アバターとサンフランシスコのプラネタリウム

先週末、アバターを3Dで見ました。いやー、新しい時代の夜明けですなぁ。今まで、3Dってギミックだったのが、ついに本当に入り込める(immersiveな)3Dができたという感じ。

まぁそんなにじっくり3Dをフォローしてきたわけじゃないんですが、アバター以前に最後に見た3DはAngelina Jolieが出てた2007年公開のBeowulf。その時までの3Dって、注視点が定められない、というのが私の不満でございました。つまり、普通映画っていうのは、監督が見て欲しいところにフォーカスが合っていて、それ以外はかなり思い切りボケてるじゃないですか。なので、何も考えなくても、自然に「見るべき点」に目が行く。

だけど、3Dだと、見なくてもい背景とかもくっきりフォーカスが合っていて、ADD気味の私としてはいろんなところに注意が散漫に飛んでしまい、全くストーリーに入り込めないのであった。

あと、わざとらしく観客に向かって突き出される剣とかも

「どうだ、3Dだぞっ!」

という感じでいやだった。むかーし、初めてDisneylandでMichael JacksonのCaptain EOを見たときは、おおっ、と感動したのだが・・・。(余談ながら、Captain EO、来年の2月にDisneylandに戻ってくるらしい。CoppolaとGeorge Lucasの共同制作、という豪華作品なので、見たことない人はどうぞ。)

しかし、Avatarでは、フォーカス・意味のない突き出しのどちらも改善され、3Dが、単なるギミックから、作品世界を体感するためのものへと進化したですよ。

ストーリーも好き。・・・というのも、私はハリウッド娯楽大作、っていう感じの映画が好きなので。逆に、「インテリジェントな人が、インテリジェントな人のために作った、人生の暗さ・やるせなさを淡々と語る映画。もちろんアンハッピーエンディング。」みたいなのが苦手。なんで金払ってまで、悲しく・苦しい思いを地味に体験しなければならないのか、と。(Happily Ever Afterは、見てしまった自分に怒りを感じた。)

その点アバターは、「いやー、こんなに人間はっきり良い人と悪い人にわかれないし」と思いつつも、ちゃんと楽しめる。無駄なストーリーは殆どなく、すべてが後に起こることの伏線となっていて、見てて

「ああ、これがあるってことは、後でこうなるのね」

とわかってしまうところもある。要は「お約束」なストーリー展開なのだが、よくできた「お約束」だから許す。そして、「お約束」ゆえの安心感もある。

・・・・というか、その3D・CGの威力で、映画という媒体のあり方を塗り替える映画ゆえ、ストーリーまで複雑すぎると、見る人が混乱しちゃうんじゃないだろうか。sensory overloadですな。

細かいツッコミとしては、せっかく宇宙人の体まで作って宇宙人の社会に溶け込むのに、なんでTシャツにカーゴパンツ履いてるの?(じゃないと、原住民と見分けつかない、という理由はわかるのだが)。しかもそのTシャツ、Stanfordって書いてあるのは「反抗的で人道的っていうイメージ」を醸しだすため?それとも、単に着てるSigourney WeaverがStanford卒だから?<以下ちょっとネタバレ>主人公のJakeに一生を捧げてあっさり捨てられるドラゴンが気の毒じゃないか、とか。<ネタバレ終わり>

といろいろあるが、とにかく見るあるよろし。ストーリーなど関係なく、3DとCGを見るだけでも価値あります(必ず3Dで見てください。できればIMAXがよろしいと思います。)

見たあとで、メーキング裏話など見ると、さらに時代の変わり目を体感できるかと。(ケーブルチャネルのHBOで30分物が流れてた。)リアルには全く出てこない、モーションキャプチャーだけの女優さんまで、何ヶ月もマーシャルアーツのトレーニングをし、俳優を皆ハワイに連れて行って原生林を歩かせて勘を養わせた、みたいな、金に糸目をつけない映画作りがわかります。エンターテイメントってすごいなぁ。

+++

と、アバターの話が長くなってしまったが、サンフランシスコのプラネタリウム。アバターが映画媒体の新しい夜明けなら、こちらはプラネタリウムの夜明け(・・・って単なるプラネタリウムのプログラムみたいですが)。

それは、California Academy of Sciencesの中にあるMorrison Planetarium。

Academy of Sciencesは自然科学の歴史を展示する博物館として世界でもトップ10に入るもので、全面改装して2008年に再オープンした。

で、その中にあるMorrison Planetariumは世界最大のデジタルプラネタリウム。今年の夏に行って驚愕しました。子供の頃見たプラネタリウムとは別のものであった。私の見たのは、地球を飛び立ち、銀河系を離れ、宇宙の果てまで行って、また戻ってくる、という展開だったのだが、あまりにビジュアルが鮮明でリアルなので、自分の座席が動いているかの錯覚を覚えたほど。

