ベンチャーの雇用が旺盛なのと失業率と州の税収はリンクしない

シリコンバレー採用難ヒートアップ中で、「その一方で、カリフォルニアでは税収減で公務員がレイオフされてるのはなぜ」とか、「失業率は高いじゃないか」、といったコメント・Tweet等をいただきましたが、それ、あんまり関係ないんです。

まず、シリコンバレーがサイエンスとテクノロジーの街といっても、就業人口130万人のうち、80万人はcommunity infrastructureと区分される仕事についている。上下水道屋さんとか消防士さんとか、学校の先生、ホテル業、小売業、交通関係などなど、社会のインフラとなるお仕事。なので、いくらエンジニア・サイエンティストの雇用が増えても、この辺の「バルクの雇用」が回復しないと失業率は戻らない。

もうひとつは、シリコンバレーのテクノロジー企業の雇用は、「売上」ではなく「資本金」への依存度が大きいと言うこと。

2009年のシリコンバレー企業へのベンチャーキャピタル投資は$5 billion、約4500億円であった。クリーンテックなんかだと、設備に使われる額が大きいが、ソフトウェアだと投資の殆どは人件費になる。コレに加えて、さらに相当額のエンジェル投資があるはず。(全米では、エンジェル投資額はVC投資額より大きい)。

売上依存ではない数千億円が毎年、名古屋市の企業に「どんどん人を雇え(でも優秀な人にしてね)」と外から降り続けると思って下さい。(なんで名古屋市かは、元エントリーを参照あれ)

そして、この投資は、「将来伸びそうな領域」に行われる。「今既に大儲かりしているもの」ではもう遅いんですね。もちろんそういうところにも投資は行くのだが、そうじゃない「2年後〜5年後に当たりそうなもの」にたくさん流入する。

つまり、「税金なんか収めない会社」がバリバリと人を雇うわけです。

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この間、日本のベンチャーの人たちと話していて

「去年は結構モバイル広告系に投資が集まった」

という話をしたら、

「アメリカのモバイル広告、儲かってるんですか」

という質問をされた。いや、まだ儲かってないです・・・。去年の市場サイズでまだ400億円くらいだし。モバイル広告は、基本iPhone+Blackberryがちょっとという程度だし。(スマートフォンでない普通の電話には、数行のテキストを強引に送信するSMS広告というスパムっぽいのがあることはあるが。)

「これから儲かるぞ」という目論見で投資が集まっていたのでした。

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というわけで、マクロとミクロは別の話、っていうのが結論でしょうか。

ちなみにご参考まで、シリコンバレーのVC投資の推移:

Venture Capital Investment in Silicon Valley
2009年の4500億円というのはここ10年で最低ではあるが、2007−2008年に比べた落ち込みは、2000年から2002年にかけてに比べると、相対的にたいしたことないというのがわかっていただけると思います。

2000年は、この膨大な資金で雇っちゃった人たちが盛大に2001−2年にかけて切られたので、当時はマジでテクノロジー系のお仕事をしている人たちは大変だった。特にドットコム系。

なお、2008−2009年に激しく落ち込んだのはクリーンテック系。

ITの、それもアーリーステージはそれほどの下落はありませんでした。(もともと登ってなかったから、という消極的な理由ですが。でも、昨今の起業の過熱ぶりを見ると、この程度が丁度いい気がする・・・というか、まだ多すぎるかも。ウェブ系ベンチャーってお金あんまりいらないし。)

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