Noblesse Oblige

Bill Gatesの父親が、相続税『擁護』のため積極的な活動をしている。詳しくはSan Jose Mercuryの記事Bill Gates’ dad fights for estate taxへ。
アメリカは、その激しい貧富の差を、金持ちがnoblesse obligeを発揮することでバランスを取っている国だ。

noblesse obligeは「貴族たるものが負うべき義務」というのが元々の意味だが、貴族のいないアメリカでは「貴族」を「金持ち」に置き換えてもいいだろう。一生かかっても使い切れないほどの資産を形成したsuper richの多くは、その資産にモノを言わせて社会を改革するための活動をする。
アメリカ社会がバランスが取れているかどうかには諸説あるだろうが、とりあえずプロレタリアート革命は起こりそうにないから、それなりにバランスが取れているとしよう。

Noblesse Obligeにはいろいろあるが、例えば。

■アメリカの自由擁護団体The Libertarian PartyのメンバーでもあるJohn Gilmoreは、空港でのID提示は人権侵害として国を訴えるなど、積極的に人権擁護活動を展開。Gilmoreの個人資産は、彼がSun Microsystemsの5番目の社員だったことから推測して欲しい。詳しくは、Libertarian Partyのページに。

■最近AOL Time WarnerからキックアウトされたTed TurnerはUNに10億ドルを寄付している。UNのリリースはここに。

■冒頭にも紹介したBill Gatesの父親は「資産形成をできたのはアメリカという国家のおかげだから、それを国に帰すべきである」という論理で相続税を支持。Wealth and Our Commonwealth: Why America Should Tax Accumulated Fortunesという本も共著している。個人資産430億ドルのBill Gatesも賛成しているとのこと。

こうして個人の強い信念に基づいた社会貢献に資産を使うのが、金持ちになることのそのまた先にあるアメリカ人の夢である。もちろん、super richが誰でもそうではないが、Hedge Fundで一世を風靡したSorosだって、金も時間も大量につぎ込んで自分の出身地である東ヨーロッパの復興にかけている。

なお、全く余談ながら日本経済が破綻するまで動き続けるリアルタイム財政赤字カウンタ(長いタイトルだ・・・)によれば日本の長期債務と国債残高の合計は1300兆円。Bill Gatesの資産が5兆円ということで、Gates 260人分の全財産に匹敵する借金があるかと思うと気が遠くなります・・。

Noblesse Oblige」への2件のフィードバック

  1. John GilmoreのID提示に対する裁判の1月17日にあった意見抗告は傍聴しに行きました。航空会社に対して乗客のIDチェックを求める法的根拠はないのを明らかにする内容でした。判事はDoJのrepに対して、この点について再三質問したところDoJもそのような規則があるわけでないのを認めざるを得ない展開になったので、今後が注目されますね。
    Gilmoreとは最近よく食事したりするんですけど、Sun退職時の資産があるとはいっても、車買ったりデカイ家買ったりとかではなく、全然贅沢な暮らしをしてるわけではないんですよね。しかし技術者の権利を守るためにElectronic Frontier Foundationを設立したり、アメリカの暗号輸出規制の意味のなさを指摘するために暗号解読して実証したDES Crackerのプロジェクトを実現したり、重要な活動に関わってきています。
    今までのものは技術に関わったものが多かったのですが、今回のGilmore vs. Ashcroft裁判はアメリカ国民全員の権利に関わるのがobviousなので特に重要だと思います。

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