「日本市場のこと教えて」と大学院時代のクラスメートからメール。
彼女が働いているのは、携帯用アプリケーションがちゃんと端末上で動作するかをテストする環境を提供しているMobileComleteというベンチャー。
こう聞くと、「ああ、エミュレータ・ソフトの会社ね。ご苦労様」と思いませんか?私は思いました。しかし、これが違うのでした。
「ホンモノの携帯電話をデータセンターに並べて、その上で実際にアプリケーションを動かしてみる」
というのをリモートアクセスで企業ユーザーに提供する、というのが事業。百聞は一見にしかず、で、この写真を見てください。サーバ状の箱の中に、携帯電話が格納されています。
で、ユーザーはこの本物の携帯電話機で、開発したアプリケーションをリモートから動かしてみて、ちゃんと画像が表示されるか、指定のキーを押すと想定された画面に移行するか、といったことをテスト可能。スクリーンタッチもリモートからテストでき、iPhoneも近日導入予定だそうです。
携帯は、ちゃんと電話番号も割り当てられ、携帯キャリアに電話料金を払っている「普通の」電話なので、同じ端末でもキャリアごとにテストできます。こちらの写真にあるように、ちゃんとスクリーンに画像が表示されてます。(この実際の画像がリモートでも表示。)
なんだかカワユイような怖いような。携帯電話さんが箱に納まってデータセンターに並べられている様は、映画のマトリックスのよう。が、それはさてはおきつ、「エミュレータをしこしこ作るのではなく本物の端末を使う」というのはコロンブスの卵的発想。
(余談ながら、「コロンブスの卵だね~」とMobileCompleteの知人に言ったところ、「それなに?」と言われてしまいました。「フランダースの犬」がフランダース地方で知られていないのと同じで、アメリカ人は「コロンブスの卵」を知らないものなのでしょうか?)
さて、MobileComlete、価格体系はいたってお手ごろで、キャリアごとにパッケージになっていて、1パッケージ目200ドル、2パッケージ目からは追加で100ドル、それ以外に利用1時間ごとに16-18ドル、とのこと。
「コロンブスの卵」だし「お手軽」ではあるのですが、果たしてこのようなビジネスがスケールするのか・・・という疑問は微妙にあります。微妙にあることはあるのですが、
- 既に500社以上の有料顧客がいて
- サンフランシスコ、フランス、ドイツ、イギリスにデータセンターを持ち
- 160人の社員がいて、黒字
とのこと。で、携帯アプリの巨大市場であるところのアジア、特に日本にちゃんと進出したい、と。
さて、そこで日本の携帯業界の方に質問です。
1.携帯向けアプリケーション開発のうち、限られた数の大企業(端末メーカー自身、とか)で行われているものの比率はどれくらいでしょうか?
(MobileCompleteとしては、もし「大企業が殆ど」ということであれば、上述のASP事業ではなく、このテスト環境をユーザー企業内に設置する方の事業に注力したいとのこと。)
2.日本の激しい携帯製品サイクルの中で、端末が市場に出てからアプリのテストをするので間に合いますか?
これ以外でも何かご意見があれば教えてください。
(ご参考まで、同社のプレゼン資料はこちら→ MobileComplete.ppt 。
3時間無料で使えるお試しアカウントもあります。)
こんなのありますね。
http://www.ktai-labo.com/
「携帯 実証」で検索するとそれらしいのがほかにも出てきます。スポンサードリンクのほうに。結構ちまちまと小さい会社も利用しているように見えますね。
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chikaです。
情報ありがとうございます。リンク先は、「その場所にいけばテストできる」、という感じだと思うんですが、リモートアクセスを提供してる会社もあります?(MobileCompleteの売りはそれなんですが)
それとも、日本だと、「開発者は殆ど東京にいるから、リモートしていらない」といったこともあるのでしょうか?
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はじめまして、携帯アプリ開発をやっている者です。
興味深く拝見させていただきました。
端末メーカ自身が提供するサービスの比率は高くないと思います。また、同じキャリア/メーカでも機種ごとに微妙な動作の違いがあるため、サービス提供者としては、実機検証が必須です。仰るとおり、機種発売のサイクルは早いですが、検証が不要という理由にもなりませんので、愚直にやるしかない、という感じです。
エミュレータ製品/サービス(ASP)や、実機貸出しのサービスはありますが、正直決定打は無いな、というのが私の印象です。
いっぽう、MobileCompleteのサービス、なかなか面白いですが、実機を遠隔制御するという領域に踏み込むのは大変だと思います。写真を見る限り、端末を解体して映像を取り出したり制御信号を送り込んだりするような事をやっているように見えますが(違うのかな??)、日本の場合、コンテンツの権利保護や無線法などの関係で、ここに手を付けるのが難しいように思います。でも、良い方法があるのかもしれませんね。
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こんにちは。
携帯向けアプリケーションというのはjavaアプリケーションになると思いますが、yetさんが仰るとおり日本では携帯メーカ自身が提供するjavaアプリは少ないです。プリインストールされているのはほとんどがサードパーティ製のアプリです。
MobileCompleteのリモートを利用して、開発→評価を繰り返すのは効率が悪いですが、MobileCompleteのテスト環境があればアプリ開発がしやすくなると思いますが、いかがでしょうか。リモートはリリース前のアプリを一斉にテストできるので優位性のあるサービスだと思います。
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門外漢ではあるのですが、
リモートテスト環境だけではなく、テスト仕様書を渡して、テストそのものもお任せできればと思うのは、私だけでしょうか。一斉テスト用の人員を常に抱えている訳にはいかない…….
