Movabletype

このblogはmovabletypeというツールで書かれている。使い始めて3ヵ月、「これは、世の中を変える力を持ったツールなんじゃないか」という気がしてきた。Joiは随分前からそう言っているのだけれど、やっとそれがピンと来た。

movabletypeが何で、どんなメリットがあるのかは説明が難しい。

私は最初Joiのblogを見て、「私もしたい」とメールしたら、あっという間にJoiがユーザ設定をしてくれて、電話でIDとパスワードだけ言われて、体当たりで使い始めてみた。

使ってみると、面白いしメンテナンスがとても楽。単なるblog以上に使えそうだ。運営しているNPOのサイトでも使ってみよう、といろいろな人に言ったのだが、なかなかわかってもらえない。「こんなの今でもできますよ」とか。私自身、メリットを言語化できないのを感じた。

その「メリットのわかりにくさ」に、昔プレゼンテーションソフトがはじめて出てきた時のことを思い出した。93年ごろ、当時同じ会社で働いていた、現Neotenyの南さんが「Persuasion(Powerpoint的なもののMac版)という面白いアプリがあるんだ」と、それはうれしそうにデモしてくれたのだが、全く何がいいのかわからなかった。当時作るプレゼンテーションといえば、せいぜい数ページの「ポンチ絵」で、私はMacDrawを愛用していた。きれいに図がかけるMacDrawで十分、と思った。しかし、今ではPowerpointなしでは仕事にならない。社内文章がPowerpoint、という会社も多いんじゃないだろうか?プレゼンテーションソフトが、人々の表現方法まで変えてしまったのである。

Movabletypeはそれに近い。

いったん最初に枠組みだけ作ってしまえば、後は、文章を書いてアップロードするだけで、勝手に画面が生成されていく。コンテンツとルックが完全に分かれているから、見た目だけ変更するのも簡単。

で、何が世の中を変えるかというと、まずインターネットが本質的に持っていた「個人の情報発信enabler」というポテンシャルを具現化する。「今迄だってそんなことできた」という人はたくさんいると思う。しかし、「やろうと思えばできる」のと、「ものすごく簡単に片手間に一人でプロ・ライクなサイトが作れる」の差は大きい。

Movabletypeはビジネスとしてペイするか。

可能性はある。ただ、何千人もの雇用を生み出すようなものではないだろう。逆に業界全体としては雇用を減らす方向に向かう圧力を生み出すはず。「既に書かれたコンテンツの体裁を整えてHTML化する」という反復的作業を人間がする必要がなくなるからだ。

しかし、別の見方をすれば「人々を反復作業から開放し、よりクリエイティビティを必要とする仕事をする機会を与えてくれる」ということでもある。好むと好まざるとに関わらず、人間はよりクリエイティブな能力を身につける必要性に迫られる。

もちろんMovabletype以外にも2-3同じようなツールはあるが、いずれも同じポテンシャルを持っていると言ってよいだろう。

でも、最後はやっぱりMicrosoftに買収されちゃったりするのかなぁ。

Movabletype」への6件のフィードバック

  1. MT

    On Off and Beyond: Movabletype で、何が世の中を変えるかというと、まずインターネットが本質的に持っていた「個人の情報発信enabler」というポテンシャルを具現化する。「今迄だってそんなこ㮮.

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  2. 手軽にできるからすごい

    On Off and Beyondのchikaさんが言っている様に、思うのと実行するのとではかなり違う。コンスタントにdaily basisで手軽に自分のサイトを更新できるという事実が大事なのだ。ブラウザーだけで…

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  3. Mac 初期に初めて使った Persuasion も、今回の MovableType も、出来たものを見るだけだと、その良さがすぐにはわかりにくいけれど、実際に使い始めると、有難さを実感できるツールですね、確かに。僕も正直なところ、Joi の Blog を Read Only している間は、Blog Tool の Potential を完全に理解出来ていなかった様に思います。
    Web Site を「立ち上げる」、みたいな言い方をかつて(といってもつい最近まで)は良くしていましたが、実際それだけの労力と気合が通常の Web Site 構築には必要でした。MovableType だと自分の普通の生活の延長の中で肩肘はらずに出来る、自分の脳の中身の一部の、デジタル化作業になっています。
    携帯電話から、Moblog へ Upload を始めると、さらに気軽に出来る様になり、この変化も面白い部分です。Moblog による Blog Entry は、カメラ付携帯電話の普及で、さらに Blog の裾野を広げると思っています。
    今までは、Web Site 作成作業を一人でやっていると、自分の想像力・創造力の限界にすぐにぶつかりがちでしたが、Blog というメッシュなコミュニケーション・システムを使っての作業だと、常に外部の良質な刺激を受けながら、自分の考え方をふくらませることが出来るので、記述するテーマの幅や考え方の深掘りが容易になりますね。コメントで、自分では気がつかなかった視点を知ることもしばしば。
    さあーて、Blog ビジネス、しますよー。これをより多くの人に使ってもらえれば、「物言わぬ日本人」という日本人の国民性にいつもつきまとう印象は、変わって行くのだと思います。

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  4. blogって。MovableTypeって。

    On Off and Beyond: Movabletype movabletypeが何で、どんなメリットがあるのかは説明が難しい。 これは同感。 僕も「面白そうなツールがあるよ!」ということで何人かに 紹介したりしたんだけども…

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  5. Chikaさん。ウェブログのバージョンアップ開設、おめでとうございます。僕もまだ初めて間もないのですがweblogカルチャーに大きな可能性を感じている一人です。2チャンネルの匿名性を除き自分のアイデンティティをある程度公開しながらの情報発信は単なる「日記」のレベルを超えていいコラボレーションがうまれることと信じています。minamiさんがおっしゃるようなmoblogは海外において可能なのでしょうか。まだまだ時間がかかりそうですね、これは。。。
    今後ともよろしくお願いします。ichi

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