国際社会におけるフグに関する大いなる誤解

アメリカ人は、フグを食べるとかなりの確率で死ぬと思っているらしい。(アメリカ人に限らないようだが。)

  • 証拠1

映画Charlie’s Angelsで、ラリーエリソン風ハイテク会社社長が

「ほら、これがフグだ。死を恐れない勇者だけが食べる究極の刺し身だぞ。」

セリフは適当だが、要はこういう感じのことを言うシーンがあった。

  • 証拠2

NPRラジオのFresh Airという番組に、Franz Ferdinandというバンドのギタリスト、Alex Kapranosが出た。ツアー中の食事に関するSound Bitesという本を出版したので、それに関するインタビュー

その中でKapranos氏いわく

「ツアーで食べたものの中で一番がっかりしたのはフグかな。食べた人の100人に1人が死ぬ、とかいうから、
『そうまでして食べたい位おいしいものに違いない』
と、恐怖にビビリながらも超期待して食べたんだけど、殆ど味のないどうってことない食べ物だった。まずいとか、そういうわけじゃないけど、リスクにあわない。」

(またもや、セリフはいい加減です。一ヶ月以上前に聞いた番組を、記憶からたどってるので。)

そりゃ、1%の確率で死ぬリスクを冒してまで食べるほどのモンじゃありまへん。

  • 証拠3

San JoseはSantana Rowにある寿司屋。アニメ風映像が流れ、メニューも漫画イラスト入り、内装と耳鳴りする音楽はクラブ風、しかし、ネタはとっても新鮮、という謎の店だが、その名はBlowfish Sushi to Die for、「死んでも良いくらい素晴らしいフグのスシ」。

いや、だから、死なないんだってば。

(あ、念のため、「to die for」は「超欲しい」というような意味の慣用表現。ここでは、ほんとに死ぬかもしれないBlowfishと掛け言葉になってます。)

なお、Blowfish To Die For、リンク先の店のサイトを見ると雰囲気がわかると思います。左上の「フグのアニメ風イラストをクリックするとはじまり。音が出るので注意。アメリカ人が考える「クールな東京」ってイメージですかね。確かオーナーは日本人。結構よくできた店で、いつも混雑。回転がよいので、ネタが新鮮。店の雰囲気からは想像も付かないまともなスシが食べられます。シャリはちょっとやわらかいけどね。ちなみに、フグ屋さんではありません。

  • 証拠4

昔アメリカ人とイギリス人計4人を連れて仕事で日本に行ったときのこと。「なに食べたい?」と聞いたら、

「あの、危ないと評判の毒のあるフグが食べたい」

いや、別に危なくないよ、死ぬのは無免許で調理した人とか、そういうのだけで、ちゃんとしたレストランで食べたら大丈夫、と説明したところ、

「じゃ、つまんないからいいや」

ですと。(結局しゃぶしゃぶ食べに行った。)

***

我々日本人は、美食のためなら命も惜しまないツワモノだと思われてるんですかね。

国際社会におけるフグに関する大いなる誤解」への16件のフィードバック

  1. ぼくはいつも彼らに言っています。「おれたちはあのフグを食う民族だ。おまえらとは美食に対する気合いも期待もすべてのレベルが違う。おれとおまえの『美味しい』では、その意味も価値もまったく違うのだよ」と。

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  2. フグには皆さんガッカリするようですね
    これには誇張と真実が交ざっていて、
    鍵は肝です
    世には美味しい肝がたくさんあり、
    魚食文化の発達した日本では、アン肝、鱈肝、ゴッコの肝まで、
    美味しく頂いてます
    そして、危険性を認識している料理人でさえ惚れ惚れするほど
    美味しそうで、実際に美味しいのが
    フグの肝です
    あまりの美しさと誘惑に負け、口に含み亡くなる方がプロにも多い
    フグの毒は摩訶不思議で、個体の大小に関わらず
    平等に危険です
    ただ、最近、日本の内陸で山に囲まれ育った
    フグの養殖が話題になりました
    自然界にない、人口的な餌で育ったフグには
    毒がありません
    フグ肝を安全に食べられる日は近いのかもしれません
    なんかシュールですね

