エキゾチックなできごと

今日、Lost in Translationという映画を見た。Bill Murray扮するアメリカの有名俳優が日本にコマーシャルの撮影に行って、異文化の孤独の中で人生の意味を考える、というもの。舞台の中心は新宿のPark Hyatt。加えて、新宿や渋谷のネオンサインあふれる町並み、カラオケ屋、サイケデリックなクラブ、ストリッパーのいるアップスケールなバー、京都のお寺、平安神宮、などが登場する。

うちのダンナは「Solarisと似ている」と。Solarisは、George Clooneyが宇宙船の中で自殺したはずの妻と再会して、孤独と人生の意味を自問する、というSFだが、「『宇宙船』というforeignな環境が『日本』というforeignな環境に置き換わっただけで、全体的なテーマ・雰囲気は一緒。DVDにするときは抱き合わせにすべきだ」と力説。

私はというと、今一つまらなかった。というか、映画としてはよくできていると思うのだが、日本のエキゾチックなところの描写が長くて「それ、知ってるよ」という感じ。これが本当の”been there, done that”。

Central Stationというブラジルを舞台にした映画があった。私は偉く感動して涙ウルウルだった。他に見た友人誰に聞いても「ものすごく良かった」と言っていたのだが、唯一ブラジル人の友人は「退屈だった」と。きっと私がLost in Translationをみたのと同じような気持ちだったに違いない。Central Stationも、ストーリーライン以外に現代のブラジルの特徴的な町並み、人々の振る舞い、などにかなりの時間が割かれる。ブラジルをよく知っている人には退屈なのだろう。

逆に言えば、エキゾチックなものはそれだけで面白い、ということか。同じクイズ番組でも、海外で収録されたものの方が興味深いし。

エキゾチックといえば、映画から帰ってきて留守電を聞いたら、二つメッセージが入っていた。一つはBill Clintonからのもので、もう一つがArnold Schwarzeneggerからだった。来週がカリフォルニア州知事リコール選挙なので、そのためのもの。もちろんどちらも録音したメッセージを自動的に流しているだけだが、Clintonは「Vote no for recall(現知事を支持)」で、Schwarzeneggerは「僕に投票してね」と。笑っちゃったのは
「投票用紙で私の名前を見つけるのは難しいので、『どうやってSchwarzeneggerの名前を見つけるか』という冊子を見てから投票に行ってください」
というメッセージ。こちらの投票用紙は、名前が最初から書いてあって、そこに穴を開ける、という仕組みらしいが、100人超の立候補者がいることもあり、しかも子音が羅列するムズカシイ名前なこともあって、Schwarzeneggerが見つけられない人もいるんだろう。

というわけで、ClintonとSchwarzeneggerから立て続けに電話があるというのは、カリフォルニアならではのエキゾチックな出来事。

追記:
翌日の10月6日、選挙前日には、Al Goreから電話があった。あとはBushかな。。

なお、Lost in Translationはじわじわと思い出すと実は良い映画だったような気がしてきた。見た翌日は一日中なんとなく映画の中の孤独な雰囲気の影に入っていたような感じ。かような影響力があるということは良い映画なのでありましょう。

エキゾチックなできごと」への2件のフィードバック

  1. 異文化の孤独

    On Off and Beyond: エキゾチックなできごと 今日、Lost in Translationという映画を見た。Bill Murray扮するアメリカの有名俳優が日本にコマーシャルの撮影に行って、異文化の孤独の中で人生の意味…

    いいね

  2. 通りすがりのものです。chikaさんのblogは共感するところが多いです。
     Lost in Translationですが、私もこの映画見ました。なんか、幻想的な印象が残る映画でしたね。私の場合、テーマよりも監督が日本をきちんと、正面から紹介している点に注目しました。日本をめちゃくちゃ間違って紹介したり、日本人の行動をただデフォルメして描くような映画を、日本にいる間にたくさん見て腹を立てていたので・・・。私には、異国の孤独の中で、全く接点のない二人が夢の中の出来事のように思わず惹かれ合い、自分の人生を考える、ほのぼのした淡いラブコメディに映りました。アメリカ人の友人は「あの町並みは本当の日本?」「交差点のシーンは美しいね」と言っていました。きっと彼らにはエキゾチックなんでしょうね。
     私は今、日本の会社で10ン年キャリアを積んだうえでサバティカルを取り、日本人がほとんどいない東海岸の某大学院で毎日ヒーヒー言って(この年になって・・・)勉強している者です(文系です)が、夫を置いてきているし、そもそも日本を長く離れるのは初めてで、この映画のせいで日本に帰りたくなってしまいました。chikaさんぐらい、ストーリーについて冷静に分析できるほどにはちょっとなれない精神状態です。
     chikaさんの文章では、ほかにも、アメリカ人カップルについての観察とか、acoountabilityの訳とか、「そうだよねー」とうなずいてしまいました。またお邪魔します。

    いいね

サヘルの風 への返信 コメントをキャンセル