シリコンバレーの投資増大

San Jose MercuryのVC numbers are looking up for the valley

2003年の第3四半期から第4四半期にかけて、シリコンバレーのベンチャー投資が大きく伸びた、という話。データの出元としては、 VentureOneとErnst & Youngが共同でまとめているものと、PricewaterhouseCoopersが中心となってまとめているものとの二つがあって、前者だと「全体では減ったが、シリコンバレーは増えた」という結果。後者だと、「全体も増えたが、特にシリコンバレーで増えた」という結果になっている。基本的にこの手のデータは、個々のベンチャーやベンチャーキャピタル(VC)の自己申告を総計する形になっているので、どの会社が誰に結果を報告したかによって差が出る。

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リアルタイムテレビ

昨日、TivoとNielsenが提携して、100万人超のTivoユーザがどんな風にテレビを見ているかのデータを解析すると発表。Reuter’sのTiVo in TV audience research pact with Nielsen

一方、先週日曜はSuper Bowlだったのだが、そのハーフタイムのショーで、Justin TimberlakeがJanet Jacksonの胸元をガバッと開いたら、胸が片方ペロンと露出、という事件があった。太陽マークのニプレスはちゃんとつけてたそうですが。私は友達の家でSuper Bowlを見ていて、ハーフタイムのショーも片目で眺めていたのだが、そんな「事件」があったとは全然気が付かなかった。しかし、世間的には大問題になって、Watergateをもじって、Nipplegateとまで呼ばれ、テレビ局を管轄とするお役所、FCCの調査まで入る事態に。

ちなみに、この「ペロン」は、Tivoの歴史上最多リプレーの瞬間だったそうだ。
TiVo: Jackson stunt most replayed moment ever

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メンテナンスと記事ページ追加お知らせ

===>>>サイドバー復旧しました。あと、ちょこちょこと無駄なタグを取って、バナーもテキストにしてページのサイズを10分の1にしました。(いきなりbandwidth容量突破警告がでたので驚いて直したであるですよ。)サイトの構造とかデザインとかその他もろもろにつき、何か不具合や、こうして欲しいというご意見がある方は、コメント欄に記載下さいませ。

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Webサービスによる未来の社会

江島健太郎さんという人の書いたWebサービスのリアリティWebサービスとSOAに関する議論という文章を読んだ。最初、何か英語の技術コラムを訳したものかと思ってしまった(特に前者)。

英語が日本語に訳されると、ものすごく難しくなることが多い。例えて言うと、元の英語が
「♪咲いた、咲いた、チューリップの花が・・・」
という童謡くらい平易に書いてあるのに、それが日本語に訳されたとたん、
「チューリップの開花時における花弁の色調は、赤色、白色、黄色の3色に分類され、各々の個体は見るものの美的感覚上、高位に属するものである。」
という感じ。「Webサービスのリアリティ」は最初から日本語で書かれたにも関わらず「開花時色調系」。つまりこの江島さんという方は「ネイティブモードで翻訳調」という中々得がたい個性を持っているようだ。そのオリジナリティに敬意を表して「Webサービス(と、その将来の進化系)が変える社会の形」を中心に、思うところを書きますね。

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Stanford大学の苦しみ

今日は、スタンフォードの医学部で教授をしているJimと長々とランチをした。いろいろ「お医者さん裏話」を聞いて笑ったりゾーっとしたりした。私は医学ノンフィクションものを読むのが好きなのだが、そのリアル版という感じだろうか。

さて、Jimがこんなことを言った。
「スタンフォードの循環器科は、前は世界でも最高峰だったから、いろいろな循環器系のデバイスが開発された」
「今はどうして最高峰ではなくなったわけ?」と聞いたところ
「いいデバイスを開発した人がみんな起業して大学を出て行っちゃったからだよ」
ということで、なんといいましょうか、起業のメッカにある大学には、「大学発ベンチャーを」などとシャカリキになっている大学とは違う苦しみがあるんですね。

インターネットとともに去りぬ

民主党大統領候補のHoward DeanがIowa予備選で予想外の大敗、というエントリーを書いたが、その続報。

Howard Deanはインターネットによる草の根募金活動・選挙活動で、無名の人から筆頭候補の噂が出るまでに一気に上り詰めて大いなる話題を呼んでいたのだが、Iowa予備選では3位と大敗。

予備選翌日の新聞では、Deanが満面の笑顔でシャウトしている、という顔の写真が載っていて、「はて、大敗なのに、このヨロコビ顔はなぜ?」と思っていた。この日以降テレビを全く見ていなかったので、知らなかったのだが、Deanは開票結果後に
「やったぜ、イェー、ビリじゃなかったぜ」
みたいな、訳のわからない大絶叫スピーチをかましたようである。

テレビやウェブキャストでそれを見た人たちはみな「This guy is crazy・・・」と思ったようだ。さらに、あまりに異様なので、Deanの絶叫をサンプリングして、ラップ音楽を作ってインターネットにアップする人が複数登場。どれもDeanのスピーチの変さ加減の的を上手く付いている。CNNのテレビでまで放映され、一躍有名に。

