先週、スタンフォードビジネススクールであった半日コンファレンス、Future of Entertainment。そのプログラムの一つ、User Generated Contentsパネルディスカッションの中身メモです。ポイントのサマリーは
「ニッチコンテンツは無限にニーズがあるが、コンテンツをまとめるサイト(Diggとか、その手のもの)はもはや混み混みゆえ、今から入るのは厳しい」
「ユーザージェネレーテッドコンテンツへの広告は工夫が必要」
といったところ。瞠目することは特にありませんでしたが、一応今をときめく(?)Web2.0系ベンチャートップのパネリストが集まって話した上で、「特に瞠目することは無い」というのが「学び」かと。(何かが「ない」ということを理解するのはかなり難しいことでございます。)
冒頭の写真のリンク先には、パネルのどれが誰かのNoteが入ってますが、左から、
Wikia CEO, Gil Penchina
Pandora CTO, Tom Conrad
Campbell-Ewald Executive VP, Ed Dilworth (広告代理店)
Metacafe VP of marketing, Allyson Campa
Digg/Revision3 CEO, Jay Adelson
StumbleUpon CEO, Ariel Poler(モデレータ)
UGCの種類
- ユーザージェネレーテッドコンテンツ(UGC)といっても、コミュニティ系のMySpace、コンテンツそのものが価値を産むWikiaのようなものといろいろある
- ユーザにフィーを払うもの、社内に相当数の「編集者」を置くもの、といろいろ。Metacafeでは、トップレベルのコンテンツ提供者だけにフィーを払っている
エグジット
- いずれも、エグジットとしては、大手メディアに買収してもらう、というのがあるが、大手メディアはいずれも大規模なので、数ミリオン、数十ミリオンドル規模の小さなビジネスに見向いてもらうのは難しい
- Austin Venturesでは、小規模コンテンツ事業を多数買収するロールアップファンドを設けたが、こういうのも一つの手
参考:Austin Ventures Funds Info Services Rollup Firm; Funding $50 Million
DeMarseCo
広告
- ニッチコンテンツの広告媒体価値(CPM)は高い。ターゲットされたオーディエンスにリーチするのだから当たり前だが。
- 単なるバナー広告、文字リンク広告への広告主の関心は薄い。しかし、普通とは違う一点ものの「企画広告」には、広告主は高い関心を寄せる
- 購買行動の従来型モデルはもはや意味なし。(従来型モデル=Attention → Interest → Desire → Memory → Action) 口コミと、インターネット検索での商品情報収集時に、効果的に食い込むのが大事。その意味でUGCへの関心は高い
- とはいうものの、広告代理店・広告出稿者から見ると、UGCは内容のコントロールが効かず、扱いが難しい。実際、出稿側企業の50%位がまだUGCは怖い、と考えている。しかし、残り50%は、積極的にUGCを取り入れた広告活動を希望している、というのが現時点の業界イメージ
- インターネットコンテンツゆえ、世界中に配信されてしまうが、世界から広告を取ってくるのは難しい。見る人の地理的な場所によって、最も効果的に高価な広告料が取れる広告配信ができたら夢のよう。これをするには、技術に加え、世界中で広告をとってくる営業体制がいる。このバックエンド技術を開発してるインドの会社があるらしい
- UGCのアグリゲーションサイト事業では、自社内に広告営業の直販部隊を持つことが大事。Pandoraでは、広告は全て直販のみ。これにより、広告価格をコントロール可能。
- 広告営業は、個人の能力でものすごく差が付く。トップのセールスマンは、他の人とヒトケタ、時によってはフタケタ違うCPMで広告を売ってくる。これ大事。
- ビジネスと本来関係ない理由でCPMが変わる。増資のニュースが出ただけでCPMが二倍になったり。ページビューを正しくトラッキングするサイトが無いのはちょっと問題。Alexaとかいい加減だし
- 一時期、CPAに過剰に走った時期もあったが、最近CPMも見直されている
オタクがUGCを作る
- クレージーなコントリビュータが一人いれば、圧倒的なUGCアグリゲーションサイトを作り出すことが可能。CraigslistのCraigが好例。それでも、本当に人気が出るには何年もかかるが
- 世界には、とんでもなくニッチな「何か」に、とんでもない情熱を燃やす人たちが必ずいる。その「何か」を突き止め、情熱を持った「誰か」にその情熱をほとばしらせてもらう場を作るのが大事。Wikiaでは、なぜか2型糖尿病の膨大なコンテンツがある。
(渡辺注:最近アメリカで生まれた子供の二人に一人が糖尿病になる、と予測されるアメリカでは別に不思議じゃないと思いますが) - インターネットラジオ局のPandoraでは、毎月15000曲の音楽が集まってくる。社内に50人のミュージシャンがおり、彼らが全ての曲を400種類の項目で
分析。ボーカルだけでも35の属性で分析。(ここで、他のパネリストが「大変ですのぉ」という感じでふふふと笑っていた。Pandoraは、ユーザーより運営者自身がオタクっぽい)
携帯UGCはまだまだ未踏
- Metacafeでは、携帯の小さい画面でも面白いコンテンツを別立てで考えている(、がまだまだこれから、という感じ。でした)
- Campbell-Edwardがこれまでに扱った携帯広告で、唯一当たったのは、「海軍兵役促進広告」。兵役について興味を持つ人が海軍基地に来たところで、その人の携帯にBluetoothで広告を配信、クリックすると「兵役プロモーションビデオ」が流れる、というもの。広告を見た人の30%がビデオを見た。通常海軍の兵隊を一人リクルートする費用は500ドルだが、この広告を導入したところ300ドルに
(渡辺注:つまり、これ以外全て不発ってことですね。)
ということで、携帯周りは結構未踏の荒野で楽しそう。ちなみに、このパネルと平行して、Interactive Media/Gamesというパネルも行われていて、そちらに出ていた友人いわく
- アメリカの携帯ゲームは瀕死。いいネタはあれこれあったのだが、携帯コンテンツ事業を全く理解しないキャリアのせいで、快適にゲームができる環境が確立できていない
という暗い話であった、とのことです。ちなみに、UGCパネルが行われたのはビジネススクールの教室。通常の授業でも、生徒はこんな感じで座ってます↓
机の前側の端に溝がありますが、ここは、生徒が名札を立てるところ。私が通ってた頃は、横30センチ、縦7-8センチくらいの白い画用紙に名前がプリントアウトされている名札をここに出すことになっていた。学校では、この名札をいつも持ち歩くのがちょっと滑稽なビジネススクール生活でございました。今もそうなのでしょうか。
Web2.0ベンチャーのトップが語るUGCの“今”
ユーザージェネレーテッドコンテンツの今というエントリーより。 瞠目することは特にありませんでしたが、一応今をときめく(?)Web2.0系ベンチャートップのパネリストが集まって話した上で、「特に瞠目することは無い」というのが「学び」かと。(何かが「ない」ということを理解するのはかなり難しいことでございます。)……
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You Tubeのような新興企業のCGMの強みは、攻め続けられるから、チャレンジャー不在の日本?