宇宙について考えると、心がシーンとしてしまうものだが、このプラネタリウムを純粋な子供の頃見たら、宇宙の果てしない虚無を実感して鬱状態になったかもしれない、というくらいすごい。

これも、サンフランシスコに行く機会があったら行くあるよろし。Academy of Sciencesの他の展示もなかなか面白いのだが、このプラネタリウムだけでも行く価値がある。Academy of Sciencesに入ったら、まずプラネタリウムに行って整理券を貰ってから、他の展示物を見ましょうね。

California Academy of Sciencesのサイト

Morrison Planetariumのサイト

(全くの余談:私の考えるジャンル別No.1俳優)

  • 地球外生物と対峙させたらNo1.=Sigourney Weaver(上記プラネタリウムのショーの一つは彼女のナレーションです)
  • 人間外生物を演じさせたらNo.1男優=Kianu Reaves
  • 人間外生物を演じさせたらNo.1女優=Milla Jovovich

アバターとサンフランシスコのプラネタリウム」への6件のフィードバック

  1. アバター見ました!(in 日本ですが)私も感銘受けました。新しい時代の幕開けを感じました。ストーリーは、単純明快、古典的な感じですが、あんな気持ち悪い青い巨大星人に感情移入できるんだから、演出がすごいのだと思います。これから3D映画があたりまえになるんでしょうね。この映画に加えて、来月アップルから、iPhoneを大きくしたような小型コンピュータが発売されるらしいと聞き、いよいよ出版・印刷の世界も本格的に激変するのか(私の予測ですが)、もう今までの時代は終わりか…と。あ、Sigourney Weaverがとっても良かったです。

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  2. 僕もアバター、大阪のIMAXで見てきました。素晴らしい出来栄えだった。で、関連する技術についてブログにまとめてみました。
    http://d.hatena.ne.jp/NaokiChiba/20091226/1261841365
    3D映画が当たり前になると楽しいなぁ。シガニー・ウィーバーが先日、日本にもプロモーションに来ていましたが、もう60才なんですね。元祖強い女性を演じる女優さんですが、あまり良く知らない人は、エイリアンを見てからアバターを見ると、良いかも。

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  3. Texasにてアバターを見た後、テキサンの観客の一人がポツリ「アラモの砦みたい」と。。。少人数が大人数に向かっていくところ、陣地を守ろうとしている所は似ていますが、そういう発想は全く私には出てこなかったので見る人それぞれ感想は違うんですねえ。

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  4. アバターを見たくなりましたので、3D上映している映画館を探していってきます。
    ところで、California Academy of Sciencesのプラネタリムそんなによかったですか?
    私は微妙でした。。。あそこはオープンしてから3度ほど時間つぶしにいってきましたが、上から見れる水槽や植物園(中に鳥とか蝶が放し飼いになっている)の方がすごいと思いましたね。
    日本の最新のプラネタリウムの方が綺麗で構成もよいところが多いですので、ぜひ日本のにもいってみてくださいませ。
    メガスターとかすごいですよ。

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  5. AVATARメーキング裏話の一つとして、ITシステムの話があったので、まとめてみました。34ラックで40,000CPU、3PB(ペタバイト)もの超巨大システムだそうです。映画一本のためにスパコンを開発したようなものでしょうか。まさに時代の変わり目を感じさせます。さすがアメリカ、さすがハリウッド…
    http://d.hatena.ne.jp/w_katsura/20100109/p1

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  6. 昨日見てきました。 CESで「メガネ3DTV」怒涛の陳列会を見た後、”メガネ”が受け入れられるかが大きな疑問でしたが、これだけの自然な没入感なら、家でメガネをかけてでも見る価値はあると思いました。懐疑的な僕でさえ次に買うTVは3D対応にしようと思ったので、消費者の懸念を払拭する上でも大きな影響のある作品だと思います。 ちなみに3Dのパネルって現行のものを流用できるから、思ったよりもコストアップにならないそうですね。
    インディアンとの争いをモチーフにしているのは明らかですが、僕は「風の谷のナウシカ」と「もののけ姫」を思い出しました。これでもジブリは相変わらず手書きアニメにこだわるのかな。右目用と左目用の絵を手書きで作ったりして。
    余談ですが、作中で「Blue Monkey…」という言葉が出てきますが、そもそもナヴィ人を青くしたのは、黄色、赤、黒、茶色など特定の人種を想起させない色、というオトナの事情だとききました。

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