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  3. 少し前にふぐ刺しを生まれて初めて食べました。
    確かに、淡白なので、濃い味のものに慣れたアメリカの方々の舌には合わないかも知れませんね。

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  4. てっさ(刺身)やてっちり(鍋)よりも、何より最後の雑炊がおいしい!!
    確かに淡白なので期待はずれに思われるのでしょうが、だしは濃厚で最高においしい雑炊になります。
    ま~それでもアメリカの人には物足りないかもですね。

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  5. 以前アメリカ人の同僚にこの辺(ベイエリア)でフグを食べられるところないんですかねぇ?と訊いた所、アメリカでフグを出すなら万が一が起こったとき訴えられた場合に備えて高額の保険に加入しないといけなくて、おそらく採算が合わないと言ってました。
    なんとも説得力があります。(笑)
    もしかしたら法律でフグ屋は禁止されてるのかもしれませんがどうなんでしょう?

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  6. ステーキやハンバーガーやら濃い味で育ってきたアメリカ人の舌には、ワビサビ日本食、特に河豚の味をわかってもらうのは難しい気がします。いっそのことてっちりにBBQソースとかかけたら評判よくなるのだろうか・・・。

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  7. フグはフグの網焼きが最高です。
    魚とは思えない弾力と肉汁(肉じゃないけど)。
    病み付きの美味しさです。

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  8. フグが安全に食べられるようになった背景には、チャレンジして死んでいった先人たちがいるわけで、そのような祖先を持つ民族は称えられても良いと思います。
    因みに、猛毒のフグの卵巣も、3年糠漬けにすれば食べられますが、それが分かるまでに何人死んだことか。
    フグの卵巣の糠漬http://www.excite.co.jp/News/bit/00091098081224.html

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  9. タイムリーなことに、夕べのワールドビジネスサテライトでも河豚の話題を紹介していました。
    ●中国でも河豚は800年前から食べられていた。
    ●でも食べて死ぬ人が後を絶たないので、1990年に国内での流通が禁止された。
    ●今でもレストランでは食べられるが、それはあくまで黙認。
    ●河豚が食べられる河豚特区を申請したり、毒の無い河豚を作る研究をしたりと、
    いろいろ努力している人達もいる。
    という内容でした。アメリカで河豚が危険だと思われているのは、中国の事情と話が混ざって伝わってるのが原因だったりするかも知れませんね。
    ちなみに向こうでは、醤油味で、フライパンで炒める調理法が一般的なようです。

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  10. chikaです。
    おお、中国の致死率と、日本の料理がごっちゃになった世界情報伝播!ありえる・・・
    しかし、河豚とかいてあるのが、どうしても河馬と読めてしまう私は馬鹿?Animal Planetの見すぎかしら・・・

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  11. 大分に行ってみなされ
    スーパーでも普通にふぐ肝売ってますからw
    ふぐ毒(tetrodotoxin)は水溶性なので
    水につけとけば大丈夫ってのが
    大方の大分人の言い分ですw

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  12. > Yukiさん
    ふぐ肝,そのままいけますよ(^^)
    刺身というか生というか・・・
    ポン酢に溶かして刺しと一緒に食べるも良し,
    肝だけ食べるも良しw
    大分の店ではデフォで肝出ますからw
    しかも山ほどwww
    個人的にはスーパーのは食べた事はないですが
    大分出身の友人は普通に食べると言ってました
    そろそろふぐシーズンも終わりですが
    日本に帰ったらふぐ食べたいよー

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  13. 日本で河豚を食べ始めたのは縄文時代ですね。
    当時の遺骨の中に河豚中毒で死んだひとのものがあるとか。
    河豚の白子はおいしいと思いますが、ふぐ刺しは個人的には味がなさすぎ。
    卵巣の粕漬けはおいしいですが、味が濃いです。日本酒にあいます。

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