異質な外国人であることが普通な世界になってきたこと

先月のEconomistの記事「The Others」。「外国に住む人々」についての記事。書き出しは

FOR the first time in history, across much of the world, to be foreign is a perfectly normal condition.

「史上始めて、世界の殆どの場所で、外国人であることが全くもって普通のこととなった」。

なかなか面白かったです。面白いと思ったポイントは・・・

The desire of so many people, given the chance, to live in countries
other than their own makes nonsense of a long-established consensus in
politics and philosophy that the human animal is best off at home.

「政治や哲学では、人間というものは自国にいるのが最もよいものだ、と長いこと信じられてきたわけだが、それが全く無意味に。機会があれば外国に住みたいと望む人達が本当にたくさんいる。」

で、その後、記事は、「確かに哲学者は異国では活躍できない人が多く、デカルトはスウェーデンに行ったら風邪で死んじゃった。でも、それは哲学者だけの話」と。・・・たまたま、哲学者が異国に向いてない、ってそういうことですね。ありえる。偉い哲学者と行っても彼らの言う事を鵜呑みにしちゃいけないのだ。

そして、最近はどこにいっても外国人がたくさんいて、まるっきりの異国を味わえないのだが、と続いた上で、今世界で最も「楽しく異国情緒を味わえる場所」は・・・そう、それは

「日本」

です。

The most generally satisfying experience of foreignness—complete
bafflement, but with no sense of rejection—probably comes still from
time spent in Japan. To the foreigner Japan appears as a
Disneyland-like nation in which everyone has a well-defined role to
play, including the foreigner, whose job it is to be foreign.
Everything works to facilitate this role-playing, including a towering
language barrier. The Japanese believe their language to be so
difficult that it counts as something of an impertinence for a
foreigner to speak it. Religion and morality appear to be reassuringly
far from the Christian, Islamic or Judaic norms. Worries that Japan
might Westernise, culturally as well as economically, have been allayed
by the growing influence of China. It is going to get more Asian, not
less.

「日本では、誰もが明快に規定された役割を遂行している。外国人も例外ではなく、その仕事は異質な外国人であること。」(ガイジンタレントさん、みたいな感じですか)

で、

「日本が文化的にも経済的にも西洋化するのを心配する向きもあったが、中国の影響が強まるので大丈夫。むしろよりアジア化するでしょう。」

おー、さすがEconomist。よくわかってるじゃん、って感じですね。

この「異国情緒を楽しく味わえる地上の最後の楽園」が日本っていうことは、逆を返せばつまり、「日本以外」の多くの国が同質化して相互異国情緒を失っていく中、日本だけがディズニーランド的「外国」の地位を保っていると、そういうことですね。ガラパゴスともいいますが。

残りも面白いので、この手の話題にご興味ああればぜひ。

The Others

(・・関係ないですが、The Othersというタイトルの映画が昔ありましたね。ニコール・キッドマン主演。)。

異質な外国人であることが普通な世界になってきたこと」への5件のフィードバック

  1. Economistの記事はなるほど、と思いました。自分にも思い当たる節が沢山ある。
    でも、海外にいったら、その土地の悪口を言うな、っていうのは、どうかなー。言わないほうが無難っていうのは、分かるけど、選挙権の仕組みでも何でも、そういう風に人々が移動しているっていうことを前提に作り変えていかないと、おかしいのでは、って私は思うから。
    あと、日本が外国風情を一番味わえるっていうのは、どういうことなんだろう?電車が予想どおりに動くとか、そういう生活基盤はしっかりしていて、でもなんかエキゾチックなところとか残っていて、丁度いいのかな?これも白人で無い人が書いたら、また違ったかも。

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  2. なるほどー、面白いですね。
    日本に関しては、「Japanese Game Show」の番組にしても、息子が見ているG4で見てても、「欧米から見て、気楽にいぢっても怒られない安全パイで、かつ欧米じゃないから彼らからは異国情緒もある」っていう、「いぢられ芸人」みたいな感じにますますなっているような気がします。例に挙がってる「外国人が浮かない場所」ってみんな欧米で、逆にホントだったらイスラム圏ならよっぽど外国人には厳しいところがあるけど、彼らをいぢるのは微妙だし・・・
    かつ、読者の間で行ったことのある人がそれなりの数存在するところじゃないと、このジョークは面白くないですから、逆にいえば、economistの読者ならかなりの人が経験あって「そーそー」なんて思える訳ですよね。ソマリアじゃそうは行かないし。

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  3. chikaです。
    The most *generally satisfying* experience of foreignness—complete bafflement, but *with no sense of rejection*
    の**のところがポイントかと。ソマリアとかは「異国情緒」じゃなくて、もっとネガティブ体験が多くなっちゃうんじゃないでしょうか。インドに行ったときにそう思いました。とても異質なんだけどsatisfyingではなく、楽しめなかったので。。。

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  4. 個人的には、どこの国に行っても、いまだに異国情緒はシッカリと感じています。
    ただ、マックとかスタバとか、今はどこの国に行ってもあるし、目立つんですよね・・w
    分かりやすいし便利なのですが、興醒めの主な原因の1つになっている気がします。

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