「酒酔い運転は危ない」とか「入ってくる電車に気をつけましょう」とか、当たり前のことを注意してくれる日本。それを普通だと思って暮らし始めると意外なことがあるのがアメリカである。
この国では、いろいろなものが莫大な文章で提供される。日本だったらせいぜい4ページの契約書が、同じ目的でも60ページとか。猫をもらってくるだけで50ページ近い文書がついてきたし。
何もかも全部読んではいられないので、すばやくその文書の重要度を見極める必要がある。そのために私が個人的に勝手に編み出した法則が「長々と警告が書いてあるものほど、重要度が低い」というもの。
つまり:
1)たくさん脅しの警告があるものは実は大して問題ないことが多い
2)さらっと何も言われないのに、甚大な重要度のものがある
1)たくさん脅しの警告があるものは実は大して問題ないことが多い
たいした問題でもなさそうなのに、著しい脅し文句がついていることがある。しかし、これは多くの場合、「さして重要でなく、みなが無視するようなもの」だから敢えて激しい警告が書いてあるのだ。
例1)予防接種
アメリカの大学院に留学したときのこと。外国から入学する人は各種予防接種が義務付けられているのだが、なぜかその項目に限って
「予防接種済みの証明を提出しないと入学を取り消すこともある」
などと、長々と警告が書いてある。「そんなに大事なのか」と、せっせとあれこれ注射して準備、現地について証明書を持っていったら
「日本人はいつも、きっちり予防接種証明を出してくれて助かる。ほかの国の人はなかなか出さなくて困る。」
といわれて呆然。
その後も、時折「これをしないと退学」みたいな指示が来たが、そういうときに限って実はどうってことなかったのであった。(「どうってことない」かどうかは、実際指示を守らないではじめてわかることなので割とリスキーでしたが、まぁちゃんと卒業できたから、どうってことなかったに違いない。)
例2)違反取り消しトラフィックスクール
先日書いたスピード違反の点を消してもらうためのトラフィックスクールだが、実際に一日つぶしていくリアル版ではなく、インターネット上でできるオンライン版に行くことにした。(民間企業にアウトソースされていて、いろいろなサイトがある。私が選んだのはGottaTicket.comという、胡散臭い名前のもの。)
スクール登録のための指示書には、
「We recommend that you sign up for the school within 5 days」
と書いてあり、実際に出向いた窓口では「少なくとも2週間前にはスクールを終了しないと処理が間に合わない」と言われた。「ということは、締め切りの最後の最後でも大丈夫なんだな、きっと」と放置してあって、でも、やっぱりぎりぎりはまずいかと、締め切りを10日後に控えたある日のこと、オンラインサイトで受講した。クレジットカードで申し込んで、1時間後には終了、翌日には修了書が送られてきて、これを裁判所に出せばおしまい。やっぱり。
(ただし「厳しい警告だから無視して大変なことになった」などということに関しては当局は一切関知いたしません:-) )
2)さらっと何も言われないのに、甚大な重要度のものがある
一方、指示に反すると大変なことが起こることに関しては、何気なく淡々とした表現で(しかし、だらだらと長々しく)書いてあることが多い。そもそも、脅す必要もないくらい罰が重いからだろう。
例えば、アメリカの入国審査で出す紙。「嘘をついたらだめよ」みたいな事がさらっと書いてある。あくまでさらっと。しかし、嘘が見つかると本当に本当に大変なことになりますので、気をつけましょう。「観光目的」とチェックしながら、「ちょっと語学学校に通うんです(ニコニコ)」とか答えちゃったりすると、いきなり強制送還で、将来の長きに渡りアメリカ入国時に別室に呼ばれ続けることになったり。
酒酔い運転もそう。「酒酔い運転は危ない」という標識はどこにもないが、見つかるとその場で後ろ手に手錠をかけられて牢屋に送られる。問答無用。これは本当に厳しい。(ただし、血中アルコール濃度0.08までOK体重50キロくらいだったら2時間でワイン一杯程度は大丈夫だそうだ・・とオンライントラフィックスクールの教材に書いてあった。)
***
全然関係ありませんが、トラッフィクスクールに行くための指示書みたいな紙をSuperior Court of Californiaからもらったんだが、いきなりスペルが間違っている(下記写真参照)。CaliforniaがCalifornaになってる。かなり恥ずかしいぞ、Superior Court。
「猫(生き物)を電子レンジに入れて暖めてはいけない」と書いていないとメーカー側が裁判で負けて賠償金を払う羽目になるような国ですから・・・。日本もその後を追っているように感じられますね・・・。
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試しにCalifornaでググって(笑)みたら、なんと24,400件もありました。
間違いではなくて新しいスペルだったり・・・。ってことはないですね。
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Californa州に改名か?!そんなはずはない・・・んじゃないでしょうか…
ちなみに、online traffic schoolは非常にグッドでございました。お勧めします。
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upnとかSpike TVなど娯楽系のケーブルテレビを見ていると、この種の警告CMをいっぱい放映していますよ。
(1) 飲酒運転は全米どこでも(Coast-to-coast)逮捕
(2) シートベルトしないとチケットだぞ(click-it or ticket)
(3) タバコで毎年何人死んでる(8秒に一人だったか?)
(4) タバコで毛が抜けた、癌になった、親が死んだ
(5) タバコで火事を起こした
(6) タバコ会社が嘘ついた
(7) 友達が麻薬をやってたら注意しよう
(8) Bail-bond
タバコ攻撃はかなり厳しい。(1)と(2)は交互にやっているような気がする。(8)は警告モノではなくて純粋な宣伝なのだけど、Bail-bondとは思えないオキラクな内容。最初何のCMか分かりませんでした。
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州知事がそう発音するから州名も変わりました(うそ)
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花火おたくsan
テレビですかぁ・・・見ないからわかんないですが、なるほど。
そうすると、アメリカに住んでいない外国人は心しないといけませんね。入国審査関係の厳しさって、結構知らない人多いんじゃないかな、と思うんですが。普段はスーッと通ってしまうので、うそついても大丈夫かな、と思ったりしちゃう人もいるんではないかと。
私は、日本に住んでいたころ、出張でアメリカに来て、シカゴの空港で15分以上尋問されたことありました。帰りの飛行機のチケットも全部あったのに、「何しにきたんだ」と。「金持ってるか」とか(!)クレジットカードを見せろとか。何にもやましいことがなくてもこういうこともあります。
最近、ビザ・グリーンカードともに、取得するのは本当に大変ですけど、だからってうそをつくのはやめましょうね・・・・。
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