SkypeのCEOはシリコンバレー版塞翁が馬

Skypeが上場する。そのSkypeのCEOは塞翁が馬を地で行く人なのでした。

バックグランド

Skypeは、2005年、eBayに$2.6 billionで買収された。「オンラインオークションの売手と買手がSkypeでお話できる」という夢が当初語られたが、ただの夢でした。特にシナジーがないまま運用され、eBayは$1.7 billionまでSkypeの簿価を落とした。

が、2009年に$2.75 billionの企業価値で、Skypeの株の70%をprivate equity fundなどなどに売却。eBayはまだ30%もっているので、今回のIPOで大儲けです。Skypeの昨年の売上は$719 millionだそうで、今回のIPOで$100 million調達予定なり。

塞翁が馬のCEO

CEOのJosh Silvermanは私の大学院の同級生であった。見た目よろしく、弁舌さわやか、頭も良くて、人間としてもよくできており、

「ああ、こういう人が『将来成功しそうな人』だよなぁ」

と思ったものです。現役のベンチャーキャピタリストが教えるクラスでビジネスプランを発表する、という授業があったのだが、彼のプランは確か動物病院関係の何かだった気がするのだが、中身に関係なくなんだかもう彼が話してるのを聞くだけで

「おお、成功しそう」

という感じであった。先生も「この中でひとつファンディングするとしたらJoshのプラン」と言っていたのを覚えてます。

そして彼は1999年にeviteという会社を起こした。

eviteは、一時期は最も注目されるベンチャーの一つであった。イメージ的にはちょっと前のTwitterくらい?そして、これまた当時勢いの良かったYahooから、確か4-500億円での買収オファーがあったが、それを断ったあたりでインターネットバブル崩壊、冬の時代に突入し、結局ごく僅かな金額で別の会社に買収されて終わった。Yahooディールは、投資しているベンチャーキャピタルが「もっと!」と貪欲になったため成立しなかった、と噂で聞きましたが。

して、彼はその後、eBayに社員として入社。起業家をあきらめたのかと思ったが、しかしそこはそれ、「見るからに成功しそうでしかも中身もあって、実はいい人」であるからして、みるみる頭角を現し、SkypeのCEOとなったわけです。

まぁ、彼の場合は、塞翁が馬というより、「優秀な人は何をやってもいつかは成功する」ということかもしれませんが、それでもやっぱりアップダウンありますよねぇ。

なぜシリコンバレーの人たちは新しいアイデアを認めてくれるか

さて、よく

「シリコンバレーで新しいビジネスのアイデアを話すと、『素晴らしいアイデアだ』と多くの人が褒めてくれる」

と言うが、これ、本当に素晴らしいと思ってるわけじゃないことも多いのでした。

どういう事かというと、多くの人が

「何が or 誰が成功するかわからないから、とりあえず新しいアイデアや、新しいことをしようとする人は褒めたたえておこう」

と思ってるんですね。いや、ほんとに。

もちろん、何もしなければ成功確率はゼロ。なんでもいいからやってみるのは、何もやらないより無限大に成功確率が増す。(分母がゼロだから)。

だから、「何か新しいことをしようとしている」だけでエライわけで、その事自体を褒めてくれてるのである。

が、決してあなたのアイデアを理解し、それを他のアイデアと比較検討した上で「素晴らしい」と心から評価しているわけではないことも多いのでした。(心から言っている人もいると思いますが。)でも人間はおだてれば木に登るので、適当におだてると大勢トライする。それでいいのだ。

シリコンバレーを作り出したかったら、

「どんなにありえなそうなネタも、とりあえずホメる」

のがよいかと思います。

最近の「ありえなそうなネタ」

こんなのどうでしょう。

Blippy

「クレジットカードと直結させて、実際の買い物情報を自動的に公開、友達とシェアして語り合おう!」

というソーシャルネットワーク。

しかし、一流VCのSequoiaも投資家に含み、$13 million(10億円超)調達済み。Fucked Companyというこれまたありえないサイトを運営していたPhilip Kaplanのベンチャーです。

参考:eviteを含む2006年に書いたエントリー

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SkypeのCEOはシリコンバレー版塞翁が馬」への1件のフィードバック

  1. 千賀さん
    ご無沙汰しております。随分前に「英語仕事人に聞く」でインタビューさせていただきました大塚です。
    いつもThought provokingな記事、ありがとうございます!Blippyの日本版っていうか完全パクリですが、友人が始めたんですよ。題して「買いログ(http://kailog.net/)」。日本人がシェアしたがるかは分かりませんが、最近のSNS同士が繋がってきて面白いです。
    BlogはThought leadershipを書くものといわれていますが、それを読んでTwitterで同じ考えを持っているフォロワーが出来る。先日私自身Ustreamで自分のセミナーをライブ配信したのですが、そこで映像を見ながら横で閲覧者同士が掲示板みたいなところでコメントを交換。その一つ一つのコメントがTweetと連動していて配信先のリンクが表示され、そのフォロワーに流れる。趣味趣向が一致しているからそれがさらにUstreamへのTrafficをオンタイムで生む。
    いままでUstreamといえば孫さんなどのビック対談しか見ていなく、横の掲示板のタイムラインがあまりにも早すぎて無視していたのですが、すごい可能性を感じました。
    またいろいろと生のレポートを楽しみにしています!

    いいね

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