ガイジン向け観光端末貸し出し事業@成田

日本の外国人向け観光業はもっと盛んになれるのに、というBusiness Weekの記事。「みんなあんまり行かないけど、一旦行ってみるととっても楽しいよ」という内容。

似たような話では、日本への海外からの投資が少ない、というのもよくあるが、こっちを増やすのは、まぁ気が遠くなるような話だし、多くの日本のお役人やらビジネスマンにとってはきっとイヤーな感じがするテーマでもあろう。(日本への海外からの投資については、EconomistのGaijin at the GatesとかForeign Direct Investment: Flowingなんかを見てください。)

が、「海外からの観光客を増やす」ってのは楽しそうな話ではありませんか。で、これについては、昔から考えてるアイデアがあるのだよ。名づけて「ガイジン向け観光端末貸し出し事業@成田」です。

冒頭のBusiness Weekの記事では、

In fact, the Land of the Rising Sun ranks a lowly No. 30 in terms of visitors globally, says the World Tourism Organization.

日本への観光客の数は世界で30位。(あー、みなさん忘れてるかもしれませんが、日本は世界で二番目の大国ですので、それに比べると30位は低い。)

Global interest in all things Japanese has been piqued by sushi, anime, manga comics, and movies such as Sofia Coppola’s Lost in Translation and Clint Eastwood’s Letters from Iwo Jima.

しかし、寿司、アニメ、マンガ、最近流行ったLost in TranslationやLetters from Iwo Jimaといった映画で日本への興味は高い、と。

In Tokyo, you can
jump on the metro for just a buck, compared with $8 for a rush-hour
ride on London’s Tube. And a Starbucks tall latte will set you back
$3.10, vs. $4.72 in Paris.

しかも、最近の日本は物価も安くて、ロンドンだったら8USドル、900円する地下鉄も、東京だったら100円ちょいでのれる、スターバックスのラッテもパリより3割以上安い。

それなのに・・・・・

Japan’s $30 million
budget last year was less than half what Hawaii alone spent on tourism
marketing in 2006. And many critics say the ads are ineffective. Early
spots featured Koizumi (would more Americans visit France if President
Nicolas Sarkozy asked them to?). And then there’s the forgettable
slogan: Yokoso! Japan—even though few foreigners know that "Yokoso"
means welcome in Japanese. "A catchphrase that targets foreign tourists
should be self-explanatory," says Isao Shiozawa, president of Osaka
University of Tourism. "Otherwise, it’s nonsense."

日本が海外(もしかして米国だけかな?)からの観光客誘致に使った30億円強は、ハワイの観光誘致予算の半分以下。しかも、そのなけなしの予算で出した宣伝は、最初は小泉総理がモデル。その後は、Yokoso! Japanという、日本語がわかる人にしかわらかわからない謎のスローガン。(あー、この宣伝見ました。・・・電通なんとかしてあげてくれ!・・・・って電通だったりして。)

記事は

If only Japan were
better at spreading the word. Says Doyel: "I haven’t seen any
advertising in the U.S. showing you all the neat stuff here."

もっと、日本の面白いところを宣伝すればいいのにね、と締めくくられます。実際、私が是非宣伝して欲しいと思ってるのが日本の祭り。世界的に見てもこんなに盛大なお祭りが山のようにある国ってなかなかないと思います。諏訪大社の御柱祭なんていうややマイナーなのですら、実は毎回死人が出る狂乱の祭りだったり。(地元のタクシーの運転手さんいわく、何人も死ぬが、普通は即死でないのに加え、この祭りで死んだというと縁起が悪いので、誰も申し出ない、とのことでした。)

さて、こういう「日本の面白い・すごいことを宣伝する」のも大事なわけですが、もう一つ海外からの観光客が少ない理由に、

「日本は言葉が通じなくて怖い」

というのがあります。

最近、世界の観光地はどこに行っても英語でなんとかなるようになりました。15年前くらいはそうでもなかったんですが。去年イタリアのレストランで見かけた旅行中のフランス人も、英語でオーダーしてたし。しかし、日本はそうはいきませんな。

そこでだ。ガジェット王国日本の宣伝も兼ねて、「観光端末」。こんな機能を搭載:

  • 旅行に必要な基礎会話の翻訳(多言語<–>日本語)
  • 観光名所リスト
  • レストラン・クラブ・ショップ等のリスト
  • GPS(乗り物案内・徒歩案内付き)

で、これをだな、成田(いや、関空でもいいんですが)で貸し出す。

で、最近行った他の人のレビューが見られたり、日本側で翻訳やツアーガイドをするボランティアを募って、そういう人とのSNS機能を加えたり。「ヘルプ」ボタンを押すと、周囲のボランティアの携帯電話に通報が行って、助っ人が走ってくるとか。

