Second Lifeの収入とビジネスモデル

Second Lifeは3Dバーチャルワールド。誰でも自分のアバターを作って、ワールド内をうろうろできる。うろうろするだけなら無料だ。髪型、肌、洋服、アクセサリーなど、いろいろなものも、Second Lifeの住人が作って売っているが、適当に無料のものを集めて身につけることもできる。

とりあえず私は有料、無料のパーツを取り混ぜて今はこんな姿になっている。

Second Life
髪の毛は日本人の方の力作である。

さて、こんなSecond Lifeであるが、果たしてこれ、いくら儲かってるのか。試算してみました。

Linden Labの収入源は次の5つ。

  • 会費

土地を所有するには月々9ドル95セント払って有料会員になる必要あり。

  • 土地リース

初期費用と月々のメンテナンス代を払うとSecond Life内の土地をリースできる。(リースした人は、細かく区切って一般住宅として貸し出したり、店やアダルトショップ、カジノなどを経営。)

  • 貨幣交換手数料

Second Life内の商取引には、Lindenドルという貨幣が必要。で、Linden Labは、LindeXという「米ドルとLindenドルのオークション市場」を運営している。Lindenドルの売り手と買い手が出会う場なわけです。で、通貨交換時には手数料がLinden Labに入る仕組み。Lindenドルを売って米ドルに変える際には3.5%、米ドルでLindenドルを買う際には1回当たり30セント。

  • Lindenドル販売

LindeXは変動相場なのだが、大体の相場幅の間でLindenドルを買いたい人の方が多い場合は、Linden Labが直接Lindenドルを売る。(今1USドルは260-270Lindenドル。)

  • リアルネーム

本名を名乗りたい場合は、リアルネームを「買う」必要あり。年間利用料を払う。

さて、一方でLinden Labは、Second Lifeの様々な「経済指標」を発表している。土地の大きさ、有料会員数、Second Life内貨幣であるところのLinden Dollarの発行数などなど。有料会員は4月時点で8万3千人。それ以外の細かい数字は、こちらを参照あれ。

これを元に試算すると、この4月時点での収入は6百万ドル弱とあいなります。

誤差はリアルネームと土地メンテナンス料から発生。前者はどれくらいの人が実際使っているか発表されておらず、後者の土地は、無料で有料会員に貸し出している分があるのだが、この試算では、全て有料で貸し出されているものとして計算してある。

土地の初期費用とメンテ代で70%弱。会費が15%で、Lindenドルの売り上げが12%、LindeX手数料が6%。土地が1-2割は無料で貸し出されているとすれば、ここから10%-15%くらい下方修正が入るが、それでも5百万ドルは行ってると思われます。

去年の11月からフォローするとこんな感じ。

噂では、去年の春から夏にかけて100万ドルを達成、昨年末に300万ドル規模の売り上げを見込んでいたらしいので大体こんなもんと思われます。

いずれにせよ、いや、結構売り上げあるじゃない、というのが私の正直な感想。

さて、もっと根本的に、どういうビジネスモデルなのか考えてみる。

7割を占める「土地リース料」は、これは何かと言うと、要はサーバホスティング事業。Linden Labでは、土地単位であるところのSim一つ(16エーカー)当たりCPUを一つあてがって運営している。Simの一形態であるプライベートアイランドを借りるための初期費用1675ドル、以降月々295ドルかかる。1サーバあたり4CPUとして、最初に7000ドル弱、月々約1200ドルで貸し出している、というわけです。

Second Lifeに行くと、閑散としていて驚く。1CPUあたりせいぜい10-30人くらいで技術的にマックスらしいので、仕方ないと言えば仕方ない。Sim一つ16エーカー、6万6千平方メートルあるのに、そこに数十人マックスなわけで。

しかし、閑散としてるのはLinden Lab的にはそれほど痛痒ない。一旦貸してしまったサーバーは、使われない方がメンテナンスが簡単。しかもアクセスしているユーザーが少なければ帯域もあまりいらないので安上がり。

巷では、Second
Lifeはスケールしないのではないか、と懸念されている。実際、土地面積から逆算すると、既に9000CPUくらいあるはずで、これで同時アクセスユー
ザー数は3-4万人しかいない。つまり1CPUあたり3人くらい、ということになる。World of WarcraftなどのMMORPGの常識からすると、

「なんですか、それ」

という感じなの
だが、バーチャルワールドはMMORPGとは根本的に違うんです。いうなれば、Second Lifeは、「借りっ放しであまり利用しないありがたいユーザー」がたくさんいるホスティング事業なのであった。

とはいうものの。

会費を除いたもう一つの収益源、「Lindenドル販売・Lindenドル交換手数料」は、要はマイクロペイメント事業みたいなもの。こちらを伸ばすには、ユーザー同志が活発に商取引をする必要があるわけで、それには賑わいがいる。

なので、あんまり閑散としていると将来こちらの収益が伸び悩む、ということはあります。

<おまけ>

Skin and Hair Shop

Second Life内のショップ。髪型やら肌やらを売っている。

Calla Shop
別のショップのソファでくつろぐ私のAvatar。

Club
Second Life内クラブ。こういうところは結構人がいます。みんな派手な格好をしている。私のAvatarはバージョンアップ前で、謎のピンク髪OL風である。

Second Lifeの収入とビジネスモデル」への5件のフィードバック

  1. Jungle Java – Secound Life は儲かってるの?

    「オレンジニュース」に “Second Lifeの収入とビジネスモデル” という記事が紹介されていました。
    なるほど、Linden Lab にとってはアクセス数が少ない方が望ましいのかも。(^^;

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  2. 日本の「強み」

     日本の強みは何だろうか?
     マスコミや外資系コンサルタントが煽っているように、
     日本の開発プロジェクト の生産性は低く、
     欧米式の開発手法を早急にとりいれなければ
     生きていけないのだろうか?
     日本の「強み」はないのだろうか?
     そうは思わない。
     私は、日本の強みは
    = 「現場力」 =
    である、と確信している。
     欧米の一方的なトップダウンを強調した手法を取り入れただけ
     では逆に日本の「強み」すら消…..

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