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古い、でも有名なスレです。元が2chなので、真偽の程は??ですが、臨場感はあります。YRPはD社の開発で有名なところです。
http://s03.2log.net/home/programmer/archives/blog38.html
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新機種開発でなくJavaアプリ等の旧機種上での検証ですよね?
とするとアプリ開発は実際には下請け孫請け曾孫受けの中小企業が中心で、
値下げ要求が厳しいためにそんな会社に支払うお金は全くないと思います。
顧客になるとしたら、それこそGoogleとかの極めて限られた所だけでしょう。
以上。
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こんにちは。
以前”アメリカでのスーパーでの心得”にコメントさせていただいたTomyです。
仕事がら携帯向けの開発を行っているのでコメントをさせていただこうとおもいます。
私が把握している同種のサービス
端末の貸し出し:
○ケータイラボ http://www.ktai-labo.jp/index.html
・秋葉原にて検証を行う
・基本料1日9,000円 最初の1時間1,400円/1機種・2時間以降1時間700円/1機種
○ウェルトーン http://www.welltone.jp/keitai/keitai_rental.htm
・大阪-郵送(返却時の送料は別途負担)
・基本料なし 1泊2日5,000円/1機種(郵送日は含まず)
○ケータイ・マイスタ http://mysta.jp/
・新宿 郵送も行って検証するのも可能
・基本料6,500~10,000円 基本料金+1日10,000円/1機種・1泊2日15,000円/1機種
検証代行:
http://visionworks.jp/
※検証の項目を出せば作業を代行してくれます。
複合型:
http://www.connect-tech.co.jp/products/testlab/index.html
私の知るかぎり日本にてリモートで携帯端末の検証環境サービスを提供している会社は無いです。
1.携帯向けアプリケーション開発の状況ですが
ドコモの場合:
勝手アプリが提供できるため大中小企業サイズ問わず端末検証のニーズは多くありるかとおもいます。
auの場合:
勝手アプリができないため検証のニーズはドコモより大きく劣ります。
またau:BREWの場合、動作確認以前に、KDDIが要求する検証項目のハードル(検証資料数百ページを理解しないといけない)が高いため、KDDIへのBREWアプリ検証(申請)でつまずくことが多いようです。何度もKDDIに検証に出しても、冷たく検証担当者からNGがあり、何度か泣きついてきた大手の開発会社がありました。
※こちらでBREWの提供までのスキームが記載されております。https://www.spice-sys.kddi.com/entrance/entry.php
またクアルコムの南青山のラボにて無料で端末の貸し出しをしております。http://www.brewjapan.com/lab/index.html
何度かお世話になっております。なのでお金を払って検証したことがありません。
ソフトバンクの場合:
私のお客様では、ソフトバンク向けの開発はないのでニーズがあるかわかりません。少ないユーザー数のキャリアにソフト開発費や検証コストをかけるよりもユーザーの多いキャリアが優先される傾向があるためソフトバンクは切り捨てられています。※私のお客様は、金融業種が多いので偏った意見かもしれません。
2.日本の激しい携帯製品サイクルの中で、端末が市場に出てからアプリのテストをするので間に合うか?