・・・・世界広しと言えども、日本でしかありえないこのホスピタリティに、世界中の人が感動すると思います。(なんで日本でしかありえないかというと、ガジェット技術の進化、ワイヤレスの徹底した広まり、著しく親切な人たち、という三つが揃っているのが日本だけだから。)

端末は、一応、粗雑に扱われると困るので、貸し出しの際に保証金は取る。帰りに返却すれば保証金は返す。「あまりに便利なので是非欲しい」、という人には買い取りオプションも提供。

あまり保証金を高くすると利便性が悪いが、安くすると持ち帰るヤツが出るかもしれない。そこはそれ、期日を過ぎると動かなくなるようになっていて、買取するとそれをunlockしてくれるとか。

言葉が通じない、英語の表示がない、というガイジンの恐怖もこれでなんとかできるし、日本のガジェットの宣伝にもなって、一石二鳥じゃないかと思うんですが。是非誰かやって下さい。

ガイジン向け観光端末貸し出し事業@成田」への20件のフィードバック

  1. 以前から思っていること。
    地域限定ではあるんだけれど、Suicaのような乗り物用のICカードの外国人観光客向け貸し出しをやったらいいと思うんですよね。簡単な解説書も付けて。最初一定金額がチャージ済みでデポジット分込みの料金で貸しだして、返却時にチャージ金額の差額+デポジット分のお金を払い戻す。返却場所は帰国前の空港カウンターあたりが最良でしょうか。
    追加の設備投資もほとんど必要なく、その気になれば明日からでも簡単に実現できると思います。
    たとえば東京だと地下鉄とJR、さらにバス路線が網の目のように張り巡らされていて、目的地にいくためには日本語で書かれたパネルを読んで券売機で乗車券を購入する必要があります。時々ですが、明らかに外国人観光客と思しき集団が券売機の前で立ち往生する姿がみられますよ。(毎回”May I help you?”と声をかけるべきかどうか悩みます。)Suicaを持っていれば、乗車券を購入する手間だけは無くなりますよね。金額が不安かもしれませんが、これについては事前に大体の料金表を見せておけば特に問題はないと思います。これも解説書に含めておいてもいいかもしれません。
    また一部のコンビニやスーパーなどでもSuicaでの購入ができるので、ちょっとしたものの購入時に毎回日本語でのやり取りをする必要もなくなります。適当なコンビニに入って、商品を選んでレジに持っていき、Suicaで支払うだけ。日本語を解す必要もなく、実に簡単です。

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  2. PS。
    英語表示ができれば、モバイルSuica対応の携帯電話でもいいんですな。
    GPSとかも内蔵してるし。観光名所リストとかもGoogleさん辺りが作ってくれればあっというまですね。(入力がちょっと大変かも?)

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  3. 確かに日本って観光ネタがもっと英語圏のヒトたちにわかりやすくなればいいのにと思います。
    鎌倉でも実験的に端末を貸したりとかあったみたいですが。
    問題は何だろう・・・集客なのかな・・・
    以下のサイト知り合いがやってます。最近のactivityわかりませんけど・・・
    http://www.japanaid.com/

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  4. >「日本は言葉が通じなくて怖い」
    というよりも、ガイジン=英語という偏見もあるみたいですよ。日本に留学、インターンシップで長いこといた友人いるのですが、日本人に道などを尋ねると、「日本語」で話しかけてるのにもかかわらず、逃げられたり、無言で×マークのジェスチャーされたりと、結構な目にあったようです。つまり言葉の問題というより「ガイジン恐怖症」のようなものがあるんじゃないかと思います。千賀さんのいうような翻訳機的ガジェットも一つの解かもしれませんが、もっと根本的な部分で解決しなければいけない所があるような気がします。

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  5. chikaです。
    >Suicaのような乗り物用のICカードの外国人観光客向け貸し出し
    私も欲しい~。いまだにSuicaを買わずに日本で電車に乗って、改札で立ち往生する私ww
    「駅内でも働くGPS」ってのも便利だと思います。東京駅とか新宿駅で途方にくれるガイジン多し。
    >「ガイジン恐怖症」
    そういうのも、「日本語ができないガイジンは、みんな観光端末を持っている」となれば、恐怖もなくなるのでは?
    ちなみに、うちのだんなは、見た目はアジア人だけど英語しかできない変な人として、日本にトータル4ヶ月くらい滞在していますが、笑い話が結構あります。
    「無言で×マークのジェスチャーされた」
    もそのひとつ。ダンナは×マークの意味がどうしてもわからず
    「なんだろう?剣道の試合?」(両手が剣で、それをちゃんばらしてる状態をあわらしているかと思ったそうな)
    と頭をひねり、相手と顔を見合わせるばかり・・・。
    なお、○と×って、日本人的にはOKとNGですが、これ、イマイチわかんないらしいです。両手で大きく○を作って、
    「OKだよー」
    というジェスチャーを見て
    「天使?」
    と頭を悩ませたのは、これまたうちのダンナですw

