公共財化するGoogle自転車は毎週何百台も行方不明に

Google_bike

シリコンバレーにたくさんあるもの、それはベルギー製の高級バスである。テクノロジー企業の社員送迎用で、北はサンフランシスコ、西は風光明媚な港町サンタクルーズなど広域から通勤する社員が、高速wi-fi 完備の高級シートでゆったりと通勤することができる。 グーグルで300台以上、アップル200台以上、フェイスブック150台以上はあるようだ。(ちなみに一台50万ドルするらしい。)

Apple_bus
(アップルバスに包囲される)

このバスで通勤したら、就業時間中のオフィスビル間の移動はどうするのか。 Salesforce は今度サンフランシスコの61階建て高層ビルに入居するようだが、通常、シリコンバレーの会社は複数の低層の建物からなる大学キャンパス形式だ。何十棟もあるグーグルではコアとなる建物群だけでも2〜3キロの範囲に点在しているので、その建物間の行き来はかなり大変。会議室が足りないこともあって社内会議は Web ミーティングのことが多いようだが、従業員用の無料カフェテリアも何十棟かに分散している。たまには違うところに行きたいはず。

そんな時に活躍する(かどうか知らないが)のがグーグルキャンパスにたくさん置いてある無料の自転車、Gbikeである。これが1000台以上あるらしく グーグルキャンパスの近くに行くと、社員らしき若者がスイスイとこの自転車を漕いでいる姿がたくさん見かけられる。

しかしグーグルキャンパスから遠く離れたところでもこの自転車がたくさん見かけられるのである。冒頭の写真は私の家の近くの市の図書館の前に止まっていた Google 自転車。このようにあちこちに乗り捨てられているのが散見される。川沿いの遊歩道に何台も放置されていた時は、市から Google にクレームが入ったようだ。

グーグル社員がどこかに乗っていって放置する、ということもあると思うが、社員でない人が勝手に乗っていってしまうケースも多いらしい。実際、ライト・荷台・しっかりしたスタンドをつけて完全にカスタマイズしたグーグル自転車に乗っている日雇い労働者風の人を見たこともある。ママチャリがないアメリカでは自転車は高級品なので気持ちはわかる。どうせだったらペンキも塗っていかにもグーグル風なのはやめた方がいいような気がするが。

そして、こちらのGoogle’s Latest Search: What Happened to Its Bikes?というWall Street Journalの記事によれば毎週100台から250台の自転車が行方不明になっているらしい。記事には、私が住んでいる市の公立高校に何台のもの自転車が放置されている写真がついているが、さもありなん。 一応最近は GPS をつけてどこにあるかトラッキングしているようだが、グーグルがあるマウンテンビューの市民は「グーグルバスが大量に走行して迷惑。自転車くらい使わせてもらって当然」といったコメントをしている。さらには、なんと市長さんまで「無断でグーグル自転車を使ったことがある」と言っている。もはやほとんど公共財ですな。

ちなみに Google のコアキャンパスから少し外れたところに自動運転を開発するWaymoがあるのだがこれは私の家からもそう遠くない。ぜひ自動運転車も、自転車のように適当に拝借できるようにしてもらえないだろうか。用事が終わったら必ず返却すると誓います。

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