金融関連の企業からアプリ開発を受託しておりますが、あせって対応している状況ではありません。理由としてエンドユーザーから”○機種の対応してくれ”とフィードバックがあっても検証に対してあまりリソースを割かない・・または割けないため、あまり問題にはならないかと思います。
※ただしゲームアプリの場合は、状況が違うかも知れませんが・・
私見ですがリモートで動作確認ができるメリットを生かしてこんなサービスを出せばすぐに使いたいです。
※幾つかのプロジェクトを抱えているので・・・助けてほしいのが本音です。
・日本で行う場合の検証コスト(端末の費用+テスター人件費)で、1.5-3倍の端末検証を行うことがでる
EX) 従来:20台 ドコモ iappli 検証100万のところ・・・ 新:20台 ドコモ iappli 50万
・検証の抑えるべきポイントのコンサル+検証項目を作ってくれる(キャリア、機種によって癖がある)
>実現案として
・検証の実務作業は海外にアウトソース(ここが一番手間かかるのでコストカット)してリモートで操作+検証+試験
・コンサル+検証項目の作成は日本人で対応 日本の開発会社は日本語を多く好むので。
気になったのですが、写真では携帯電話を分解して何かしらの改造を行っているようにみえますが、もしそうであるならば日本では違法(電波法?)にあたるかもしれません。
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/tanmatu/index.html
http://akademeia.info/index.php?%B7%C8%C2%D3%C5%C5%CF%C3%A4%C8%C5%C5%C7%C8%CB%A1
PS
今回海外にリモート検証環境を提供するサービスがあるとは知らなかったため、現在リリースしている幾つかのアプリを海外に提供できるか検証できるので利用したいと思いました。
以前欧州系キャリアの方が、日本でエッジの効いたアプリを見つけて、海外に輸出をしている仕事が最近多いくなっていると聞いたことがりますので日本の携帯アプリ開発会社が海外でテストできる環境があればビジネスが広がりそうですね。
ただ海外の商習慣や言語の違いなどを吸収してくれるサービスがなさそうなので、それがあればもっとビジネスが広がりそうな感じがします。
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ビジネスというわけではないですが、趣味でアプリ開発をする者として、こういうサービスがあると単純に助かります。
企業向けのサービスのようで、趣味の範囲での利用というのは難しいのかもしれませんが、手軽なテスト環境が提供されるとうれしいです。
日本展開される場合は、企業向け以外のホームユーザーへのアナウンスも行われると、よりアプリ開発の敷居が下がっていいのではないでしょうか。
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chikaです。
y-san, kimu-san, kuri-san, 元SE-san, 匿名希望-san,佐藤忠文san,有益な情報をどうもありがとうございました。Tomy-san,大変詳しく書いていただいて感謝感激です。無線法に関しては、ちょっと調べた方が良さそうですね。ただ、無線に関しては恐らく世界の殆どの国が日本同様の規制をしていると思うので(ライセンス制ですし)、そのあたりはノウハウがあるのかもしれません。(無線を外に出さない・・とか、実験設備的な認定を取るとか・・)
MobileCompleteの知人にフィードバックします。
何か追加でコメントがあれば宜しくお願いしますね!
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私は課金制キャリア公式サイトを運営しております。
運営側の立場で申し上げますと、サイト運営の過程でトラブル調査のため、特定の機種でのページ表記やコンテンツのダウンロード、あるいは着メロや着うたの「鳴り」を確認したいというケースが多々あります。
そのためそれなりの規模の運営企業では多数の携帯を保有していたりするのですが、古い機種やあまり市場に出回っていない不人気機種などまで保有することはコスト面から厳しいのが現状です。
また2G携帯はUSIMの差し替えが不可能なため、動作させるためには毎月キャリアに基本料を支払って、保有しておく必要があります。
アプリケーションの動作確認に限らず、こうしたコンテンツの確認の需要や日本の携帯電話事情も考えると、この事業が日本市場で成り立つ可能性は米国以上にあるのではと思います。
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chikaです。
貴重なコメント、どうもありがとうございました!公式サイトでもニーズがあるんですね。。。MobileCompleteの人に伝えておきます。
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端末メーカー自身で行っている開発はほとんどありません。メーカーから発注している開発会社、またはメーカー子会社が多いですが、端末メーカーは自身でテスト可能ですし、一部の大手コンテンツベンダーには事前にテスト機が配布されるため、その他のコンテンツベンダー及び開発会社向けのサービスとなると思います。
新機種が出てからtestして間に合うコンテンツもありますが、提供サービスによっては発売日には対応している必要があるものもあり、一概にはなんとも言い難いところです。必須ではないが最短での対応が望ましい…というところでしょうか。
端末上で動くアプリケーションだけでなく、携帯向けwebappのテストに使いたいところです。日本でのmobilesite開発においては、旧来の機種にどこまで対応するかがdesign、budget設定において大きな判断pointの一つになっていますので、リモートから1actionで対象端末すべてに対し同じ作業ができれば大きな費用メリットが期待できます。
tommyさんがおっしゃっておられるように、Test実務部分のoutsourceにも期待したいですね。
なお、日本の昔の端末ではPCやサーバに端末を接続してmobilecompleteのような動作をさせることが可能な端末もあったのですが、spammail送信に悪用されたことにより、現行端末では改造無しにはできなくなっていると認識していますがどうなのでしょうか。
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以前、ケータイVM作っている人で、今はケータイJavaアプリを作る人です。
このサービスを使いたくてグーグったらヒットしたのでコメントをば
このサービスの特徴は、「実機」「リモート」というところにあるのかと。
で、私の場合もそうですが、
海外機種向けのアプリをテストする
ことには需要があると思います。
ただ、日本の場合の携帯のビジネスも出ると、海外は違うことから、日本でアプリ開発、海外で販売といったケースは少ないとは思いますが。
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1時間16ドル払うのなら、レンタルしたほうが安い気がするのですが、、、、、
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