日本で車がクラクションを鳴らしたら、「どけ」「じゃまだ」という感じではありませぬか。軽く叩いて「ポヮン」という感じに鳴らして「ありがとう」という使い方もできるが、あれ、車によっては上手くできずに「ぶー」ッと鳴ってしまい、そうすると、相手を非難しているようで気まずい。
しかし。アメリカでは、「応援の意を表すためのクラクション」というのがあるのであった。何か主張がある人たちが、その主張をプラカードに書いて、交差点付近に立つ。その前を通りかかるときに、車に乗っている人がその主張に賛成する場合はクラクションを鳴らす。
「ポヮン」じゃなく「ビッビー」とか「ブーーーー」とか、盛大に鳴らしてよろしい。
最初たくさんの車がクラクションを鳴らしまくってるのを聞いた時は、
「公道で何をしておるのか。邪魔だ!」
とプラカードの人たちを避難してるかと思ったのだが、全然そうではなかった。
プラカードには「Honk for XXXX」と書いてあることも多い。「XXXXに賛同するならクラクションを鳴らせ」という意味です。
さて、で、本日は大統領選なのだが、この大統領選の時には、いろいろな法案の住民投票も同時に行われる。で、今回カリフォルニアの最大の争点は「Proposition 8」。「ゲイの結婚を認めない」という法案でございます。
二週間ほど前の週末、Stevens Creekという道を走っていたら、大量のアジア人が「Yes on Proposition 8(ゲイの結婚を認めないのに賛成)」と書いたTシャツを着てプラカードを掲げている。走れども走れどもこの人たちがいる。しかもあまりに大量にいるので、道がやや渋滞気味、中々この人たちの波から離れられない。結局2キロ近くのろのろとこの人たちの脇を走る羽目になった。
後でニュースを見たら、近隣の複数の教会がPropposition 8をバックアップするための合同集会を催したらしく、1000人はいたそうです。
ちなみに、私Proposition 8には反対。仲良く子育てをしている温和なゲイのカップルのお友達もいて、そういう彼らが望むなら是非正式に結婚してもらいたい。
で、私がゲイだったら、1000人もの人たちがニコニコ、和気藹々とパレードをして自分の結婚を否定するのを見て、どんなに悲しい気持ちになるだろう、と、非常に悲しかったですよ。それに、ゲイの人たちの関係は「間違って」いて、自分たちの結婚は「正しい」とするとは思い上がってはいないか。
基本的に、自分と異なる意見を持つ人に関しては、なるべく「どうしてそう思うのか」と相手の立場で考えるようにしている。別に私がいい人だからではなく、そういう風に考えると思いがけない発見がいろいろあって面白いから。興味本位ですな。
だが、このproposition 8に関しては、どうしても相手の立場に立てない。「保守的な価値観」という気持ちはわからんでも無いのだが、やっぱり反対。
で、その1000人の人たちの波を見ながら、「うーん、君たちに反対だ!という意思表示はどうやってすればいいのか」と悩んでしまった。きっと回りを車で走っている人の中にゲイの人たちもいるはずで、そういう人の気持ちを考えたら何とかして「Proposition 8に反対!」という意思表示がしたかったんですが、クラクション鳴らしちゃったら賛成になってしまう。。。うーむ。仕方ないので、車の中で密かに中指を立ててやりましたわい。
で、その後、やっとNo on Proposition 8、「Proposion 8に反対」の人たちの前を通りかかったので、ぴっぴ、とクラクションを鳴らしてきました、というのが冒頭の写真。クラクションを鳴らすと、立っている人たちは「イェー」とか言って喜んでくれます。
ちなみに、全く余談だが、英語では「クラクション」はhorn、「クラクションを鳴らす」はhonk the hornと言います。「クラクション」は、警笛メーカーの名前なのであった。前にアメリカで通じないカタカナ英語で書いたが、日本でステープラーをホチキスと呼び、アメリカでプラスのドライバーをフィリップスと呼ぶのと同じようなものでございます。
イタリアの南ですれ違いざまに友達を見つけるとパッパーとやってるのをよく見ました。やたらめったらクラクションがなるので、どんだけアグレッシブなのだイタリア人は、と恐れていたのですが。中にはクラクションを鳴らし、わざわざ車を止め、キコキコと窓を開け、挨拶を交わしてから発進。という車も見かけました。彼らの場合は迷惑サインと挨拶をどう見分けるのでしょうかね。
私もproposition8には反対です。
