報を収集しないと言いながら、自らはせっせと無駄情報を生み出しているという、とんでもない人間であります。

週に4時間だけ働く」への6件のフィードバック

  1. アメリカにいるのに、この本の存在を知りませんでした(汗。しっかしサービス残業で拘束時間が常軌を逸している日本でも多少はこの精神を見習ってほしいですね。紹介されていたジョークエントリー読みましたが、普段はアメリカンジョークではあまり笑えないんですけど、これは腹抱えて笑ってしまいました。残されてる2つのコメント(これは自演でしょうか?)も含めて秀逸のエントリーです。

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  2. 現代のお金持ちは、忙しすぎて壊れている。
    本来なら、月に4時間働くだけで暮せるのが金持ち。
    ハワイぐらいがアメリカの中では、調度いいのかもしれない。
    ちなみに、健全な肉体労働者は、あれは体操みたいなもので、
    もしかしたら仕事ではないかもしれない。
    彼らにとっての仕事は、競馬であったりパチンコ。
    こちらを月に4時間におさめることができれば、幸せな人生。

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  3. >しかし、メール読み書きは5分で済んだとしても、その後、元していた仕事に集中しなおすために何十分もかかり、その時間が無駄になっているという調査結果を読んだことがある。
    これはよくある体験です、参考になります。仕事でも
    勉強でも集中力を上げるまでに時間がかかりますから。
    ちなみに私はネット接続は気分転換の時間帯に取っています。
    >筆者は自分のデート相手探しまでアウトソース
    ここまではさすがにできません!
    一体何のために生きているか解からなくなりますから。

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  4. インド人を使って仕事をするというのは実際に多くなってきているんですかね。為替レートを考えても彼等を雇うのが有利である記事を読んだことがあります。また、インドもIT革命が起きている本も発刊されているのをみたことあります。
    週○○時間を実際に実行しようと考えたら、誰かに分析・コンサルしてもらうのが良いかも知れませんね(フィットするまで時間かかりそう)。

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  5. 自分の身長と同じだけの洋書を読む

    日本人向け英字新聞「Japan Times」の記者になるためには、
    これまでに読んだ洋書を積み上げて、自分の身長と同じ高さに
    なるくらいでないといけないそうです。
    (ITエンジニア海外就職…

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