ちまたでは、「Deanもこれでおしまいだ」とのもっぱらの分析だ。派手好きのアメリカ人も、
「さすがにここまで変な人が大統領なのは困る」
という感想。

Dean Remixは殆どが「イャオェーーッツッ」といった謎の絶叫と、Deanが
「今から行くぞ、待ってろよ」
とばかり連呼した、これから予備選を行う様々な州の名前。

Dean Remixを聞きたい方には・・・・
http://aginsights.com/dean.html
■博士課程取得中で29歳で4人の父のBarlowがblogで発表したhttp://homepage.mac.com/jonathanbarlow/.Public/howarddean.mp3
■Deanの絶叫を揶揄してYeaghと名づけられているhttp://homepage.mac.com/lileks/.cv/lileks/Public/Yeagh.mp3-link.mp3

聞いてもらえばわかりますがすごいです。こんな人が4千万ドル募金で集めて大統領選に出るアメリカ。とんでもありません。

というわけで、インターネットとともに流星のように現われ、インターネットとともに流星のように去っていったHoward Deanなのでした。大勢にリーチするために非常に有効なツールながら、問題があるときも一気に大勢にマルチメディアで広がってしまう、というインターネットらしい一面が如実に出たと言えましょう。

(といっても、Deanはまだ予備選を戦うようですので、この後どう復活トライをするかちょっと期待。)

(ミニ)バブル再び

景気が上向いている。今週は、ハイテク企業の去年10-12月期業績発表が続くが、多くが好調。Reutersの記事にもあるとおりeBayは利益が64%増、2004年の売上げ予測も30億ドルに上方修正。

チップやネットワーク機器関係は、業績はよいのに株価が下がるという事態となっているが、Financial Timesの記事にあるとおり、これは、最近随分株価も上がったから、そこそこよい業績発表があったところで利益確定の売りがドッと出た、ということのようだ。Lucentは2期連続黒字、AMDは1年以上ぶりの四半期黒転。

政府発表の住宅着工件数も、12月にはダウンするという大方の予想を裏切って上昇。

後は、IPO windowの開くのを待つばかり。というか、IPO windowが開くことを前提に、いろいろ次の手を打つ人が出始めている。知り合いのベンチャー経営者も、
「今年はミニバブルになる。でも来年はまた危ないかも。だから今年の夏ごろ、多めに増資しておこうと思う」と。

IPO候補としては、知らぬものとてないGoogleがある。公開時の企業価値は200億ドルとも300億ドルとも言われ、実に日本円にして2兆円から3兆円。IPOするなり3桁億ドルという企業価値がついた例では、AT&Tが技術部門をスピンオフしたLucentがある。1996年当時で170億ドルという企業価値がついて話題を呼んだが、Googleはそれすら凌駕する可能性があることにある。引き受け幹事はGoogleもLucentもGoldmanとMorgan Stanley。(ちなみに、新日本監査法人の荒尾さんによれば、去年の日本の最大のIPOがNECエレクトロニクスとセイコーエプソンで、いずれも公開時は5000億円程度の企業価値とのコトで、桁違い。)

これ以外ではsalesforce.comもファイルしているが、思ったより小ぶりになるかも。ワイヤレスチップ(802.11)のAtherosも公開申請書類を既に提出したようだ。

あとは、今日のWall Street Journalでは、eMachinesが候補として取り上げられていた。ローエンドのPC販売で成長、公開していたが、不景気の折に公開取り止めでプライベート化、落ち着いて業績回復を行ってきた。建て直しは、日系人のWayne Inouye氏がCEOとしてリードしてきたが、最近元投資銀行員のCFOも雇ってIPO準備開始。2004年の売上げは去年の40%増で14億ドルの見込みということで1500億円。

ちなみにGoogleがIPOで調達するのは,15億ドルから40億ドル(1500億円から4000億円)くらいの幅がささやかれているが、こんなに調達したら使い道はM&Aしかない。まさかいきなりVerisign(企業価値48億ドル)を買ったりしないとは思うが、どういう手に出るか興味深いところ。逆に、MicrosoftがGoogleの敵対的買収に出るとAlwaysonのTony Perkinsは言っているが。

一方で、アメリカ国内の人を切って、インドや中国にプログラミングやサポートの要員を移すoff shoringの動きはさらに加速している。今週になって「off shoringで2006年から1億6800万ドル削減する、まず今年は3000人の職をアメリカから海外に移す」という具体的な数字付きのIBMの社内文書がリークして話題になった。

全体として「華やか」だが、海外に移されるレベルのスキルしかない人は「華やかの外側」、という吉凶入り乱れた2004年になりそうだ。

大統領選挙とインターネット

昨日は、大統領選予備選の第一歩、Iowa caucusが行われ、人気一番と思われたHoward Deanは18%の得票で3位、もはや過去の人と言われていたJohn Kerryが38%で1位という意外な結果となった。「インターネットを最大限に活用した選挙活動で人気を集めたDeanが、テレビでの討論や広告など実体の方で不人気なことが判明」というのがアナリストたちの見解のようだ。

