癌の話

タバコ・ワクチンと乳がん撲滅計画の話です。

  • タバコ・ワクチン

Economist 5月21日号のLifestyle Vaccines
タバコをすっても気持ちよくならないワクチンの開発の話。タバコは肺がんの元。アメリカでは肺がんは癌増加の最右翼。(詳しくはこちらをご参照あれ→American Cancer Society: Statistics for 2005

タバコを吸う人が減れば肺がんも減る。というわけで、タバコ・ワクチンの登場。

People who are vaccinated should develop antibodies that bind to the nicotine in their bloodstreams, disabling it. If no nicotine reaches the brain, there will be no pleasurable reward for having a cigarette. So vaccinated individuals should—in theory—be less likely to relapse.

ワクチン接種によってニコチンの抗体が体内にでき、ニコチンが脳に作用するのを防ぐ。理論的にはタバコをすっても気持ちよくならないので、簡単にやめられるはず・・・・なのだが、現在のところトライアルの結果は

–ワクチンを接種した人のうちタバコをやめられた人=40%

まぁいいではないか、という数字のようにも見受けられるが、ワクチンだと偽って何の効力もないもの(placebo)を接種した人でも、タバコをやめられた率は31%。これだけしか違わないのでは意味がないので、まだまだ研究中。

ちなみに、この手のワクチンでは、コカイン・ワクチンというのもあります。Scientific American MIND 2004年11月号のCocaine Vaccine

Cocaine molecules are coupled to an inactivated cholera toxin and are injected like a regular vaccine. The immune system produces antibodies to the toxin and the cocaine attached to it. Later, if a person uses cocaine, antibodies bind to it in the bloodstream, acting like a sponge, so it doesn’t reach the brain’s addiction and reward centers.

効力を失わせたコレラにコカイン分子を合体させてワクチンとして接種すると、コレラのついでにコカインにも効く抗体ができるそうな。

  • 乳がんの予防

先週、Professional Women’s Healthcare Allianceという団体のAnnual Galaにお呼ばれして行って来たのだが、Keynote Speechは乳がん予防NPOのPresidentのSusan Loveという人でした。非常に面白く、会場も大うけでした。例えば:

乳がん自己触診は全く意味がない。

「えー」という感じで、参加者(99%女性)はどよめき。片手をあげてうんちゃらこうちゃら、という面倒くさい方法で毎日だか毎週だか必ずチェックするように、とお医者さんに耳タコで言われるわけですが、実は意味がないことが最近判明したそう。というのも、生真面目に方法を守ってチェックして気づくのも、普通に生活してて「あれ、変だな」と気づくのも、結局大差ない、と。中国で大々的な調査を長期間行って判明したんだそうです。

そもそも、乳がんでは早期発見自体それほど効果的ではないとのこと。(ここでも、参加者一同「えー、まっじー、どよどよっ」でした)そもそも、癌に良性のものと悪性のものがあって、良性のものは発見が遅れても治ることが多く、悪性のものはどんなに早く見つけても治りにくいとのこと。(だからといって、全く検診する必要がない、ということではなく、スピーカーの方も毎年マモグラムを受けているそうですが。)

一方で、「実はmilk duct (乳管でよいのかな?母乳が出る管です)が乳がんの原因では」という仮説に基づき、乳がん予防を行う方法を模索中とのこと。将来乳がんになる確率が高い場合、milk ductを何らかの方法でつぶしてしまえば乳がんにならない可能性がある、と。実際に6つあるマウスの乳房のうち、3つのmilk ductをつぶしておいて、発癌物質を与えたら、つぶしていない3つは乳がんになり、つぶした3つは乳がんにならなかった、そうです。これが人間にも適用できれば、乳がん撲滅も可能、ということで、NPOとは別に営利目的のベンチャーを設立準備中だそうです。

アメリカのNPOってこういう風に営利と非営利が隣り合わせなことが多くて面白いですね。

癌の話」への3件のフィードバック

  1. おお、Susan Love!いまもご活躍なんですね。
    素人が触診でしこりを発見する段階というのは、ガンだとしたらかなり育った状態だと聞きます。マモグラムはたしかに初期段階を発見できるようですが、それも、結局は専門家の読み取り技術にかかってるのかも。
    最近のニュースで、カナダのマモグラフィーの器(機)械が信頼度の基準を満たしてない、はっきり言って古くてあてに成らない!という調査報告がでてました。ぐわ〜ん。

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  2. ゆか-san,
    Susan Love、http://www.susanlovemd.com/に出ている写真と全く同じ服装でした。当日、スクリーンにも同じ写真が出て、自分で笑ってました。
    ちなみに、マモグラフィー、日本もかなりとんでもないことになってるらしいです。ぐわ~ん。でも、Susan Love先生いわく「早く見つけるに越したことはないが、とはいっても、治るものは治る、治らないものは治らない」そうですのでおおらかにかまえられては・・(余計怖いという説もありますが)

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