「いまさら学校なんて」
と思う起業家、および起業家予備軍の皆さんは日本にたくさんいると思います。しかしながら、もし「シリコンバレーで起業したい」のであれば、まずはシリコンバレーのインサイダー的なスタンフォードやUCバークレーでMBAを取るというのは、急がば回れ的近道ではないか、という話。
なぜ、シリコンバレーで起業したい人にとってMBAに意味があるかというと:
1.準備期間がある
2.直接役立つことが学べる
3.学校にいる間に投資家にも会える
4.ビザが取りやすい
1.準備期間がある
留学している間の1-2年の間にビジネスプランをブラッシュアップしたり、いろいろな投資家にあったり、パートナーとしてやってくれそうな人と話したり、ということができる。
また、学校であれば、「日本から来たばかりの日本人」に興味のない人にも出会え、アメリカという社会がどう回っているか、短期間によりわかることができる。
(もちろん、MBAに行った位で社会の全体像がわかるわけではありません。外国というのは難しいものなのだ。しかし、それ以外の方法で来るよりわかりやすい、という意味で。スタディグループとかで、外国人に興味がない人とも組まされたりするし。)
人脈ができる、というのも「準備期間」に入るかな。長くいれば、別にMBAを取ろうが取るまいが人脈はできるが、短期間でまとめてできる、ということで。
2.直接役立つことが学べる
日本の学校教育が、ストローでアイスティーを飲むような淡々としたものだとすれば、アメリカのトップビジネススクールの教育はバケツでテキーラをがぶ飲みするようなもの。スピードも中身も強烈。そこで学んだことを好きか嫌いかは別として、とにかくものすごい量を流し込んでくれる。楽しいです。
シリコンバレーの只中のスタンフォードでは、特に起業に役立つ具体的なことを教えてくれる。たとえば、「ベンチャー資本政策」「エンジェルインベスターの探し方」「ベンチャーキャピタルとのネゴの仕方」「社員をクビするときの注意」「倒産が決まった日に取るべき行動」てな具合です。
3.学校にいる間に投資家にも会える
割とメジャーどころのベンチャーキャピタリストや、有名な起業家(アンディーグローブとか)が、1学期フルで授業をしているクラスもある。また、そうでなくても、ゲストスピーカーとして話に来る人たちもたくさんいる。あまりにたくさん来るので疲れてしまうくらい。
「毎週2回綺羅星のようなゲストスピーカーがやってきて授業、さらにその後、希望者はゲストスピーカーとランチができる」というクラスもあったが、なにぶんにも毎週のことで、しかも他の授業やイベントももりだくさんなので生徒は疲弊。ランチに行きたい生徒はほんの一握り。Heidi Roizenの時なんて「ゼロ」でした・・・・。(彼女は、当時から有名だったのですが。)やる気さえあれば、リラックスしたランチの場でアイデアを売り込む、なんてことも毎週、毎週できるわけです。
4.ビザが取りやすい
大学にいる間、合法的にアメリカにいることができるので、その間にいろいろとトライアルできる。(給料さえもらわなければ、投資家めぐりをしようが、ビジネスプランを仲間と練ろうがOK。)また、卒業後1年間お試しビザがでる。また、それ以外のビザを取るのでも、アメリカの大学院を出ていると取りやすいこともある。
これは、意外に重要なポイントだったりする。
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さて、とはいうものの、30過ぎの人の場合、また2年も学校に戻るのは厳しいかもしれない。しかし、とりあえず学校に通いながら起業プランを練り、そちらが盛り上がってきたら休学なり退学なりしてさっさと学校を去るという手もある。(そういう人は毎年発生する。)
また、スタンフォードには、10ヶ月でMBAが取れるexecutive courseのSloan Schoolもあります。Sloanのサイトには、「mid-careerのexecutive、56人限定」と書いてありますが、ここでいうmid-careerは30代のこと。私の知る限り、30そこそこで入った人もいる。
「起業→何らかのexit(会社を売るとか)→Stanford Sloan」
という人も複数会ったことがあります。アメリカ人の場合は、「とりあえず先々の人生を考えるために1年お休み」ということでビジネススクールに行くことも多いが、外国人だと、「アメリカで新たに起業するためのステップとして」ビジネススクールが活用できる。
Sloan School、もともとは、「企業派遣の中堅管理職」のためのコースで、会社がスポンサーでないとダメ、というものだったのだが、最近は起業家からのニーズが多いので、「スポンサーなしでもOK」ということになったらしい。最近Sloanを卒業した人いわく、10数人がそういう起業家系だった、とのこと。
そういう人の一人、ChristofはドイツでERPの会社を起業、それを売却した後2004年にSloanに留学、そのままシリコンバレーに残ってdb4objectsという会社を起業、現在も同社のPresident兼CEO。Sloanにいる間に、open sourceを活用した事業のビジネスモデルを研究、それを生かして起業、著名VCであるところのVinod Khoslaからも投資を受けています。
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もちろん、「アメリカで起業するにはビジネススクールにいかなければならない」なんてことは言いません。三者三様、十人十色。やり方は何でもあり。だし、そもそも、シリコンバレーで起業したい、ということ自体変人的希望。
ですが、もしシリコンバレーで起業して成功させたい、というのであれば、そのための
「割と確度の高い抜け道」
としてご紹介したまでのことですのであしからず。
特に、「日本で既にあれこれ事業をやってきた」、という人の場合、「米系一流コンサルティング会社・投資銀行で働いてました」という、「その他大勢・十把一絡の一般人」よりずっとビジネススクールに入りやすいので、人生に1-2年の余裕がある人はご検討下さい。
東京でEarly StageのStartupを経営している者です。26歳です。
漠然と20代のうちに(1)シリコンバレーの超優秀なエンジニアたち、(2)中国都心部の新市場、には、いろいろな意味で挑戦せねば!と考えていた矢先に、とっても良い情報でした!大感謝です。
2009年12月31日までに、魅力的なビジネスアイデアを携えて、chicaさんを尋ねることを約束させていただきます。大変勝手ながら、頭の片隅にでも、この変なコメントを留め置いていただければ幸いです。
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はーい、頑張ってください~
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はじめまして。現在、Stanford Sloanに通うものです。現状、日本人Sloanは5人いますが、私費は小生のみ。但し、クラス全体55人の内、私費は約半分の28人です。もちろん、指摘のあるとおり、起業関連の授業が充実しているので卒業後に起業を考えている人が殆どです。既に企業経験の人間も多く、ワクワクな毎日です。ブログ書いているので暇な際に訪れてください。http://kazu1123.blog106.fc2.com/
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