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  6. こんにちは
    NICTという独立行政法人が面白いシステムを作って(作ろうとして?)いるようです。
    その名も『多言語観光情報システム』。
    最初に見たときは「”多言語環境”を打ち間違えたな。プッ。」と思ったのですが、
    実際、外国人観光客相手に、多言語で情報を提供するようなものらしいです。
    詳細は良くわかりませんが...
    “多言語観光”という言葉がインパクトありました。

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  7. 日本における外国人観光客として、
    みなさん欧米人以外あまり想定していないのが結構驚きです。
    前述のYokoso! Japan(VISIT Japan)キャンペーンもメインの対象はアジア圏。
    それもすでに十分伸びた韓国ではなく、中国大陸や台湾でしょう。
    Yokosoという日本語を使ったのも、日本語の単語にポジティブな反応を示す
    アジア圏を意識してのことなんじゃないかと想像することもできます。
    そもそも欧米から画期的に観光客を増やそうにも、
    成田はパンパン(なにより成田から地方への移動は超絶に不便)、
    関空やセントレアはビジネス需要に上限があるから、
    観光客だけ増やしても便は増えません。その点、中国や韓国なら
    小型機で直接地方にお客さんを運べますから。
    どこの地方もアジアからの観光客招致に必死です。
    それに中国のお金持ちと違って、欧米の観光客は
    日本の電機店や百貨店のブランド店にそれほどお金を落としてくれませんし。
    銀座の三越や新宿の高島屋に観光客がバスで横付けする光景は日常的です。
    政治や感情的な問題とは別に、今後確実に中国からの観光客は増えますし、
    (現時点でもまだ中国からの個人旅行は基本的に解禁されてないんですよ)
    お金を落としてくれるのなら、それは大いに歓迎すべきことかと。
    まあ、日本の社会とどう軋轢を増やさずに観光客にお金を落としてもらうかは、
    色々頭を悩ませる必要はあるかもしれませんが。

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  8. >Yokosoという日本語を使ったのも、日本語の単語にポジティブな反応を示す
    >アジア圏を意識してのことなんじゃないかと想像することもできます。
    それは考えすぎでは。
    日本語の単語にポジティブな反応を示すので有るのが事実としても、それならば
    「Yokoso」ではなく「ようこそ」や「祝!日本観光」みたいに日本語で書くでしょう。
    日本人が”LOUIS VUITTON”や”CHANEL”などを有り難がるのと同じようにね。
    >中国や韓国なら小型機で直接地方にお客さんを運べますから。
    航続距離はなんとかなるとしても、中小型機では採算が合わないのでは?

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  9. 東京はアジアからの観光客が増えましたね。
    新宿の都庁前や銀座にも中国語の文字の観光バスがよく停車してます。
    http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/worldecon/78577/
    にあるように、裏原宿のブランドのお店で何十万もまとめ買いする人は良く見ます。
    その昔、日本の人がヨーロッパのブランド品を買いあさって顰蹙を買ったという話がよく理解できます。
    結構みなさんいい服着てます。
    手に持ってるガイドブックは中国語だけど、お店の人と話すときは英語のようです。
    英語ならまだましということで。
    国内観光地は、日本人の観光客が伸びないため、
    アジアからの観光客の誘致にいろいろ活動を行っているそうですよ。
    http://www.okinawatimes.co.jp/day/200602101300_07.html

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  10. Yokosoの件は妄想しすぎかもしれませんが、
    日本の地方空港にはすでに中国や韓国との国際線はバンバン飛んでますよ。
    中国の航空会社と日本の地方空港の定期便だけでも、
    中国東方航空:
    福島、新潟、小松、岡山、広島、松山、長崎、鹿児島
    中国南方航空:
    仙台、新潟、富山、広島
    アシアナや大韓はさらに多いですよね。
    搭乗率も50%前後の例が多いので、観光客を必要としているのです。
    (それでも飛ばされるのは国際線誘致に助成金があるからですが)
    実際石川の温泉街の中国人観光客誘致の事例を聞いたことがありますが、
    かなり必死感がありました。関西方面からの団体旅行が減ってるのでしょう。
    福島あたりも相当熱心と聞きました。
    また、冬場の新千歳や帯広空港は台湾からのチャーター便が一杯で
    今度は入管、税関の人間が足りないという話も。
    http://www.pref.hokkaido.lg.jp/NR/rdonlyres/2E1CB63D-5BE7-4584-B4D4-BA7E43C64BDF/0/2005titose.pdf
    大変お仕事熱心(人余り?)な関空の職員を回してあげるといいのに。