ちなみに、caucusといっても、なんのこっちゃ、という人が殆どであろう。私もそうだ。そもそも予備選ってなんだという感じなのに、さらにcaucus。
「民族衣装を着て銃を持ったロシア人が輪になって踊っている」
という謎のイメージが頭の中には浮かぶのだが、それはコサック兵とマイムマイムがごっちゃになっているのであろう。
(連想の流れ:コーカス→コーカサス地方→ロシア→コサック兵)

もとい、コーカス。一応アメリカで教育を受けたダンナですら
「Caucusはイマイチ変なシステムだからよくわからないんだよねー」
ということで、アメリカの選挙はえらく複雑である。

ごく簡単に概略だけ言うと、
1)大統領選では、まず党ごとに自分たちの推す候補者を選ぶ
2)選ぶために、州ごとに、個々の党が「どうやって選ぶか」というルールを決める
3)ルールには党員がみなで投票するprimaryと、党員がグループを作ってそれぞれのグループごとに決めるcaucusがある。予備選出だしのIowa州はcaucusルールを採用。(caucusはとても複雑。詳しくはNew York Timesの記事をご覧下さい)
4)いろいろな州で順繰りに候補者を決めていく。今回共和党は、現大統領のブッシュが候補者として決定済みなので決めるのは民主党のみ。民主党は、最後に大パーティーをして、
「XX州はYYさんを選んだー」
「おおおお(拍手拍手)」
みたいにワーワーと発表する、というパフォーマンスをして、党の候補者を発表
5)そして、異なる党の候補者同士に対する直接投票の本選が行われる
(上記、1月21日に少々訂正しました)

ということのようだ。かように、半年以上かけたお祭りが繰り広げられるのである。

さて、話題を呼んだDeanのインターネットを使った選挙活動だが、ウェブ上の募金活動で、4千万ドル、実に40億円超を調達した。

サイトはよくできていて、ビデオもあるし、非常に頻繁にアップデートされている。選挙スタッフが作るblogまである。
募金ページはVerisignのsecure siteマークも入っているし、クレジットカード(Visa、 Master、 American Express)も利用可能。ニュースはRSSフィードもできるようになっている。

募金ページはConvioという会社が作っている。Convioは、オンライン募金活動を専門にサポートということで、いろいろな会社があるものである。

通常大統領選の募金活動といえば、うん千ドルのディナーパーティーなどというのがメジャーだが、今回Deanは「小額を大勢から集める」という方法で多額の資金を集めた。この「小額を大勢から集める」というのは、選挙に限らず、ありとあらゆるビジネスで重要になっていくビジネスモデルだと思う。例えば、AppleのiTunesで一曲99セントで音楽が買えるというのもそうだし、誰かが広告リンクをクリックするたびにチビチビと広告料が課金されるGoogleのAdsenseAdwordsもそう。AmazonのAssociate Programのように、「本を売ってくれたらちょっとだけ販売手数料をあげる」という仕組みを導入して、世の中全員セールスマンにしてしまおう、というのも「小額×大勢」。

以前、MozartとMichael Jacksonと印税というエントリーで、「多額×少数」をクライアントとして、貧乏のうちに30代で死んだMozartと、「小額×大勢」で大金持ちになったMichael Jacksonを比較した。MozartとMichael Jacksonどちらが才能があるかはさてはおきつ、「多額×少数」から「小額×大勢」へとビジネスモデルが変わるということは、とても大きな変化なのである。

Steve Jobs: Return of the King

San Jose Mercury Newsの日曜版のビジネス欄はアップルコンピュータ特集であった。初代Macintoshが発売されたのが1984年の1月24日ということで、20周年を記念したもの。
The Mac that roared
Jobs’ personality, values inseparable from Apple saga
上の二つの記事以外にも、紙バージョンでは、製品やマネジメントの変遷に関する年表が満載。その代わりオンラインでは、1984年当時のマック発表に関する記事が二つ転載されている。20年前といえば、もうなんというか、コンピュータの歴史的には、縄文時代みたいなものだ。
Archive: A look at secret new Apple computer (Jan. 1984)
Archive: How the Macintosh computer grew (Jan. 1984)

一番上の記事には、Mac誕生の経緯が載っている。

The seeds of the Mac were planted in 1979, when Jef Raskin, an early Apple employee, decided to name his dream — a new type of user-friendly computer — after a fruit he liked to buy as a boy in Manhattan. “I figured if I was going to name an Apple, it might as well be my favorite,” he recalled.

So Raskin christened the project Macintosh, after the McIntosh apple. Though Apple had asked him to build a $500 game machine, he morphed that mandate into a $1,000 computer.

Well, sort of a computer. Raskin envisioned a machine people would love, a machine people would find friendly more than just necessary. Raskin’s vision — in broad strokes, at least — carried through into the final product.

But it was Jobs who made the Mac real. Jobs, who recognized the Macintosh project as an opportunity to fulfill his own computing vision, took control of the team from Raskin, and remade it in his own image.

ということで、AppleをAppleたらしめたといってよいMacは、実はJobsの発案ではなく、他の社員のアイデアなのであった。途中で、Jobsがプロジェクトを乗っ取って、自分のテーストを加えて仕上げたわけである。

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