Economistの今週の特集はSovereign-wealth Fund。国家が、国家財政からお金を持ち出して運営するファンドであります。
サブプライム危機で苦しむアメリカのCitigroupとMerrill Lynchに、クウェート、シンガポール、韓国のSovereign Fundが総計210億ドル(2兆円以上)を出資して話題に。
で、表紙は、敵国の軍用機が札束をばらまきにきた、というイラスト。
こちらの記事では、プライベートエクイティ、ヘッジファンドよりも多額で、総額2兆9千億ドルある、と。IMFのチーフエコノミストは、2012年には10兆ドル規模になると予測しているそうな。
そうか、そんなにあるのか。(といっても、年金とか保険に比べるとまだまだ小さいですが。詳細はこの記事の真ん中あたりのグラフ参照。)
最大のファンドは、UAEの$850 billionだが、なぜかアラスカ$38 billionというのもある。アラスカ、国家じゃないが、鉱物資源が豊富なのでお金持ち。カリフォルニアも、いつかアラスカに買ってもらうといいのではないか。
ちなみに、Economistは、辛辣な揶揄が得意なのだが、この特集でもそのウィットを多いに発揮。
Already, Nicolas Sarkozy, the French president, has promised to protect
innocent French managers from the “extremely aggressive” sovereign
funds (even though none has shown much interest in his country).
フランスのSarkozy大統領が、「非常に攻撃的」なsovereign fundから純真なフランスを守る、と言ったという記述の後に、カッコ書きで「でも、フランスに興味を示しているsovereign fundなどないのに」と。さらに
So far there is no evidence of such “mischievous” behaviour, as the
German government calls it (curiously, from another country yet to
attract the sovereign-wealth crowd).
こちらはドイツ政府。やはりカッコ書きで「興味深いことに、これまたsovereign fundが関心を持たない国がガタガタ言ってる」と。
前Economistのコトを書いたとき、「日本についての記事が、日本を馬鹿にした表現があるので嫌」とコメントした人がいたように思うのですが、Economistは、出版元のイギリスを含め、全ての国をもちょっぴり小馬鹿にした表現で満載。イギリス人って、実は関西人の変形バージョンかも。つねに苦笑を呼び起こしたくてうずうずしているのではないかと思われ。
さてさて、Economistの論説は、「Sovereign
Fundは不透明。政治や国際競争力強化などの目的で、金融やビジネスが左右される懸念もある。しかし最大の問題は、投資を受ける側の国(アメリカとか)が、
Sovereign
Fundの脅威を必要以上に誇張して、保護主義になること」。あくまで基本はオープン、と。さすが資本主義の権化 、Economistです。こういうの好きです。はい。
これって、経済版「機械仕掛けのオレンジ」ですね。
いいねいいね
フムフム・・・
そういえばアラスカに住んだことのある友人が
「アラスカで、ある一定以上の期間住むとお金がもらえる。しかも一人ずつなのでアラスカで子だくさんになるとけっこういいお金になる」
といったような話を聞いたことがあります。
いいねいいね