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  11. chikaです。
    >『多言語観光情報システム』
    おお。すばらし。期待期待。
    >日本における外国人観光客として、みなさん欧米人以外あまり想定していないのが結構驚きです。
    いやいや、そんなことはないですヨ。でも、アジアからの観光客を入れても、世界で30位なんです。まだまだぜーんぜん、伸びる余地があると。GDPの10%くらいまではいけるのでは?!
    あと、アジアの人はYokosoがわかるのでしょうか・・・・・だとしても、それぞれの国によってキャッチフレーズ変える位の気合は必要では?
    いずれにせよ、テトラポット置いたり、誰も通らない橋作ったり、きれいな川底をコンクリートにするくらいだったら、空港整備・観光誘致・観光端末事業、観光によろしい地方の文化を育成する方に政府のお金を使うといいんじゃないかなぁ・・・。

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  12. 「駅内でも働くGPS」ってちょっと無理があるけど、WiFi内蔵なら PlaceEngine を使うという手があります。
    http://www.placeengine.com/
    あと、保証金とって端末を貸出すよりも、Nintendo DS や iPod touch に専用ソフトを載せて買取りなんていうでいいかと思います。既にハードを持ってる人はソフトのみ購入かな。

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  13. >搭乗率も50%前後の例が多いので、観光客を必要としているのです。
    >(それでも飛ばされるのは国際線誘致に助成金があるからですが)
    それって採算があってないってことなんじゃ。
    まるでハウステンボスやシーガイアを見るがごとし。

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  14. 昨今の日本食ブーム、そして、「日本食は健康に良い」というイメージに乗っかって、「一週間和食を食べて健康になろう」的なパッケージ旅行を、肥満気味の外国人をターゲットに売るというのはどうでしょうか。 長寿村に行って、100歳のおばあちゃんと同じメニューを食べてみるとか。 成人病はこれからますます増えるでしょうし、健康・長寿というのは、日本が世界に売れる立派な「売り」だと思います。  

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  15. Yokoso Japanは、(特に小泉政権下で顕著であった)アジアにおける日本の政治的な摩擦を解消し、友好関係を築く為の政策の1つであって、本格的な観光立国を目指したものでは多分無いのではないかなと考えています。
    ですので、アジアの観光客の増加が目立つとしたならば、それはYokoso Japanは成功しているのでしょう。
    また、中長期的な視野で見れば、これは少子高齢化対策が背景にあると考えていますので、過去日本に渡来してきた、同じアジアの民族のほうが良いのだろうなと思います。

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  16. chikaです。
    >「一週間和食を食べて健康になろう」的なパッケージ旅
    すばらしー。ついでに禅寺の修行とかもいれて、「Japanese boot camp」と名づけて世界に売り出すとかww
    >アジアにおける日本の政治的な摩擦を解消し、友好関係を築く為の政策
    だったら、余計、なぜ「Yokoso」なのか、という疑問が・・・・・涙
    あと、日本にずっといる方は気づかない方も時々いらっしゃるようなんですが、都内も観光地も、ここ7-8年アジアからの観光客の方がたくさんいます。(Yokosoの前から)
    なので、本当に「アジアの観光客の増加が目立つ」のでしょうか?宣伝に関係なく自然カーブでのびてるという可能性もあるのでは?どなたかデータ持ってたら教えてください。
    ちょっと関係ないですが、21世紀になって、都内のレストランとかコンビニの店員さんも日本以外のアジア系の方がものすごく増えましたね。日本人が殆ど働いていないお店もあって、へーと思います。

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  17. >地域限定ではあるんだけれど、Suicaのような乗り物用のICカードの
    >外国人観光客向け貸し出しをやったらいいと思うんですよね。
    ついでだから外国人観光客向けに、絵はがきやテレホンカードみたいに
    日本風のイラストや写真付きのSuicaを販売してもいいかもしれません。
    「日本では非接触ICカードが既に実用化されていて、それで電車に乗れるんだぜ~。
    ほらこれが日本を旅行したときに実際に使った本物のICカードだ。」
    という感じで母国に帰ったあとに話のネタにすると。

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