いい加減でも世の中は回る

最近のエントリーでも書いたが、アメリカでは何事もいい加減だ。注文したものはなくなる。警察や裁判所から間違った通知が来る。郵便はかなり日本並みにちゃんとやってくるのだが、

「これって、よく考えたらすごいことだよね」

と時々日本人同士で話題になる。(うちの周辺の郵便局はやたらと日系人が働いているのだが、もしかして正確なのは彼らのお陰?)

しみじみ感動するのは「こんなにいい加減でも先進国が運営できるんだ」ということ。そして、このいい加減さで社会がちゃんと機能するのは「現場レベルでの個々人の独自の判断」があるから。

例えば、私のエントリーで書いたように、traffic schoolのテストを受けるのに、会場となる店舗のサイト上での営業時間表示が間違っていたため、すんでのところでスピード違反の点が付いてしまうところだった。(詳細は「いつもながらアメリカのいい加減なハナシ3」をご覧ください。)

結局なんとかなったのだが、もし実際に営業時間終了に間に合わなかったとしても、やっぱりなんとかなったんじゃないか、という気がする。traffic schoolに電話して、

「かくかくしかじかで間に合わなかったではないか」

とクレーム。すると、担当者が実際サイトを見て、確かに営業時間表示が間違っていることを見て、

「あら、OK、じゃ後1週間締め切り伸ばすから、その間にテスト受けて」

てなことを言って終わり、みたいな。

もちろん、間違いが間違いを呼び、悪夢のようなトラブルに巻き込まれることも多々あるのだが、ま、通常は戦うと、いつか・どこかで何とかなる。

しかし、この「何とかなる」ためには、マニュアルに頼らず、自分の「常識」に頼って判断する人が現場レベルであちこちに必要になるわけです。(信じられないようなミスが多発するわけで、その全てにマニュアルを作るなんてできっこない。)

クレームしても、にっちもさっちも行かない時は、

「マネージャを出せ。」

ということになるが、これは、権限が高い人だったら「常識的フレキシブルな判断」をできる余地も大きいから。下っ端では融通が利かなくても、マネージャが登場すると「OK、じゃそれで」みたいに解決したりする。

一方、こうやって社会のあちこちで

「その場その場の適当な判断」

が行われることが、ミスを生み出している、ということもある。機械の歯車が勝手に判断して各々勝手に自分の回転数を変えると、全体が狂うわけです。(「オレサマは回るの一回休み」、とか。)

とはいうものの、ミス多発社会は、「世の中はいい加減なもの。ルールは人間が作ったもので完全ではない。」という前提の元に、みんながその場その場で判断して行動する訓練の場になっていることは間違いない。

というわけで、「臨機応変な判断が苦手」という人は、アメリカで1年くらい住んでみては。アパート借りるのも、車を買うのも、電話引くのも、ケーブルテレビの契約をするのも、全部自力でやると、それなりの境地に達すると思います。ただし、その後日本が住み辛くなっても当局は一切関知しません。

(以下、私の過去のブログエントリーから「アメリカいい加減話」関係抜粋。)

アメリカのスーパーでの心得

いつもながらアメリカのいい加減なハナシ

いつもながらアメリカのいい加減なハナシ2

いつもながらアメリカのいい加減なハナシ3

ネゴ

長いものに巻かれない

長いものに巻かれなかった顛末

アメリカのまつがい
謝らない人たち

いい加減でも世の中は回る」への13件のフィードバック

  1. >このいい加減さで社会がちゃんと機能するのは「現場レベルでの個々人の独自の判断」があるから。
    本当にこれは実感します。レジの人でも小銭分が足りないような時でも「No problem.」で済んでしまうし、窓口でもこんな事をOKしてしまって良いのというぐらいの判断をしています。日本ならすぐ上司に聞いて・・・というのが少ないですね。

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  2. うーん、日本にいる身としてはどうしてそのいい加減さと訴訟大国が同居できるのか不思議でなりません。そんなにいい加減だとすぐ訴訟を起こされて大問題になりそうな気がするのだけど。

