Wall Street JournalのMonster Buys Military Site。タイトルはInfoseekの翻訳の結果。
といっても、別にSFではなくて、求人サイト大手のMonster.comが軍人向けキャリア・教育情報サイトのMilitary.comを3950万ドル(キャッシュ)で買う、という話。うち2450万ドルを最初に払って、残りは2年間に分割して払うのだそうだ。
この話の面白いところは二つ。
一つは最近盛んな「前向きM&A」であること。景気が上向いてきているので、これからの躍進に備えるための積極的な買収が行われ始めている。例えば。
昨日はGEがInVisionを9億ドルで買収することが発表された。InVisionは空港の爆弾検出装置を作っている会社で、GEはセキュリティビジネス強化が目的。個人投資家向けにわかりやすい投資情報を提供することで知られるMotley Foolではこんな風に分析。
The buyout price represents a near 35% gain over InVision’s $37 per stub when we checked it out last January. That’s a phenomenal return in two months, to be sure. But it also hints at the heartbreak that can accompany successful small-cap investing. Who knows what InVision stock might have been worth a couple years from now had GE not gobbled it up?
買収が発表された時点でInVisionの株価は一気に20%高騰したのだが、一月時点からだと実に35%の上昇になる。しかし、とMotley Foolでは続けて「あーあ、このままInVisionが独立した会社であり続けたら、数年の間にどれだけ株価が上がっただろう。残念!(Heartbreak)」と。楽天的だ。
AskJeevesのExcite.com(など)買収
自然言語サーチエンジン、AskJeevesが、Excite.comなどを運営するInteractive Searchを買った。Interactive Serachは、一時は一世を風靡したポータルのExciteや、懸賞サイトiWonに加えMy Search, MyWay、My Web Searchといった検索サイトも持つ。こういってはなんだが、「ちりも積もれば山となる」という感じの会社だ。しかし、この買収の発表によりAskJeevesの株価は一気に40%も上昇した。詳細はCNetの記事にあるとおり。
通常M&Aが発表されると、買収される側の株価は上がるのだが、買収側の株価の方は下がることが多い。買収する側は、ついつい適正価格より高い値段で買ってしまうからだ。(オークションサイトでモノを売り買いするとわかるとおり、オークション的プロセスではついつい買い手がたくさん払ってしまうもの)
しかし、今回のAskJeevesのM&Aでは、買い手側のAskJeevesの株価が急騰。グーグルの巨大上場を控え、検索事業に期待が集まる中、「その他大勢」にまみれそうになっていたAskJeevesが、ぐっと踏みとどまって勝負に出てきた、ということで期待が高まった。(現状の検索サイトランキングはGoogle、Yahoo, MSN, AOL, AskJeevesの順)AskJeevesの株価は、一時期1ドルをきりそうになっていたのが、M&Aのニュースの後は30ドル近くまで上昇。1ドルを切ってある期間が過ぎると上場取り消しの運命が待っている。2ドルを下回ったら危険水域なのだが、そこから戻ってきたAskJeevesは、殺しても死なないターミネーターのようである。
AskJeevesといえば、昔は「Is Jeeves gay?(Jeevesはゲイ?)」と質問文をタイプすると、「No, I would rather be called jovial(むしろ、陽気な、と呼んで頂きたいです・・・gayには「陽気な」という意味もあるので、同じ意味の文語的表現であるjovialを使ってジョークにしている)」といったようなお返事をする中々お茶目なサイトだったのだが、最近はトンと噂を聞かなくなっていた。このM&Aでまた、元気になってくれると楽しい。
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Monster.comのMilitary.com買収の面白いところの二点目は、アメリカにおける「軍人」というターゲットの大きさ。サイト事業が成り立つほど軍人がたくさんいて、キャリアとか教育情報を欲しているのだ。アメリカにおいて「軍隊」は、その規模が大きいのもさることながら、貧富の差が大きいアメリカという国のセーフティネットの役割も果たしている。
このblogでも何度か触れているが、アメリカは実は学歴社会だ。大学を出ないとかなり大変な人生が待っている。しかし大学の学費はとても高い。よい大学は軒並み私立で、年間300万円は優にかかるので、誰もがいけるものではない。ところが、一定期間兵役に付けば、奨学金を出してくれるので、兵役後に大学や大学院に行くことができる。もっと長期間勤め上げれば「退役軍人」として、一生医療費がタダ。(退役軍人病院というのが全米200数十箇所あって、そこで無償医療が受けられる。)60才くらいになると、毎月の保険料が10万円を越すこともざらな国アメリカにおいて、「一生医療無料」というのはとても大きい。
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ちなみに、Military.comにいくと、personalというリンクがある。Personalとは、通常「出会い系」といった意味。新聞でまじめに恋人募集の広告を出すという習慣があるのだが、それがpersonal advertisingと呼ばれるから。Military.comのpersonalに行くと、えらく美形のお兄さんが載っている。軍隊恐るべし。
There is even a homeless shelter for “veterans” in Boston …
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ホームレスだけど医療は全部無料、というのは、ホームレスだけど乗ってる車はキャデラックという感じですね。ちなみに、「ベテラン」=退役軍人、は知らないとわからない(あたりまえですが)アメリカ英語ですよね。。。
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I dont know how I found your site, but I really enjoyed the pictures from Tokyo. Makes me wistful and pensive. And I dont know why. Thanks for sharing.
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