もしYou Tubeがユーザー共有動画だけでなく、大手コンテンツホルダーとの提携が進み、結果として、著作権コンテンツ、それをユーザーがミックスして改造したコンテンツ、ユーザーオリジナルコンテンツが共存して問題なく見れる理想的な場になったとしたら、You Tubeはますます圧勝するだろう。
このベストなビジョンの実現を最も短期間で成し遂げようとした場合、You Tubeのやり方しかないのでは、と思う。すなわち、コンテンツホルダー側に叩かれるのを承知で、徹底的にユーザー側のポジションに立ってサービ…
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五大湖の近くの学校です。
名札、未だに持ち歩いてます。
ごーぶるー!
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そもそも、UGCをビジネスに結び付けているのが米国的だなと言う感想です。
これは、そう考える事がし辛いのが日本である事の裏返しでもあります。
例外としてmixiがあると思われますが、mixiが幸いだったのは、気がついた時には、出すぎてもはや杭では無くなってしまっていたので、打たれる事も無く、叩き壊される事も無かったと言う事なのだろうと思われます。
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渡辺さま、ガタックです(*^_^*)ここに書き込むのははじめてですが、良く読んでました。
私は、CGMとかUGCとかは、相談されることが多いのですが、進化の方向についていくのが大変です。いつも困ってます。日本の女性向きコミュニティなどは随分関わったりしてましたが(半分くらいまだ健在、生きてるだけか。。。)、今のCGMは「ビジョン&クールな技術ベース」で(特にWEB2.0と言われるのは)、かってのは、オンラインマガジンとコミュニティのシナジーを追求するような「コンテンツベース」視点で作られていたような気がします。本質的なユーザー参加、情報共有や交流を促進するといった視点のCGMと言えるような代物ではなかったのかなと思います。
日本のCGM系会社は皆、B2Cのマガジンやコミュニティは儲からんと言って、企業向きソリューションビジネスの方に走って、日本のB2CのCGM進化にぽっかり穴があいていた所を米国のSNSを上手く日本向きにアレンジしたmixiが来たような感じでした。ミクシーがまだ小さい頃は多くの人はSNSの真の価値を理解できてなかったですね。
ブログも普及し、ミクシーも爆発しだして、そこから風向きが変わり、CGM旋風?な印象です。自己PR、名詞的な感じのSNSを日本的なつながり重視のSNSに作り替えられたミクシーはたいしたもんだなと思います。
ブログやSNSは携帯利用も増えて(つながり重視だから携帯と相性が良いんでしょうね)、大衆に広がってる感じですが、WEB2.0は大衆向きなのかなと思ったりします。はてブとか、凄いユーザー層が偏っている印象です。今後どうなってくんだろう。利用者が2極分化しちゃうのか。20代のPC利用が減ってるとかいうデータも出たり。なんでやろ。
しかし、米国は、何事もとことん徹底的にやってて、情熱は凄いですね。オタクがUGCを作る。。。特に瞠目することは無い。。私もトライアル&エラーで頑張ろ。
米国の口コミマーケティングの最前線とかも今回のような感じで、ダイジェストしてくれると、うれしいっす!リクエストしておきます(*^_^*)
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駄目ですね、この手の話題は行き詰まってます。日本はもっと酷いです・・・だれも明確なビジョンを示しません。ウェブの情報活用は実例がないのでリスクを負ってとらいしないと難しいですね。
費用対効果にアドバンテージが合った時期もそろそろ終わりを迎えそうです。広告効果をYahoo MSNが提携してCPA、CVR以外の広告効果検証しようとしていますが、メディアに携わる人たちがウェブ広告が果たせる役割について見切りをつけてきたのも事実です。コストが上昇し需要のある広告は価格が高騰しています、すごい勢いで・・。
僕は未熟者ですが富士通でWEB戦略のコンサル的な仕事をやっています。知人の紹介(蟻の参考サイトとして※僕はアリの造形マニアなんです・・・。)でここにたどり着きました。
またちょくちょくお邪魔させて貰うかもしれません。oniprojectの井野です。どうぞよろしくお願いします。
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ijyrstnx
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drddzesm
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Facebook(SNS)が展開するオープンなソーシャルネットワーキングの世界
<記事要約> 米国ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)第2位のFa…
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