World of Warcraftの大成功とSecond Lifeの話題性もあって、山のようにオンラインゲームが誕生している。子供向けのバーチャルワールド、Penguin ClubがDisneyに$700 millionで買収されたりもしてバブル感あり。
来月にはVirtual Worlds ExpoがSan Joseで開かれるのだが、そこでいろいろアナウンスがあることとは思います。いろいろある中で、私が期待しているのがMultiverse。
技術的な難易度が増し、数十億円規模の開発費がないと作れなくなってきている3Dオンラインゲームだが、そのプラットフォームを提供することで、容易にゲーム開発ができるようにする、というコンセプト。サーバ、クライアント共に無料。Netscapeの初期の社員が集まって作った会社で、8月頭にversion1.0がリリースされた。
既に11,000の開発チームが世界から登録、8月時点で200のゲーム・ワールドが建設中、とのこと。
Netscapeがインターネットに「ブラウザ」という共通クライアントを広めたことで、インターネットは一気に誰でもがアクセスできるものになったわけだが、Multiverseは、3Dゲームの世界に同じモデルを提供しようとしている。
こちらのインタビューにあるとおり
our business
model for this platform is to make it available to anyone who wants
to download it and host it wherever they want.
誰でもMultiverseのサーバ・アプリケーションをダウンロードして自分の「ゲーム世界」をホストできる。
they never pay us a dime until
they start charging consumers. Then we take 10 percent of the
revenue, and the developer retains full ownership, control, and
intellectual property ownership.
開発に利用するだけなら無料。ただし、開発したゲームで金を取るようになると、その10%をMultiverseに収めるという仕組み。開発したゲームの権利は、開発者に帰属する。
ユーザは、Multiverseのクライアントを1回ダウンロードすれば、Multiverse上で開発されたどんなゲーム(ワールド)でもプレーできる。個々のゲーム(ワールド)が許可すれば、普段プレーしているゲームのキャラのまま、別のゲームに「遊びに行く」というようなことも可能になる。
インタビュアーが「小規模な開発者からすると、自分のゲームが、大手が開発したゲームと同じネットワーク上にあるのは望ましいが、大手側はどんなインセンティブがあるわけ?」と聞いたのへの返事は
You know I was
product manger at Netscape in 1990, and occasionally a big client
would come in and look at our tools and say, "Great, great. We
like this Web thing. We want to build a server and all that. But what
we want from you Netscape is to build a special browser that would go
only to our website." And we’d say, "No not so much."
「ネットスケープの初期も、大企業が来て『うちの会社専用サーバとブラウザを作ってくれ」』言ったが、それに応じなかった。」
And the notion that having
one browser will make it easier to leave the world instead of a
standalone client turns out to not be true. If your world sucks,
consumers will leave anyways.
「結局のところ、共通ブラウザがあろうがなかろうが、ゲーム・ワールドがダメなものだったら、ユーザはどうせ離れていく」と。
今クライアントをダウンロードしてサンプルゲームを見ても、「なんじゃらほい」という感じだが、これは「こんな感じで作れるよ」という「ショーケース」に過ぎないとのことで、実際どんなものがでてくるのか楽しみ。実際Multiverseで開発してみている方がいたら、使い心地など教えてください。
Multiverse、ちなみにJames Cameronがアドバイザーで、カルト的人気のSFテレビ番組FireflyのMMO版が開発されているのに加え、Virtual World・MMOの学術的分析で名の知れた教授、Edward Castronovaさんも教育用バーチャルワールドを開発中だそう。(しかし、この教授の名前、Second Lifeのアバター名みたいだなぁと思うのは私だけでしょうか。)
***
さて、誰でも自由に自分のワールドを作れるといえばSecond Life。しかし、こちらは、同時アクセスユーザ数も4万台で伸び悩み、この7月にはついに有料ユーザが減少しました。正確な原因は不明ですが、私の推測では、「技術的トラブル多発」が大きいのではと。
