アメリカ本土から出る飛行機は、アメリカ社会の仕分けフィルターのようだなぁ、といつも思う。
日本に行く飛行機はもちろん日本人が多い。飛行場の待合室では日本語で語り合うビジネスマン風のおじさま方。飛行機に乗った瞬間に、アナウンスも日本語が入る。サンフランシスコに居ながらにして、既に雰囲気は日本化。機内食も和食があったりするし。
香港に行く飛行機はもちろん中国人が多い。
ドイツに行く飛行機はドイツ人が一杯いる。ドイツ人は体がでかい。フランクフルト経由で他のヨーロッパ都市に行くヨーロッパ系の人たちも沢山いる。
カリブに行く飛行機には、もちろんカリブ的な人がたくさんいる。南の島の人たちで驚くのは、常夏なのにブーツを履いている人を時々見かけること。暑いからと言ってブーツを履かなかったら、ブーツを履く時がないのはわかるのだが、暑いと思うんですが。
ハワイに行く飛行機は、バケーションに行く本土の人たちの中に、ハワイのローカルっぽい人が散見される。男性はアロハシャツ、若い女性や女の子は前髪のないワンレンの長い黒髪、というのが定型パターン。(ハワイの人はブーツは履かない。)
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アメリカ本土の社会に普段は紛れ込んでいる人たちが、こうして飛行機という「ふるい」にかかると、出身地ごとの強いカルチャーを見せるグループに分かれる。
「ふるさとの訛りなつかし停車場の人込みの中にそを聞きに行く」
という石川啄木の短歌があるが、あの歌では、上野駅という場所が、いろいろな出身地からの人々が集まる東京において、強く故郷との繋がりを体現する場所なわけですが、アメリカの場合はそれが空港なんですね。
(ちなみに、ビジネス客が多い国内線の待ち合い・機内は殺伐としてます。はい。特に疲れて家に帰る出張者ばかりの夜の便は本当に雰囲気悪い。みんな、あり得ない巨大なキャリーオンバッグをがらがらと持ち込み、オーバーヘッドビンに入りきらなくて中々離陸できなかったり。大阪ー東京の新幹線の最終の徒労感に殺気を加えた感じでしょうか。やれやれ。)
この間のLAX-SJC(SFOでしたっけ?)の乗客仕分けの話といい、納得感ありまくりです。それぞれの行き先の特徴・世界に自分自身の境遇が合致しているときには「そを聞く」ではないですが、すでに機内に入ったときから高揚感ありますね。
仕事で台北に何が何でもすぐに東京から行かなくてはいけなかったとき、見つけた飛行機が沖縄経由でした。今話題のナショナルキャリアで、乗客の中でスーツ姿は私だけ。キャビンアテンダントもリゾートな服。座席番号に基づく抽選で、私にピンク色のビーチサンダルが当たりました。台北のホテルの部屋で履いて盛り上がってました。今も自宅の庭に出るところにおいてあります。
大阪-東京の最終の新幹線の汗とおっさんの匂いと、新大阪-京都の15分の間に数多く聞こえてくる「プシュ」というビール缶を開ける音。これもまた風情では。(いりませんが)。
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千賀さんのおっしゃっていること、よく分かります!数年前の夏、真夜中にロスを出て、台湾に向かう飛行機に乗ったら、待合室が、東南アジアおよび南アジア系であふれていて、「あれ?」って思っていたら、その飛行機は台湾に寄った後、マレーシアに行くとのことでした。
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おもしろいです!かつての停車場、今空港なんですね。
そういえば、シャルルドゴールで見かけたひときわ背の高い人達の列は、オランダ行きの便でした。
成田じゃあんまりフィルターって感じがしないけど、これから海外へ出かける人達の話す方言は、慌ただしい東京駅よりもむしろよく聞こえる気がします。
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ブログの内容とは関係ない話ですが、
千賀さんは超一流の大学院を出ていますが、大学院レベルだとトップ校に入るほうが成功しやすいのでしょうか?
(お金を稼ぐという意味で)
私は来年大学院を考えて願書を出して条件付き合格を頂いているのですが、超一流校ではないのです。
単純な話、これから自分の手で生活していくことを考えると、もう少し頑張って超一流校に入り、コネクションを築きたいと考えてます。
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chikaです
>ピンク色のビーチサンダル
かなりつぼです。情景が目に浮かびます。w
>「あれ?」って思って
わかります・・・。
>ひときわ背の高い人達の列
オランダ人でかいっすよね。
>ブログの内容とは関係ない話
〜できれば、関係あるエントリーのところにコメントして聞いてください。。。「頑張って超一流校に入」れるのなら、それに超したことはないと思います。でも入れなかったら一年無駄になったりします。はい。
http://www.gsb.stanford.edu/cmc/reports/
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本土の東海岸や非ハブ空港からハワイに向かう時は、LAX, SFO, DEN, DFWあたりで乗り換えることが多いですが、一気にロコな空気が濃くなりますね。その中に乗り継ぎ前のフライトから「あの人もハワイだな」と思ってた人がやっぱり混じってて、まさしくフィルタされてる感じです。
ところで、大きなカンファレンスやコンベンションの前日にそこに向かう飛行機でも、乗り換えると「同業者密度」が上がるのを感じませんか?
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日本の景気低迷で、経費削減⇔出張自粛(または禁止)で空港へ足を運ぶ機会すら喪失しているこんにち
風を切る肩で世間を感じることもままならぬ・・・
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chikaです。
shiro-sanどうも
>「あの人もハワイだな」
私もわかります、それ。w
>大きなカンファレンスやコンベンションの前日にそこに向かう飛行機
あー、あれはもはや会の一部ですね。機内であちこちで立ち話してて。うちの旦那は、その手の飛行機で、ついた空港で誰かにラゲッジを間違えて持っていかれてしまったのですが、連絡をとったら同じ会社の人だったという。笑
>空港へ足を運ぶ機会
出張規制する代わりにビデオコンファレンスをガンガン進める、なんていうシスコのような会社もありまするが・・・・
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