
Amazonが$3.9 billion(5000億円超)でOne Medicalという会員制の診療所チェーンを買収する。One Medicalは全米16都市でサービスを展開、昨年末時点での会員が73万人超。
・・・というニュースで思い出したのが4年前に書いた「Amazonの医療界の野望」というポスト。
これは、AmazonがJPモルガンとバークシャーハサウェイと提携して3社社員の医療コスト削減のために協力しあうという発表を受けて書いたもの。この3社協業はその後瓦解してしまったが、このポストで書いた内容は今でもそのまま通用すると思っている。2018年のポストから抜粋すると
世の中は「Amazonが健康保険に進出」とか「Amazonが処方箋事業に進出」などと言っているのだが、私は個人的に「健康保険から医療機関まで垂直統合した大医療サービスを作る」と予想している。
さらに下記のようなグラフを作って「アメリカの医療コスト削減には処方箋事業や保険会社よりも、病院と医師のコスト圧縮が重要」という話をした。(データソースはCDC)

そして
10年スパンで見たら「医療保険を開始、さらに心ある病院を買収してそれを核にサービスを広げてカイザー2を目指す」というのが私が考えるAmazonの医療事業の将来像である。
というのがまとめになっている。「医療保険の開始」と「病院を買収」の順序が逆になっているが方向性としてはこうなっている。(カイザーは垂直統合型医療機関。興味のある方は元ポストを読んでください。)
なお、当時は大雑把に「病院を買収」と書いたが、深刻な病気の人のケアはAmazonの強みからは遠いところにあるので、「日常の医療問題をケアしてほしい普通の人」を相手とするOne Medicalのような形態の方がAmazonにより合っているといえる。
ちなみに、toot one’s own hornという英語の表現がある。意味は自慢する、我田引水と言った感じで、自分の過去のポストを語るこのポストを書きながらふと頭に浮かんだのでした。
2018年のブログ:Amazonの医療界の野望