つまり、広告目的の企業進出が失敗しているからでも、アバターがかわいくないからでも、多くの場所が閑散としているからでも、ユーザーインタフェースが悪いからでもない。そうではなくて、
「クラッシュしまくり、サーバ重すぎで思うように動けない、買ったものがなくなったり、何も悪事をしていないアカウントが凍結されて使えなくなったり」
といった技術的理由。
Linden Lab自身が「アップ率90%」といっており、また過去6ヶ月のユーザセッションが不正終了した割合は24%。`根本的アーキテクチャからヨロヨロ・・・という感じなわけですが、それをまずクライアント側をオープンソース化し、さらに1年以内にサーバ側もオープンソースにすることで、なんとか克服していこうとしている模様。サーバがオープンソースになれば、誰でもSecond Lifeをホストでき、基本的にはMultiverseと同じようなモデルになる。
しかし、ソフトウェアってのは、そんなに簡単に違う構造にならないですよねぇ。
最初から
「個別のワールドが開発・運用されるプラットフォーム」
として開発されてるMultiverseと同様の存在にSecond Lifeがなれるのか・・・。
・・・・といろいろいうと、Second Life否定派だと思うかもしれないけれど、私は好きなんですよ、独立した別世界(またの名をごっこ遊び)としてのSecond Lifeが。好きだからこそ、せっかくできたメタバースが、技術的理由で屋台骨が傾ぐのを見るのは悲しい。
というわけで、Multiverse、密かに期待しているのでした。
>私の推測では、「技術的トラブル多発」が大きいのではと
LL社の担当者は、支払いが滞っているアカウントの取り扱い方法を変えたからだといってましたが、「技術的トラブル多発」も大きな原因だと思います。そのほかに、LL社の運営方針の変更により、セカンドライフの世界が、自分の夢を実現できる場ではなくなってきていると人々が感じてきていることも原因ではないかと思っています。
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ユーザーの立場から言わせてもらうと少し遅く
感じます。
無料ゲームサイトはいくらでもあるし、それを紹介する
ブログも数多くある。
それらを統合する意味はあるのかもしれません。
個人的には人間のプロに囲碁で勝てるソフトの開発ができたら素晴らしいと思います。
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ちかさん
いつもブログ楽しく拝見しております。
書籍もしかと拝見しました!
わたしは東大の工学部の学生なのですが、現在友人らとともに、現在仮想世界全般について研究しています。
海外含めて数十個(普通のオンラインゲームを除いて)以上あるプラットフォームなどについても分析したりしてます。よろしければブログをご覧いただけたら幸いです。
sonyのhomeも任天堂の製品もstreetviewもEntropia Universeも含めて面白いなと思ってます。
来月のSan JoseでのVirtual Worlds Expoにも参加しますのでいいレポートができたらと思っています。
日本での状況などについても実地でのレポーティングをしていけたらなと思っています。
これからもブログ楽しみにしています。
長々と失礼しました。
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Multiverseってようするにsteamを提供しているvalve社みたいなことをしたいのかな。
valveは10年ぐらい前からずっとHalf-Lifeというゲームのエンジンを無料で
公開していますし、それを基に何千本というゲーム(MOD)が世界中のエンジニアによって開発され無料で公開されてますけど。有名なのはカウンターストライクですね。
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chikaです。
Entropiaは、最初が囚人服(寝巻き、と呼ばれているようですが)でスタートするところが笑えます。クライアントソフトFTPでダウンロードしたら2時間かかってびっくり
steamはdistributionのplatformで、割とPCゲーム配布が強くて、MultiverseはMMO/virtual worldのdevelopment/deploymentのplatform、、、じゃないかと思うんですが・・・Multiverseはゼロから開発する人用、という。
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こんにちわ、いつも拝見しています。(セカンドライフの住人なので見ているのはセカンドライフ関係の記事ばかりなのですが・・)
Multiverseでも描画の性能などはハードウエア依存なので、サンプルのビデオを見る限り動きの滑らかさはそれほど変わらないように思えました。
セカンドライフの1SIMの同時ログイン数は、多分実装しているハードウエアに依存したシステム設計の制約なので、マルチプロセサで負荷分散させるアーキテクチャに変更することでなんとかクリアできるのでないかと思います。
そこらへんの基本機能のOS的な部分をMultiverseが安定した(なかなか落ちない)プラットフォームとして提供できるのなら、MacがUINIXベースのシステムに移行したように、セカンドライフもMultiverseベースに移行できるかな、なんて考えてしまいました。
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