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  3. A型ですが、アメリカだと慣れるまでにはストレスがかなり溜まりそうですね。
    でも周りからはアメリカ文化を取り入れるとプラスになるよと言われます。
    堅苦しすぎるとアメリカでは住みにくいとかあるんですかねぇ。

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  4. そうそう,アメリカってまさに『ゴネ得』『言ったモン勝ち』ですよね
    いろいろ大変で疲れますけど・・・
    > 「その場その場の適当な判断」
    まさに言いえて妙ですな
    どーしてそんなに適当なのかとw

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  5. 確かに日本に比べると、アメリカはいい加減というか、個人の裁量によるところが多い社会ですね。僕も初めてアメリカで生活したときはそう思いました。でも、上には上(下か?)があるんですよ。イギリスに住んでみてください。アメリカがどんなにきっちりした国か、よくわかりますよ。曲がりなりにも対応してくれますから。

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  6. 修理AirMac Express的遭遇

    Not found. 我比较热衷于看blog。 曾看过一些文章 美国人作事敷衍了事, 但是因为有 以事实为依据,站在个人立场发表言论 , 所以尽管如此,社会仍然正常地发展着。 我想,这种情况和中国很象。 然而,靠拉关系找门路的很多,和美国不一样。 如果不拉关系的话,就会遭到拒绝。 应当坚持原则,不行的事情就是不行。 女性的话又哭又闹的招式可能还有点………

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  7. いい加減でも世の中は回る、と、きっちりしすぎて回らない

    渡辺千佳さんのBLOGタイトル「いい加減でも世の中回る」この中の一節。
    しかし、この「何とかなる」ためには、マニュアルに頼らず、自分の「常識」に頼って判断する人が現場レベルで…

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  8. 言ったモン勝ち、言わなきゃ(声に出してクレームしなきゃ)負けよ、ってとこはありますね。その場でスジが通ればなんとかなる、って感じでしょうか。自分が滞在していたときのいい加減さNo.1は、電気メーターの1000の桁の読み間違いで法外な請求書がきたことと、その後の対応の悪さでした。クレジット払いのダブルチャージは当たり前なんて、日本では信じられなかったです。

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  9. chikaです。
    イギリス、恐ろしいですねぇ。旧ソ連各国もすごいことになってるらしいですが。
    アメリカのいい加減さは、最初は
    「いい加減さの悪い面」
    ばかり目に付いて、みんないらいらしたり落ち込んだりするんですが、だんだんと
    「いい加減さの良い面」
    がわかってくる。(個別のニーズに応じてくれる、とか、自己主張する人を尊重してくれる、とか)そうすると、はまっちゃって、日本的なシステムが苦しくなっちゃうんですよねぇ。
    もちろん、人によるとは思いますが、私は超はまった。とはいうものの、日本に帰ると、なんでも思ったとおりキチキチとことが進むので、警戒心のガードが解けて背骨がふにゃふにゃになって気持ちはいいんですけどね。

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  10. [private] 意思決定の遅延について抽象的に記述する

     意思決定をするのはむずかしいことです.一般的に人は決定を遅延させようとします.これはよく「変化の早いこの世の中で拙速に判断をするのはどうなのか」といったような内容の言葉で正当化されます.彼らは,「意思決定の遅延の妥当性」をさまざまなメタファで説明します…

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  11. 縛られ嫌いの私は、アメリカのいい加減さに居心地のよさを感じました。
    何をするにも「どーちがうこーちがう」「こーするべきだあーするべきだ」とうるさく言われると、最後は面倒くさくなってはじめっからどうしてほしいのかを言って欲しくなります。でも、あーだこーだうるさい人達に限ってぴしゃりとこーしろとは言わない。(実はアイディアが無いのかもしれない。ただ文句が言いたいだけで。。)ので、何か疲れます。。
    アメリカのいい加減さが、個々のクリエイティビティーを助ける気が私はしました。

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