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私も今年はまだ投票できないんですけど、 No on Proposition on 8 です!Yes on 8 の人を見ると私も寂しくなります。勿論意見を言うのは自由なんですけど、 Yes on 8 を見ると hater って言葉しか思いつかなくて。。。知り合いが Yes on 8 の人で本当に寂しいです。
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うちの近所にもいました、Yes on prop 8な人たち。親指を下げてブーイングしてきましたが、残念なことにどうもYes側が優勢なようですね。。。
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可決されてしまいましたね。
このバスは白人しか乗せません!の次は、結婚は異性愛者間のものです!と。
あんだけゲイの人がたくさんテレビに出てて、CAだと身の回りに居る(カミングアウトしてる)ことも多いのに。
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chikaです。
「シリコンバレー在住日本人Twitterの間では衝撃の可決」なんですが、そのことをダンナに言ったら
「日本人ってゲイ問題にはものすごく保守的だと思ってたよ。そうじゃないの?」
と。
いや、それは日本にいる日本人であって、そういうところをわざわざ出てきた人だけがいるのがベイエリアなのであって、と説明しておきました。
これはもうとことん裁判で争って欲しいですな。
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ドメスティックパートナーは積極的に応援するけれど、宗教上の結婚は別。というかなんでみんなこう宗教絡めて問題を複雑にするんだろう?ゲイのクリスチャンなんてありえんだろうに。
個人的には温和で知的なゲイのひとたちが好きです。
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chikaです。
結婚=宗教上の結婚、となってしまっているのがアメリカの問題だな、と思っとりました。
ゲイのクリスチャン
いますよ。教派によってproposition8に賛成するところもある。ゲイの聖職者もいます。http://en.wikipedia.org/wiki/Gay_bishops
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日本人って歴史的にゲイ問題にはものすごく寛容だと思ってたよ。今は違うのかな?
図書館のBL(同性愛で、だぶん18禁)小説で揉めているが、アメリカではどうなのでしょう。
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こういうのもあります。
日本政府に対し「二次元キャラとの結婚を法的に認めて下さい」という署名活動実施中
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20081028_nijigen/
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>日本人ってゲイ問題にはものすごく保守的だと思ってたよ。
例えば信長と森蘭丸みたいな話(史実かどうかは知りませんけど)が、特に嫌悪感を持たれたりタブー視されてないんですから、本質的には西欧社会より寛容だと思います。
ただそういう関係を、社会制度には持ち込まない、というコンセンサスみたいなものがあるようで、同性婚がどうのという議論には最初からならない。そこがアメリカ人には「保守的」に見えるんでしょう。
「異性婚」ならぬ「異姓婚」の話ですら前に進まないんですから、「ウルトラ保守」だと見られても、まぁ仕方ないかなぁ。
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chikaです。
>本質的には西欧社会より寛容
うーん、どうかなぁ・・・。日本の会社で誰かが「僕、実はゲイです」と言ったらどんな反応が起こるかしらん?もしくは、隣の家がゲイのカップルだったら、とか。
ちなみに、私の近所のレズビアンのカップルの人たちは
「No on Proposition 8」
という旗を家の前に立てていて、その隣の家が
「McCain and Palin」
の旗を立てていて、うーむ、中々見ものである、と思って見ていたのでした。結果は「喧嘩両成敗」みたいな感じですが。
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