フィッシングの次はファーミング

San Jose MercuryのIdentity thieves’ new ploy: `pharming’。オレオレ詐欺ならぬPhishing詐欺に続いてPharming詐欺が登場、という記事。

(Phishingについては去年のエントリー巧妙化するネット犯罪をご覧下さい)

ユーザーが正しいURLを入力しているのに、偽のサイトに行ってしまい、そこで入力したパスワードやクレジットカード番号などの個人情報が盗まれてしまうという、一般人には手の施しようがない詐欺。ネットワークの住所台帳であるところのDNSを書き換えてしまうのである。Phishingが、一人一人のユーザーを騙す「一本釣り」なのに比べ、Pharmingは、本物のサイトにアクセスしてくる人たちを根こそぎ偽のサイトに連れて行くという「全面収穫」なので、ファーミング=農業。

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アナログな未来

今日のSan Jose Mercury Newsの特集はSV150 Silicon Valley’s Largest Publicly Traded Companies。紙媒体で18ページある「大」特集。売上、利益、市場価値、その他様々な項目で企業や業界を縦横無尽に切り、さらに様々な特集記事が載っている。

売上順では、一位がHP、Googleも初登場ながら19位。市場価値÷売上では、Googleが一番高くて15.7、以下eBay、Yahooと続く。

利益率No1はLinear Technology。アナログ半導体の会社である。一位であるからして、当然、高価なマイクロプロセッサを作るIntelよりも上。Linear’s gold mine is unique analog chipsはその高収益率の理由を追った記事だが、そこで語られる秘訣は、アナログという職人芸が必要とされる製品のコンサルティング販売である。

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神経経済学

最近耳にする機会が増えてきた単語がNeuroeonomics。脳がどう機能するか、という神経学的見地から人間の経済的行動を理解しようという、超ミクロ経済学。これまでの「金で全ては割り切れる」という前提の経済学では説明しきれない行為を解明しようとするもの。

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サーチ・独立・株式市場ー1

アメリカは昨日から夏時間になった。急に日が長くなって、8時くらいまで明るい。この間ラジオで聞いたのだが、初めて夏時間を導入したとき、ゴルフボールの売上が30%増えたそうだ。8時とか9時まで明るければ、仕事の後にゴルフできますので。

もとい。

ちょっと古いが、Scientific American 2004年12月号のCommon Senseは、どういうときに、全体が、それを構成する個人より優れた知恵を生み出すか、という話。構成員が「独立し」、「分散して」、「それぞれが勝手な理解の仕方をする」という条件を満たしていなければならない、と。

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この世で最も悲観的なアントレプレナー

去年Technology Reviewの記事のタイトルをそのまま和訳して地球上で最もホットなベンチャーキャピタルという大げさな題をつけてエントリーを書いたが、それにもじって「この世で最も悲観的なアントレプレナー」。(「上手くいっているベンチャーを経営しているのに」というのが頭につきます)

それは私の知人のAさん。香港出身、半導体関連のエンジニアからアントレプレナーに。半導体設計自動化ツール(EDA)業界の人。10年ほど前に最初のベンチャーを数名で起業、業界大手企業に約6億ドルで売却。しかも全て現金。で、今また別の会社を立ち上げ、メジャーなVCからの増資も受け事業は順調に進展中。先日ランチを一緒にしたが、彼の自分の会社を語るときの熱のなさ加減といったら・・・・・。

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アメリカのブロードバンド

以下、2月8日の日経産業新聞掲載のコラムです。インタラクティブTV、コンテンツのオンライン販売、といった市場が見えてきてやっとアメリカのブロードバンドも普及するだろうか、という話。過去10年以上言われ続けていたシナリオがやっと本物になるのか・・・と、昨日から降り続く雨で、ブロードバンドどころか普通の電話も途切れがちなシリコンバレーの傾斜地からのレポートです。

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アメリカのブロードバンド普及は遅れている。加入者数でこそ世界最大だが、普及率では世界のトップテンにも入らない 。国土が広大なこともあってインフラ整備が隅々までいきわたりにくいのも一因。シリコンバレーの只中の我が家ですら、雨が降ると電話すらかかりにくくなるという状態だ。広い国土に点在する家庭の一つ一つにインフラを引く莫大なコストを正当化するビジネスが見えず、投資は見送られてきた。

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一般公開される米犯罪者、身近な「監視社会」の現実

日経産業新聞 IT時評に掲載されたコラムです。

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デビッド・ブリンはその著書で「IT(情報技術)の発展により個人情報が公に広がることは免れない。そんな社会では、もはやどうやってプライバシーを守るかではなく、監視されることを前提にどう生きていくかが重要」という趣旨の発言をしている。

そんな「監視社会」の現実を突きつけられるようなサイトが公開された。カリフォルニア州による、性犯罪前科者の検索サイトである。州全体で十万人いる性犯罪前科者のうち、特に悪質な約六万人が掲載されており、住所、氏名、犯罪内容、写真入りだ。すでに他の四十五州で同様のサイトが公開されており、カリフォルニア州はずいぶん乗り遅れた。

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